グローバル・エイズ・アップデート

世界のHIV/AIDS情報を日本語で配信中!

第343号(第18巻第18号)2018年(平成30年)5月27日

■GLOBAL■<□<■AIDS■>□>■UPDATE■
グローバル・エイズ・アップデート
GLOBAL AIDS UPDATE
----------------------------------
第343号(第18巻第18号)2018年(平成30年)5月27日
No. 343(Vol.18-No.17) Date:2018/5/27
■GLOBAL■<□<■AIDS■>□>■UPDATE■
----------------------
★「第343号」目次

●対策・課題別記事、アフリカ以外の地域別記事
・(スイス)グローバルファンド、保健分野国際機関のジェンダー平等促進において高い水準をマーク
・(ネパール)ネパールのグローバルファンド案件、セーブ・ザ・チルドレンが受注
・(北朝鮮)グローバルファンドの北朝鮮からの撤退で、同国の結核・マラリア問題はどうなる?
・ C型肝炎への世界との闘いと薬物使用問題

●アフリカの地域別記事
・(ナイジェリア)ラゴスにおける67,763人のHIV陽性者の治療ケア−世界初のグローバルファンド資金受入責任機関となった地方行政の成果
・(南アフリカ)髭剃り機の刃によるHIV感染のリスク

------------------------------------ Vol.18 No.18---

◆発 行:(特活)アフリカ日本協議会
◆連絡先:
・東京都台東区東上野1-20-6丸幸ビル3F
・電話:03-3834-6902
・FAX:03-3834-6903
・電子メール:info@ajf.gr.jp
◆バックナンバー:下記ブログをご覧ください。
・http://blog.livedoor.jp/ajf/
◆Melma!を通しての購読申し込みは
・http://www.melma.com/backnumber_123266/
◆本メールマガジンから転送・引用を行う場合は、事前に発行者にご連絡をお願いします。

グローバルファンド、保健分野国際機関のジェンダー平等促進政策の評価で高い水準をマーク

【2018年4月3日】国際機関のジェンダーに対する取り組みを評価する独立したイニシアティブである「国際保健50/50」Global Health 50/50が発表した調査結果によると、グローバルファンドはジェンダー平等を推進する取り組みにおいて、世界の保健機関の上位9位に選出された。調査対象となった140の国際機関のうち、ジェンダー平等の理念をプログラムや戦略に盛り込んでいたのはわずか40%であった。

調査では、6つの項目によって各機関のジェンダー平等推進への取り組みが評価対象だった。
1. ジェンダー平等の公約についての公式声明
2. 企業理念におけるジェンダーの定義と国際基準との一貫性
3. ジェンダー平等政策の実施状況
4. 男女別に集計されたデータの公表
5. 職場におけるジェンダー平等を推進する方針と実行
6. 機関運営や上層部の人事におけるジェンダー比率

グローバルファンドは、「機関運営や上層部の人事におけるジェンダー比率」以外の項目で高評価を得た。また、トランスジェンダーの人びとのニーズに対応している数少ない機関の1つだった。

グローバルファンドのほかに上位にランクインした機関には、GAVIワクチンアライアンス(旧:ワクチンと予防接種のための世界同盟The Global Alliance for Vaccines and Immunization:GAVI)、国連合同エイズ計画 UNAIDS、セーブ・ザ・チルドレン・インターナショナルSave the Children InternationalやBRAC(バングラディシュ復興支援委員会Bangladesh Rural Advancement Committee: BRAC)が含まれる。全体的にみると、国際的な保健機関の職員の半数以上(67%)が女性であるにも関わらず、意思決定権は男性の手に委ねられることがわかった。

また、以下に調査結果の概要を示す。
・国際的に認められた基準に沿ってジェンダー平等について定義している機関は三分の一以下だった。
・プログラムや戦略の資料にジェンダーについて言及していたのは、わずか40%だった。
・三分の二の機関は、プログラム評価のデータを男女別に分析していない。
・機関上層部の男女比が平等であったのは、たったの20%だった。

原題:Global Fund gets high marks in study of efforts of global health organizations to promote gender equality
出典:Aidspan
日付:2018/4/3
URL:http://www.aidspan.org/gfo_article/global-fund-gets-high-marks-study-efforts-global-health-organizations-promote-gender

ネパールのグローバルファンド案件、セーブ・ザ・チルドレンが受注

【2018年4月24日ジュネーブ(スイス)発】グローバルファンド(世界エイズ・結核・マラリア対策基金)理事会に対する、ネパールからのHIV、結核、マラリア対策への資金要請は、同資金の主要受領団体 Principal Recipient (PR) を国際NGOであるセーブ・ザ・チルドレンに拠出する、という方向で、案件承認委員会 Grant Approval Committeeと技術審査パネルTechnical Review Panel から承認された。

