August 04, 2015
雑誌ラティーナに掲載!
日本の音楽雑誌「ラティーナ」2015年6月号に、
CD「ai plays DONATO」について、載せていただきました!
☆☆☆☆☆
「ラティーナ」2015年6月号掲載
ドナートの曲を素材にした日本人演奏家の作品はめずらしくないが、本作のように自然に演者の風景として、しなやかに取り込む1枚と出会える機会はめずらしい。デビュー作「Solos e duos」(09年)にてドナートから未発表曲を提供してもらった矢崎愛だが、新作にていよいよ本人との共演の場を設けることに。共演とはドナートと対峙するなか自身の考えを増幅することであってドナートの音の一部になることではない。(Brisa do mar)にはこんな話がある。ゲストのフィロがギターを抱えてスタジオ入りすると、彼女はギターを置き歌だけ歌ってほしいとリクエストする。彼の声が器楽的であることも知っていた彼女は自身が欲していた音の色としてそれを重用したのだろう。彼女の念いが淡く描かれる詩情的な↓(Sambou sambou、Haneda)でもそれは顕著。万感迫る最後(Nua ideia)では短くまとめることで余白を作り聞き手に念いを預ける。幕の降ろし方も実に効果的。 若杉実
aiyazaki at 05:17|Permalink│Comments(1)│
August 03, 2015
CD日本盤、発売!
August 01, 2015
新潟日報にエッセイ
6月1日の新潟日報に私の書いた文章が載りました!
朝刊の「グローバルにいがた」というコーナーです。
子どものときからよく知っている自分の書いた文章が載るなんて
不思議な気持ち。
テーマは日本への郷愁とブラジルへの想い。
↓
☆☆☆☆☆☆☆
ブラジルに住んでだいぶたつ。18歳のときに来て、19年がたった。たまに日本に帰ると日本はすごいな、やっぱりいいな、と思う。サンパウロに戻ってくればブラジルはやっぱり素晴らしいな、と思う。おもしろいもので、普段は特に日本への郷愁を募らせることもなく楽しく暮らしている。でも、ひとたび日本へ行くことが決まるとうれしくてしょうがなくなる。出発の日を指折り数える。
長い長いフライトの末、成田に到着すると、空港の滑走路のアスファルトのよさに、もう感激する。田んぼと淡い色合いの空の風景に、ああ、日本に帰ってきた、と思う。待ちに待ったコンビニに散策に行く。日本の店員さんはみんな優秀で親切だ。本屋さんで本を探していたら、店員さんが走って取りにいってくれた。夫は自動販売機を気に入って、やたらと飲み物を買っている。新潟市江南区の実家では子どもたちがおじいちゃんおばあちゃんと仲良く過ごしている。
前回日本に帰ったときは、ブラジルに戻るときにさびしい気持ちになった。飛行機の中でサンパウロの日々が遠く感じられた。
でも、サンパウロの空港に着いて、入国審査係の女性がうちの子を見るや「わあ、かわいい、東洋人の赤ちゃん!」と叫んで、パスポートのチェックもそこそこに近くの同僚に「ほらほら、かわいいでしょう」と宣伝しているのを見ると、「戻ってきたなあ」と思う。
周りの体格が一気によくなって、自分が辺りで一番小さい人になる。とにかくピッタリむっちりとジーンズを履いた女たち。胴体が分厚く、シンプルな服を着た男たち。女性は長い髪、男の人は短い髪。街角のバールでは労働者が勢いよくブラジルの定食(ご飯、フェイジョン豆、お肉、サラダ)を食べている。レストランの前にはガードマンと駐車サービス係。家の窓から見えるビルに太陽が照りつける。
いつも演奏しているレストランのバーテンダーが「やあ久しぶり!」とあいさつをする笑顔が素直で、ほっぺが輝くようなのを見ると、ちょっと日本恋しさを忘れる。よし、またブラジルでがんばっていこう、と思う。
(矢崎さんはサンパウロ在住のミュージシャンです)
July 30, 2015
July 28, 2015
July 27, 2015
July 26, 2015
July 24, 2015
July 23, 2015
July 22, 2015
俳句の賞をいただきました
俳句で賞をいただきました!
武本文学賞という、
32年の歴史のある日系の賞の俳句部門で、
二人の先生からそれぞれ特選(最高位)と佳作(二位)を
いただきました。
とっても嬉しく光栄です!
受賞した作品↓
「小さきもの」 矢崎愛
小さきものの鼓動は速し冬の夜
母になり母との会話冬ぬくし
春の月順に覗きし子の寝顔
この国の色あたたかし黄イッペー
椰子の風届く食卓夏料理
一斉に木々ざわめきて夏深む
どんどんと素直になって剥く林檎
異人てふ心地よさあり小春の日
ひげ面のゼロ歳眠るジュニナ祭
つたひ歩き気の向くままに春隣
恋人に少し戻りて春の月
子をひざに子を目で追ひて夏の海
コスモスや首の長きは母ゆずり
子は父のあぐらの中に冬の夜
July 21, 2015
July 20, 2015
大竹トミエさんの訃報
2月12日、ブラジル現代アートの巨匠、トミエ・オオタケさんの訃報が届く。
享年101歳。
40歳を過ぎてから絵を描き始め、ブラジル中に愛される画家となり、
亡くなる直前まで創作活動をされていた。
デコ画廊で知り合って、一度は私のライブを観に来てくれた。
たしか、トミエさんが92歳ぐらいのとき。
ひとりでタクシーに乗って、「ほんとに来ましたよ」って笑って。
夜10時から始まるライブ、最後までいてくれた。
私がピアノソロで弾いた「メディテーション(Meditação、トム・ジョビン)」が
よかったと言って、アンコールしてくれた。
トミエさんが亡くなる日が本当に来るなんて。
ありがとう、トミエさん。
写真:サンパウロ市、ベラ・ヴィスタ区のデコ画廊にて。
January 30, 2015
December 22, 2014
アディオス・ノニーノ
12月12日、13日、
サンパウロ市のセルジオ・カルドーゾ劇場で
ダンスカンパニー「タンゴ&パッション」 のショー。
さすが地元サンパウロ、二日間とも超満員。
先日亡くなったマエストロ、ポッチョ氏へのオマージュのショー。
公演初日の12日は彼の88歳のお誕生日。
バンドネオンのソロで始まるインストの曲
「アディオス・ノニーノ」は、
こめられる魂を全っ部こめて弾いた。
弾いていたら涙がこぼれてきたけれど、
譜面台の横のハンカチを使わずになんとか
弾ききった。
音楽をとおして一緒に生きた人への思いを
音楽にこめて、たくさんのお客さんと共有できることを、
心から感謝した。
音楽をやっていてよかった、と思った日。
この日の相棒。
寿司、句会、カーテンコール
11月27日、私の参加している木犀句会の
納句座。
サンパウロ市ジャバクアラ地区の、
句会のリーダーの小斉棹子さんのお宅で。
句会メンバーのみなさんが作った握りずしが
長板にずらり!
リーダーの棹子さんのご挨拶
「この句会に心をよせて30年。
遠くからみなさんが来てくださるからこそ
これまでやってこれました」
そして乾杯!
長板は一瞬で空に!
大好きな句会。
大好きな先輩たち。
来年もどうぞよろしく!
この日の私の句:
二万キロ来し笑顔かなビール汲む 愛
カーテンコールライトに踊る夏の虫 愛
死を知らぬ子の手を握り夏の葬 愛
男性陣は遅刻してきたので、女性ばかりで記念撮影。
木犀句会サイト:http://mokuseikukai.jimdo.com/