北イタリア ピエモンテの田舎で暮らして

ピエモンテ州ノヴァーラ県の稲作地域での暮らし。 バローロ、モンフェラート、ゲンメのワイナリー、ピエモンテ料理ときどき地域猫のぴーちゃん

ピエモンテの水力発電

1866年に完成した水力を活用した灌漑施設

今朝は、教会のライトアップが消えていたので、中庭から駐車場まで真っ暗な中、ゆっくりと歩く。

車のライトを点けてフロントガラスを見ると、
静かに降っていたのは、冷たい雨だと思っていたら、みぞれでした。

今朝もそれほど寒くなく、氷点下1℃。
通勤中の短い更新です。
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最近のブログでゲンメのワイナリーの水力発電について書きました。
その時のアントネッロの何気ない会話の中に、たくさんの歴史が散りばめられていることに気づく。

セージア川の流れで川の石の大きさが変わることでアルプスに近くなる地域
そしてゲンメ、私の暮らす町と川の下流に少しずつ進むごとに、
それぞれの町で当時建築資材で使われていた石の大きさが異なること

水力発電と同時に広大な稲作地帯、そして農業用水で必要だった水を最初に今のように
水路が開発されたのは、いつだったのか

ワインだけでなく、ゲンメ、ノヴァーラ県の歴史について語るアントネッロを通じて知るようになったのです。

1866年、カブール運河の灌漑施設の完成した当時の様子。水力の動力を活かすように設計。

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この運河の支流は、私の暮らす町の近所の水田地帯を通過、
今まで時々、ブログの写真にあった大きな川のような用水路です

その当時の設計図

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その後、この施設は、この後、水力の動力設備が水力発電になります。
石油がエネルギーとして中心となった時代に設備が次第に衰退しましたが
現在の灌漑協会によって、新しく水力発電の設備が進められ
今後の計画予定箇所に色を塗ったパネルを見て、かなり多くの建設計画があることを知りました。

1871年5月29日に現在の灌漑協会のような組織があり、
この広大な水田地帯に必要な水を管理するための会議が行われました。

その代表者会議の中に記された名前のひとつに見覚えがあり
よく読んでいくと、私の暮らす水田の小さな町の名前も記されていたのです。
それは、近所の歴史建造物となった農場、優雅な邸宅の持ち主であった領主の名前でした。

この地方の小さな町が水田によって繁栄した輝かしい時代が確かにあったことを感じ
霧の中、自宅近くの廃墟となった保存建築でもある農民のお城であるリチェットを見上げました。

*1871年ということは、イタリア統一直後であり、この灌漑設備の完成、
その設計が行われたのはイタリア統一前になります。

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これからミラノに到着したら、いつものようにパソコンの電源を入れて
エスプレッソマシーンで淹れたカフェを飲む。
そんな冬の1日の始まりがとても好きな時間です。

それでは、良い1日を!

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マロラクティック醗酵中

土曜日は、グレーの空と霧の一日でしたが、今朝は、青空になりそうです。
ここ数日、暖かく教会前にある大きな邸宅の屋根にいる黒歌鳥(Merlo)の綺麗な鳴き声が
ずっと響き渡っています。

asa

昨日は、まだ取り外しが終わっていないクリスマスからの星のイルミネーションが
最後、夜の町に輝き続けていました。
間違えて電源が入ってしまったのかもしれません。
週末、楽しい空気になるので、今日もそのままついていればいいなあ。

自宅から朝の短い更新です。
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ここ最近、穏やかな気温が続いているけれど、ゲンメの旧市街の夜間、朝の気温は低く
赤ワインは、マロラクティック醗酵のためにワイナリーの気温を少し暖かくするために暖房を使っています。

*マロラクティック醗酵
リンゴ酸を乳酸と二酸化炭素にする発酵で酸味を和らげる作用です。
イタリア語では、La fermentazione malolattica
COOH-CHOH-CH2-COOH ⇒ COOH-CHOH-CH3 + CO2

この石造りの各部屋を1日中、一定に温めるには、電力が必要になります。
このエネルギーにかかる費用が莫大です。

ゲンメで

そしてマロラクティック醗酵をしない白ワイン、ロゼワインは、スペースの関係もあり
室内は、赤ワインに明け渡し、外に移されていました。
グラスを持って外で、アントネッロと2013年のエルバルーチェと2013年のネッビオーロのロゼを試飲。

