先日、訪問したピエモンテ州北部(アルトピエモンテ地方)ビエッラ県のワイナリーについての更新です。

私が暮らしているピエモンテ州北部(アルトピエモンテ地方)のワイン試飲会で
この地域のワイン全部を試飲して、何度か知り合って気になったところがありました。

それは、ビエッラ県で、私が現在、輸入しているピエモンテ州のお菓子、カネストレッリ ビエレーゼ
(ビエッラ県の伝統のお菓子でサクサクの薄いウエハースにチョコレートをサンドしたもの)

造っている小さなお菓子屋さんの隣町のワイナリーでした。

ワイナリーの名前を直訳すると赤い火山岩、確かにノヴァーラ県のブドウ畑と異なります。

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品種バルベーラ

barbera

そして偉大な品種ネッビオーロ

nebbiolo

無農薬の畑で、除草のためにトラクターが雑草を切って肥料にしていきます。
それでも、ノヴァーラ県の他の無農薬のワイナリーのように雑草が茂っていないのは
この除草を切断しているトラクターの背後の山にも見えるような赤い火山岩の土地だからです。

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ワイナリーのダヴィデさんが話してくれました。

ブドウの植樹時にも堆肥だけで水を与えていないこと、それによって、ブドウの樹は、自分で
生きて行くだけの力を持とうと、赤い土地、赤い火山岩のすき間に水を求めて根を伸ばしていくこと。

もし、最初に水を上げたら、ブドウは、ずっと水をあげないと育たなくなってしまう。
テロワール(土壌の特性)のためだけでなく、自分でこの土地を知って生きることを、覚えていくために
水をあげることはいっさいしない。

ノヴァーラ県の氷河からの土壌で白い固い石のすき間に根を伸ばすブドウ、そして一方でこの赤い土壌で
火山岩のすき間を水を求めているブドウに興味を持っていました。

*ブドウの根が地下を求めて伸びていく図は、先日のブログにあります。
ブドウの苗木の植樹とテロワール

下記の写真は、火山岩や花崗岩、片岩、斑レイ岩などの火成岩などの分布図です。
この地図で、上部に↑GHEMMEと赤字で書いて位置がわかるようにしてみました。
このブログによく登場するノヴァーラ県のワイン産地ゲンメのワイナリーや
スーノのワイナリーは、この図の上部に位置します。
(ゲンメ、スーノなどノヴァーラの小高い丘はモンテローザの氷河の影響で形成)

一方、ノヴァーラ県ゲンメから、セージア川を隔てたすぐ近くのヴェルチェッリ県の
ワイン産地Gattinara(右に赤く〇をつけた)は、火山岩の地質です。
(薄い茶色の部分が火山岩の地質です、)

ゲンメの地域のネッビオーロに比べると、ガッティナーラのネッビオーロは、
比較的タンニンが柔らかなのが特徴です。
ビエッラ県のこのワイナリーのブドウ畑のだいたいの位置に赤く●←をつけてみました。
同じく火山岩となっています。

rocce vulcaniche
この地域の火山に関係する地質学の本の図から
l'incredibile storia del supervulcano del Sesia(Silvano Sinigoi)


試飲したワインは、この他にスプマンテでピエモンテ州のシャルドネ100%のメトド・クラシコを含め、
ネッビオーロのロゼなどこのワイナリーのすべてのワインを試飲していますが、
紹介したいのはこの火山岩の地質で造られる赤ワインです。

COSTE DELLA SESIA Rosso DOC "GALLIANO"2014
(Nebbiolo 60% Barbera 15% Croatina 35% )
BRAMATERRA DOC 2013 (Nebbiolo 80%,Vespolina 15%, Croatina 5%)
BRAMATERRA RISERVA2012(Nebbiolo 80%,Vespolina 15%, Croatina 5%)

bramaterra

BRAMATERRA RISERVAに関しては、年内、クリスマスまでに日本に入荷予定。

いつも考えていることがあります。
よく、日本帰国時に”ワイン商のRIEさんが来日”とワイン会の案内に書いていただいていて
私がワインビジネスとして生きていることに気が付くことがあります。

確かに、私は、小さなワイナリーなどのイタリア食材の輸入業者の立場なのですが
暮らしいているアルトピエモンテ地方に関しては、そうでなくてもトスカーナ州のカッラーラの
ワイナリーも含めて、ビジネスでなくイタリアでの一生の付き合いになっていくという思いがあります。

それで、売れるワイン、流行のワインで他社に切り替えて取り入れるということができないので
一緒にどうしたらいいか、考えプロデュースすることも多いのです。
実は、日本行きの私のワインは、醸造を変えているものもあります。

今回、ダヴィデのワインで素晴らしいシャルドネのスプマンテですが、もっと辛口で日本の方に合うように
リキュールの添加をゼロにして造りあげてみて、私の方でもベースとなる白ワインの醸造法も
考えていくことになりました。そのため、すぐに輸入できない状況ですが、
絶対、素晴らしいワインにして日本に紹介できると信じています。

私は、日本で販売するにあたって、彼らの思いや将来など背負っていくものがあまりに大きいです。

今まで、イタリアに最初、到着したボローニャ、その後、ヴェネツィア、ローマで生活して
このブログを開始した2005年からピエモンテ州ノヴァーラ県で暮らして長い年月が経過していきました。

イタリア、日本の家族のこともありますが、もう他の土地で新しい生活を考えてもいい時期で、
実際に私は、将来は、ドイツ、フランスで農業やワインを勉強していきたいとも思っていましたが
すでにその思いは、遠くなりました。

ずっとピエモンテ州のアルトピエモンテ地方で、ゲンメのアントネッロ、スーノのフランチェスコ、
ファーラのフランチェスカ、このビエッラ県のダヴィデと一緒に年を重ねて語り合っていくことでしょう。
そうしていきたいです。ずっとアルトピエモンテ地方で私にできる何か貢献していきたいです。

そして同じ年のフランチェスコをはじめ、私と同世代の彼らには、後継者がいるので、
私の方でも後継者をと思う気持ちもできて、今月から、日本で素敵な若い女性のアシスタントさんがいます。
少しずつ、冬の初めのワイン会で登場出来たらと思っています。

生産者のダヴィデさん。
今まで輸入していなかったけれど、いろいろな時にいつも連絡してくれてありがとう。
ダヴィデさん


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