北イタリア ピエモンテの田舎で暮らして

ピエモンテ州ノヴァーラ県の稲作地域での暮らし。 バローロ、モンフェラート、ゲンメのワイナリー、ピエモンテ料理ときどき地域猫のぴーちゃん

オーストリーワイン

霧の夜に

ミラノでは、晴れていた金曜日の午後1時半を過ぎた頃
トスカーナのカッラーラで仕事をしている夫から電話が入りました。

”そっちは、霧が出ているかな。”

高速道路バスに乗り込むと、陽射しが入る左側の窓のほとんどは、
カーテンがかけられていました。

”太陽の光が眩しい。今日は、大丈夫みたいだけど。どうして。”

”大理石の会社で働く友達が、明日、その辺りに
狩猟に行くと楽しみにしているからね。”

昨年の9月21日に解禁になったピエモンテの狩猟時期は
1月31日までで、ちょうど明日、土曜日が最終日です。

*******************************************************

バスは、ノヴァーラを通過して更に北上していきました。

車窓から。(これは、コンパクトデジタルカメラです。)

車窓から



















この日は、行きも帰りも一緒のバスに乗った通勤友達のシモーナと
前の席で、まるで遠足のように楽しく話していた時

”あっ。RIE!前を見てごらん。”

前方に突然、真っ白で何も見えない空間が待っていました。

高速道路を走っている車がブレーキをかけスピードを緩め
そのランプが次々にぼんやりと見えました。

赤いブレーキのランプが白い空間の中でラインとなってました。

**********************************************************

霧が待ち構える入り口を私は、今までに何度も通過してきました。

運転が怖くて心配だった時期を越えてから

その神秘的な景色の中を緊張感を持って走ることが
いつしかとても嬉しくなっています。

高速道路出口の近くの駐車場から
家庭教師先のノエミちゃんの家に向けて車を走らせます。

霧の中、窓を開けて走ってみると

ドライアイスのように前方から向かってくる霧の正体が
はっきりと見えたような気がしました。

左右に田園が広がる約7kmにわたる直線距離は
いつもどの車も100km以上のスピードで走る地帯です。

この日は、最高で4速まで。どの車も40km弱で走っていました。

*********************************************************

今、窓の外は、真っ白です。
真っ暗な夜が霧で白く、ぼんやりと明るく見えます。

樹氷の日も、霧の日も、そして霞んで山が見えない日も
まるでくっきりとアオスタ方面の山の集落が見えるような日も
誰も知らない間にひっそりと雪が舞うような夜も

いつもでもこのピエモンテの田舎での生活は、私の中で
とても大切な日々となっています。

ここで暮らすイタリア人と違い
みんなと同じように楽しく暮らすためには

彼ら以上に頑張って働いて前に進んでいかなければ
得ることが出来ないこともわかっているし

そして日本で展開している仕事を含めて気がかりも
本当にとても多いけれど。

でも、とにかくこの霧の金曜日の夜に

ピッツァの生地が発酵するのを待つまで

大好きなオーストリアワインと

アルト・アディジェのスペック(Speck:アルト・アディジェやチロル地方の
スモークされたハム)でも食べようと

箱からワインを取り出しました。


MAXIMUM
MAXIMUM
2004
ニーダーエスタライヒ州(Niederösterreich)
カンプタール(Kamptal)
ブドウの品種:GRÜNER VELTLINER
アルコール度数:14%
HIEDLER





これは、好きなワインのひとつです。

硬質なミネラルと白桃などの果物の香り
決して複雑な香りではないけれど
どこかこの国の持つ崇高さを感じます。

どこまでも透明な清らかさの中に繊細さを感じる
オーストリアのワイン。

冷たい冬の空気の中、ウィーンの美しい街並みを
歩いていた日のことを思い出します。



そんな時、ワイナリーの仕事仲間のパオロから連絡が入り

前回、帰り道に霧で道を間違えてしまって、
見知らぬドルチェット(ブドウの品種)の畑が
目の前に広がっていたことを話すと

”ああ・・・そうだったのか。きっとバルバレスコ方面に
向かってしまったんだろうな。

今も、アルバのブドウ畑は深い霧に包まれているよ。”

blogランキング
に参加しています。
どうか、クリックして応援して下さい。

ST.LAURENT


凍るような冷たい大気に包まれて
木々も草もそしてクモの巣までも
すべて真っ白なオブジェのようになりました。

氷の大地























お昼過ぎに帰宅してその真っ白な田園の景色に驚きました。

霧で、日の出前のまだ暗い朝に出発したので
この景色に気が付かないでいました。

すべての雫が氷の結晶になっていました。
氷で覆われて














そしてその後、夜から雪になりました。
今、外は、一面が真っ白に覆われています。

祝日の今日は、とても静かな雪の日になりました。

*祝日 エピファニア。(Epifania:
クリスマス後12日目にあたり東方の3博士が
キリストの礼拝に来た日の記念。Befanaとも言います。)