*新しく、ゲンメのネッビオーロのロゼ2013の入荷を決めました。
外

ワイナリーで使われる電力は、現在、水力発電を用いています。

以前にブログで何度か登場したピエモンテの水力発電。
アントネッロは、協力者と会社を作り、電力を生み出し、その電力でワイナリーに必要な電気
そして余剰分を電力会社に買い取ってもらうことを実現しています。

水が高いところから低いところへ落ちる時の力で水車を回し、
その力で発電機が電気を起こす水力発電。
ピエモンテでは、アルプスから平野へと自然の高低差があるので、それを利用しています。

ピエモンテ、ゲンメ周辺を流れるセージア川、自然豊かな渓谷にあるセージア川の支流に
施設に川から水を取り込むための運河作りの様子。

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施設内に水が入り、発電するのに使われ再び、セージア川の支流に戻っていきます。
写真を見てもわかるように、施設は新しい建設でなく昔の建物を利用して改築しています。
これらの赤いレンガは、ノヴァーラの丘陵地帯の土から。

2

これは、2基の発電機が電力を生み、ゲンメのワイナリーの事務室にいながら、
パソコンによって、現在の電力、水量などが刻々と記録を見ることができます。
この写真からは、水の落差をそのまま位置エネルギーとしているのか
運動エネルギーに変えて、水の勢いでタービンを回しているのかわからなかったのですが
おそらく自然の高低差をそのまま使っているように思えます。

*ノヴァーラの市街地にある水力発電所を見学した時は、街の中で高低差が少ないので
運動エネルギーに変えていました。

3

イタリアの農家の多くの人は、それぞれ農業経営者として自らの事業に取り組んでいます。

ノヴァーラ県の畜産農家兼サラミ工房がバイオマスエネルギーで電力を生み出し
ノヴァーラ県の稲作農家のダニエーレは、広大な水田地帯の農家の屋根に太陽光パネルを取り付け
お米の乾燥室などで必要な膨大なエネルギーをすべて太陽光でまかない、
その余剰分を電力会社に買い取ってもらっています。

ちょうど教会の鐘の音が響いてきました。ミサの時間なのでしょう。
私は、今日もこの町で、素敵な時間を過ごしていきたいです。
良い日曜日を!

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いつものねこのコーナ―です。
私が外に行くのを見送ってくれます。
週末、家にいて、外に出ても、私がすぐに戻って来るので、不思議そうに見ているぴーちゃん。
???
ぴー


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用水路と水力発電

この写真は、今、バスの車窓からです。次第に明るくなってきました。
これから空が薄っすらと白くなっていき、その後、地平線から真っ赤な太陽が昇ります。

20130911


通勤中の短い更新です。
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秋になり、大通りに大型トラクターが走るようになりました。
この時期は、飼料用トウモロコシが、茎ごと細かく粉砕され運ばれていき
場所によっては、トウモロコシ畑は、3mぐらいの高さで自然の大きな壁となっていたので
収穫が終わった畑から、次々に地平線が見渡せるようになりました。

現在、水田の地域では、水を引き抜き、地面を乾燥させて収穫を待っています。

アルプスを水源とする河川から、人工的に一定量の水量になるように水を引いた運河は、
アルプスから平野まで、自然な高低差を利用して、この地域の水田のための灌漑を行っていますが
同時にクリーンエネルギーである電力を生み出しています。

008 (2)

ノヴァーラ県を中心にした灌漑を担当している協会によると、管轄している地域内に
自然な高低差がある箇所が200以上で、その数メートルの高さの水の落下を利用して
水力発電の施設を28稼動させています。
年間有効発電量124百万kWh (欧米式の三桁区切り表記でわかりにくいです。1億2400万kWh )
現在、さらに他にノヴァーラ県からパヴィア県にかけて46の施設を設計中です。

19世紀には、すでに灌漑と用水路の高低差を利用した水力発電の設備が存在していましたが、
石油がエネルギーとして中心となった時代に設備が次第に衰退していきました。

ここは、毎日のサイクリングコースで近所にある小さな水力発電設備。
2,3年前に出来ました。
IMG_6148 (2)

水力発電の計算式など、受験から時間が経過してすでに忘れてしまっていましたが
ここでの生活で少しずつ取り戻しています。
先月の夏祭りの時のブログで、高校生の綺麗なルクレッツィアちゃんが
理数系の高校、自然環境といったことを話していたことが、急に理解できました。
きっとこういう機関に関わった仕事をしていきたいのでしょう。

今日の午後は、収穫前のワイナリーへ。
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