リンゴを買いに、いつものアグリツーリズモに立ち寄りました。

そして、夕方の誰もいないレストランのバーカウンターにゆっくり座り

窓から暗くなっていく田園景色を眺めながら
暖かい室内で過ごしていました。

いつもの席から

















隣の農場の高校生の女の子の家庭教師を終えてから
ここで温かい紅茶を飲んでいました。



そして、コックさんの女性、マリータさんは
夕食のお客さんが来る準備をしながら

”RIEは、ここのお菓子が好きよね。よかったら、あるわよ。”
とキッチンに向かって行き、私は、その方向を見ていました。

その時、クリスマス前夜、そして大晦日の晩餐(Cenone)のメニューが
壁に貼られていることに気が付き


”残念・・・。私も、ここで、みんなと一緒にマリータさんのお食事を
楽しみたかったけれど

ずっとこの期間、クリスマスから来年の3日過ぎまで仕事で別の州に行っているの。
今、予算内で、その時期の滞在先を探しているところ。”と言うと


”そうよ。私たちの仕事は、そういうもの。”と

マリータさんが少し淋しげな笑顔で
それでいて、力強い瞳でまっすぐに私の方を見て、大きくうなづきました。


”私もこの時期は、自宅にずっと帰れないのよ。息子の家族には
クリスマス前にでも会おうと思うのだけど。”


そうだったのか。
私は、知らなかったのです。


みんな、それぞれ一生懸命、生きている・・・。



”ここのお料理がとても好きでね・・・”と私は
まだ誰もいないレストランの座席を見渡します。




”そう言ってくれて、本当に嬉しいわ。

お料理で特別なことは、何ひとつしていないのよ。
ただ、小さい頃からの母の味を一生懸命作っているだけ。

それでも、よかったら、RIE、一日中、予約が入っている時は
たくさんのメニューを作る機会があるから

厨房に見にいらっしゃい。
ずっと作るのをみていればいいわ。”




マリータさんの出身であり、故郷であるピエモンテ州のクーネオ(CUNEO)。

今までに試飲してきたこの地区の高級なピエモンテワインが

また違った角度で大きな輝きを持っていると

彼女の大きく優しい、そして力強い目を見ながら
見えたような気がしました。



”お仕事の邪魔をしないから、もう少しここに座っていていい。”

紅茶は、もうすっかり冷めてしまっていたけれど
私は、もうしばらく、ずっとここにいたいと思いました。




”イタリアで仕事を見つけることは、とても大変だから
どんなに遠くても、それを大切にしなければいけないのよ。”

そんな彼女の言葉を思い出していました。



キウィのケーキ
農場で収穫されたキウィを使って。

マリータさんの優しい
やわらかな味わいのケーキでした。










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