家の中では、ガス暖房の管を伝う水の音と
パソコンのキーを叩く音だけが響いています。

ブログの更新をしてから、仕事関係の書類を作ろうと
温かいマーマレード紅茶を飲むことにしました。

マグカップを取り出し、レモンのマーマレードを入れて
熱い紅茶を注ぎます。

このマーマレードは、トスカーナのCarrara(カッラーラ)で
育ったレモンを使っています。

夫の友人の庭にあるレモンの木は、何もしない無農薬です。

私が、体調が悪かった時期にたくさんのレモンを持って帰ってきた夫は、
蜂蜜入りのレモンマーマレードをたくさん作っていました。

****************************************************************
今日、紹介するワインは、隣の国オーストリアの赤ワイン。

オーストリーワイン 赤
ST.LAURENT CLASSIC 2005
産地:BURGENLAND
Trocken *残糖度9g/l以下 辛口
ブドウの品種:ST.LAURENT(ザンクト・ラウレント)100%
アルコール度数:12.5%
TINHOF

前回(2008年12月22日)、ワイン紹介した北イタリア 
ヴァッレ・ダオスタ(Valle d'Aosta)の
ピノ・ノワール(PINOT NOIR )に
この品種 ST.LAURENT(ザンクト・ラウレント)とは
そのワインの味わいがとても似ています。



夏は、暖かく、寒い冬が訪れる緯度の高いヨーロッパで作られる
ワインが持つ柔らかな森の果物の香りと湿った土壌の香り
その奥に繊細さがある優雅なワイン。

************************************************

昨夜から農業用の大型トラクターに乗り慣れている
友達のヴィクトリオやエリザベータは、
マルペンサ空港の除雪作業の仕事に行っています。

交代しながらの徹夜作業です。

気象情報のメッセージが携帯電話に来ると
雪が降る何時間も前から待機状態になります。

大晦日のカウントダウンは、もちろんのこと
大晦日の晩餐もなく除雪作業をしていたのです。

”空港は、強い風雪となってそれは、とても寒いんだ。”
この仕事について語る時、ヴィクトリオは、いつも最初にこう言います。

年末にイタリアの番組の中の一部で日本を紹介する場面があり
この時間帯に合わせて、町のバールに友達が集まり
カウンターにあるテレビをじっと見ていました。

空港で、飛行機の離陸準備が整い、滑走路に向かっていくと
整備の方々が飛行機に向かって手を振り
そろってお辞儀をする場面が放映され
その余韻がしばらく心に残っていました。


さらさらとした雪は、まだ降り続いています。
今日は、ずっとこのままでしょう。

blogランキング
に参加しています。
どうか、クリックして応援して下さい。

イタリアでは、クリスマスから6日の祝日まで
責任者が休暇を取ることもあり
仕事関係の連絡が取れないところも多いです。

去年のクリスマス前には、焦ることもなく
”エピファニアまでにどうにか終わらせればいいわ。”
そう思っていたことが、すべてまとめてやってきます。

そして大きな制作を手がけている夫は、
トスカーナの大理石の産地にある
設備の整った工房に再び戻っていきます。

グヤーシュとオーストリアワイン

年末の買い物帰りに撮った夕暮れの田舎の町。

この時の気温は、零下でした。
食料品店で買ったトマトソースや野菜を車に積んで
3km先の自宅に向けて出発です。

29dec2007












日没が過ぎ、辺りが暗くなると、霧になりました。
真っ暗な空がぼんやり白く濁った色彩に変わっていきました。

霧の夜は、静かでとても好きな時間です。

真っ白な中、運転をしなければならない夜であっても
田園地帯に立ち込める深い霧は、好きなピエモンテの景色のひとつです。



冬の夜には、北にある他の国や地方の食事を作ることもあり
この日は、ハンガリー料理であるグヤーシュスープにしました。

ピエモンテ料理以外で、作ることが多いメニューのひとつです。

私は、この体が温まるグヤーシュ(Gulash)スープを
寒い季節のウィーンのカフェや空港でいつも注文していました。

そんな私のとっては、これは、ウィーン料理です。

実際には、もっと素朴なスープですが
自宅では、野菜をとても多くし
牛肉は、ピエモンテの生で食べることのできる
脂の少ない仔牛肉のたたきを使っています。

私の家のグヤーシュ









牛肉、玉ねぎ、じゃがいもの他にセロリ、にんじんなどに
たくさんの量の香辛料パプリカと
そしてトマト、赤ワインを入れています。


これに自家製のパンとチーズとこのスープを
作るのに入れたのと同じ赤ワインで夕食でした。


私の好きなオーストリアワインのひとつのZweigeltです。

SEPP MOSER  zweigelt 2004
ZWEIGELT
2004
ワイン畑:HEDWIGHOF
Neusiedlersee,APETLON BURGENLAND
ブドウの品種:Zweigelt 100%
アルコール度数:13%
SEPP MOSER

深いルビー色で森の果物の香り
スミレの花、湿った地面の香りです。
丸みのある深い余韻が残ります。


ブドウ園のある地域の土壌は
おそらく腐葉土と砂利の層になっている地帯でしょう。


これは、インスブルックのワインカフェでのZWEIGELT。

ワインカフェで zweigelt


















前回の記事の写真に説明がなかったので、質問がありました。
最初のトリノの夜景は、カプチー二山(Monte dei Cappucini)からの景色。

2枚目に見えるライトアップしている丸い屋根を持つのは
グラン・マードレ・ディ・ディーオ教会
(Chiesa della Gran Madre di Dio)で

この後、丘から下り、この教会の近くの広場に面している
カフェで夕食(食前酒とサラダだけ)にしました。

3枚目は、その店内からの写真だったのですが
私が嬉しそうにして大きく写っているものばかりだったので(笑)
窓の写真にしたのです。

このカフェからの窓の眺めは、目の前が
グラン・マードレ・ディ・ディーオ教会でとても素敵です。

カフェの窓から

















食前酒の時間だったので白ワインとサラダなどがあるビッフェで
2人で10ユーロの夕食でした。

最後のデザートの写真は、このクリスマス期間に食べた
リコッタチーズのケーキです。

blogランキング
に参加しています。
どうか、クリックして応援して下さい。

今年もあと少し。

大晦日は、ピエモンテワインのバローロと
ピエモンテのビール職人の作った地ビールの予定です。

ブログで、ピエモンテ、クーネオで作られている
このビールも紹介します。

インスブルックへ

写真は、オーストリア、インスブルックの夜の旧市街(黄金の小屋根)です。

インスブルック 夜




















朝、ノヴァーラからヴェローナまで行き
そしてミュンヘン行き列車に乗り替えました。

窓際に座っていた私は
車内の暖かい陽射しの中で
紅葉しているチロル地方の景色を眺めていました。

長く停車していたオーストリアとイタリアの国境にある
ブレンナーの駅を出発すると

それまでイタリア語に続き、英語であったアナウンスは
ドイツ語に変わっていきます。

ブレンナーは、第二次世界大戦中に
ヒトラーとムッソリーニの会談が行われたところです。

やがて列車は、アルプスに囲まれたオーストリア、インスブルックに到着しました。

バックの中には、ランチに持って行きなさいと
夫が作った胡桃のパンがまだ残っていました。

インスブルック 1















11月1日の祝日から日曜日までの休暇期間を過ごす人々で
街は、賑わい、華やかな気持ちになります。

ホテル到着前に明日の仕事の準備と下見を終えると

朝から夕方まで、胡桃パンと少しのお水だけで過ごしていたので
ワインカフェに立ち寄りました。

インスブルックのワインカフェで 1













インスブルックのワインカフェで2BURGENLAND 
CHARDONNAY

2004
ブドウの品種:Chardonnay
アルコール度数:13%
Weigut Gsellmann&Gsellman

ミネラルの香りをいっぱいに含んだ
心地よい果実の酸味がとても美味しく
この樽熟成されたシャルドネは
まぎれもなく、オーストリアの味であり
ここがイタリアでないということを
感じさせてくれます。

暖房の入ったカフェで飲んだ冷たい白ワイン。



夜が思っていたよりも早く訪れました。
旧市街にあるホテルにチェックインをして
荷物から革の手袋を出しました。

空気が凍ったように冷たい夜でした。

レストランからの暖かいオレンジ色の光と木の素朴なテーブルで
人々が早い夕食を楽しんでいるのを見て

私も温かいスープや郷土料理
そしてシャワーで体を温めたら
今日は、とにかくいつもよりもずっと早く眠ることだろうと

そう考えていたら、なんだか、とても幸せな気持ちになってきました。


blogランキング
に参加しています。
どうか、クリックして応援して下さい。

インスブルックの夜は、鹿の温かい煮込み料理にしました。

ウィーンで

空気が凍っているように冷たい
冬の美しいウィーン街を歩いていました。


ウィーンの街
















日本に住んでいた頃、それまでの仕事の中で
もっとも思い出のある都市がウィーンでした。

懐かしいホテルの前を通りすぎました。

ホテルの名前の一部が当時と変わってしまったことだけで
あの頃の私が、存在していないような気分になっていました。

時間の経過を感じていました。

あの頃と同じ気持ちのままでなく
そして振り返ることなく
もっと進んで行かなければならないのですから。


午後は、街の中心から離れ

小さなカフェで温かいコーヒーとケーキで
本を読んで過ごしていました。

学校帰りの学生が多く乗るバスの中で
今まで感じたことのない
ウィーンの地元の人々の生活の雰囲気でいっぱいでした。

郊外で
















ウィーンに駐在する方が案内してくれたレストランは
静かな場所にあり、落ち着いて
食事もワインも楽しめる素敵なレストランでした。

多くのワインが1/8 L のグラスで注文できます。

前菜と一緒に頼んだのは、オーストリアの白ワイン。
オーストリアの品種 GRuNER VELTLINER RESERVE 2005

お肉料理のメインでは、オーストリアの赤ワイン。
国際品種であるCABERNET SAUVIGNONを選んでみました。

オーストリアワイン
CABERNET SAUVIGNON
2004
ブドウの品種:Cabernet Sauvignon
アルコール度数:14.5%
WEINGUT ARTNER






オーストリアのCabernet Sauvignonは、香りからその産地の特徴を
ワインが語るのを静かに聞こうとグラスを傾けます。

落ち着いた照明の店内で、わずかな光からワインを眺めると
輝きを持つ透明感のあるルビー色でした。

喉元を過ぎた感覚では、アルコール度数は、13.5%から14%と推定していました。

レストランで働く女性に見せてもらったボトルの表示は、14.5%。

”これは、どの地域で作られているのですか。”

”ウィーンから、そう遠くないところです。”



醸造学での化学の力が大きいのだろうか
それとも地形的なものだろうか・・・。

私は、ホテルに戻り、ロビーにあるインターネットで
その見知らぬオーストリアの地域 ”Hoflein”の緯度、高度
年間の気温、降水量のグラフなどのデーターを眺めていました。

それをオーストリア国境に近い北イタリアのワインの産地のグラフと
何度か照らし合わせているうちに、深夜になり

部屋に戻って、最後にウィーンの景色を見ようと
窓を開けると静かに雪が降っていました。



次の日の早朝には、空港へ。
イタリア帰国便は、ドイツを経由しないで、まっすぐミラノ・マルペンサ空港に。


夕食のレストラン

ARTNER
住所:Floragasse 6

blogランキング
に参加しています。
どうか、クリックして応援して下さい。

フランクフルト経由でウィーンへ

ミラノ・マルペンサ空港を離陸後、シートベルトサインが消えて
ドリンクサービスが開始される頃

真っ白なアルプス山脈が姿を現しました。

ルフトハンザ機でスイス上空にて



















数日後、まったく同じ便名に再び乗ることになります。
私は、やはり空の上で過ごすのがとても好きなのです。






フランクフルトで乗り継ぎ、ウィーンに到着して、ホテルに向かうと
晴れた夜空の空気は、凍っていて、何もかもがくっきりと見えます。

大気中がネオンに反射されて、キラキラと光っていました。
この時の気温は、氷点下でした。


街並みも空気も飛び交う言語も歩いている人々の服装も
何もかもが違っていました。



ホテルのBARは、暖かく、室内は、乾燥していました。

オーストリアの品種であるGrüner Veltlinerを選び
1/8Lと表示されたグラスを眺めます。

薄い緑色がかった麦わら色が美しいフルーティなワインです。

そのクリスタルな輝きを持つ
冷たいオーストリアの白ワインが美味しく感じます。

ほとんど空になったグラスを見ながら
”おかわりは、いかがですか。ウィーンは、お仕事ですか。”と

ホテルの人は、スペイン語で話しかけてきました。

”私は、イタリアに住んでいる日本人です。”

グラスを眺めながら、しばらく考えました。

次に、私は、Wachau地方Neuburgerの品種
(Pinot Biancoと Silvanerの交配)のグラスを注文することにしました。





ホテルの部屋に戻って、窓辺に立つと、窓が白く凍っていました。

窓を開けると、冷たい空気が入り、空がとても澄んでいます。

私は、明日、待ち合わせのある夕方までの自由な時間
どこに行こうかと考えると、とても嬉しくなりました。


blogランキング
に参加しています。
どうか、クリックして応援して下さい。
Profile
写真 文章の著作権は
RIE OKUYAMA、Wine・Art Co.ltdにあります。
copyright(c) 2005-2017 
RIE OKUYAMA All rights reserved.


Archives
  • ライブドアブログ