ネパールは世界で最も貧しい国の一つで、国民の1/3が貧困ライン以下の生活をしている。ネパールの南部地域、インドとの国境周辺でマラリアが流行しており、炭鉱、森林労働者などの移動労働者が特にハイリスクで、感染者のおよそ半分を占めている。しかしネパールはマラリアの根絶に力を入れており、2026年までにマラリアをなくすという目標を掲げている。

結核は10万人中約150人の罹患率で治療はその76%、治療成功率は92%である。今回の支援では、グローバルファンドは特に鍵となる人口集団である囚人やスラム街の住民などに介入するよう要請した。

HIVの流行はいわゆる「鍵となる人口集団」Key populations に集中しており、2016年には薬物使用者で8.5%、男性とセックスをする男性(MSM)やトランスジェンダーで8.2%などとなっている。しかし、いわゆる「低リスク」と言われている一般女性の夫からの感染、また移動労働者などの新規感染数は減少している。

ネパールは2017〜2019年分としてグローバルファンドからマラリア、結核、HIV対策費として合計で4230万ドルの支援を得ており、受け取り先はセーブ・ザ・チルドレンとなっている。またネパールは、それぞれの疾病に対する優先的資金手当の要望として合計2290万ドルを申請した。技術審査パネルはHIVには満額、結核とマラリアには8割程度の支援額が妥当だとみなした。

◆特筆すべき強み
3つの資金要請を検討したところ、全て技術的に堅実で、それぞれ戦略的に考えられていた。
マラリアは、鍵となる人口集団である移民や難民、ヒンズー教の月経中や産後の女性に焦点を当てており、マラリアをなくすための基礎となる準備に必要なものである。結核は、疫学を基礎とし地理的に結核が流行している地域に焦点を当てており、国家計画にもきちんと沿っている。HIVも国家計画や健康セクターの計画に沿っており、また母子感染の根絶のための抗レトロウイルス薬の国内供給の増加や、移動労働者など鍵となる人口集団への対策など、疫学的に必要とされているところへきちんと対応できている。

◆問題と行動
技術審査パネルは、資金が拠出されるまでに解決されるべき問題点をあげた。
HIV、結核、マラリア共通の問題として、経済状況が不安定な中で国内投資をいかに確保するかが挙げられ、特にマラリアに関しては、効率的・効果的・公平な健康ケアシステムをいかに強化するか、長期的な公共経済管理システム計画を作成するよう推奨した。
また効率を上げるため、三大感染症の対策助成金でいかに相乗効果を狙えるかを検討するよう、研修や技術支援などで継続的に技術移転が行われるよう要請した。
それぞれに特化した問題としては、マラリアは移動労働者へ対策としてインドと政治的にいかに協力するかという点、またジェンダー的な視点、つまりセックスワーカーなど女性の移動労働者への対策が欠如している点が指摘された。結核は、検査から治療、治療成功率に至る治療の流れにおける推測データが不十分だと指摘された。HIVは、国家計画には鍵となる人口集団として記されている女性のセックスワーカーに対する対策の欠如が指摘された。

◆「マッチングファンド」
技術審査パネルはすべての活動において、例えば医療従事者を対象に差別や偏見をなくす研修をするなど、人権の面における障害を排除するよう要請した。そのためにグローバルファンドは、拠出額と同額を政府側からも出すよう要請するものであり「マッチングファンド」と呼ばれる方法で130万ドルの拠出を予定している。

◆資金状況、共同出資と持続性
保健省は今回、国内予算額を大幅に増やし、グローバルファンドなど外部組織からの拠出金を減らしつつも、合計予算を増額することに成功した。次の予算期間までに三大感染症それぞれにおいて今までの2〜3倍となるような大幅な投資の増額が求められている。特に結核やHIVにおいては初期治療薬の予算を全てカバーするよう確約している。
またグローバルファンドと保健省は、鍵となる人口集団への対策の継続を目的にNGOなどからの資金提供を仰げるよう協力している。

●原題: Nepal’s Funding Requests to the Global Fund Yield Three Grants to be Managed by an International NGO
●出典:Aidspan
●日付:24 Apr 2018
●URL: http://www.aidspan.org/gfo_article/nepal’s-funding-requests-global-fund-yield-three-grants-be-managed-international-ngo

グローバルファンドの朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)からの撤退で 同国の結核・マラリア問題はどうなる?

【2018年4月12日 ワシントンポスト】グローバルファンドは、朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)に対する結核・マラリア対策への支援を6月末までで一旦停止すると発表した。グローバルファンドは、2010年から2017年の間に、結核に6,900万ドル超を、マラリアに約3400万ドルの支援を行った。DPRKをめぐって今何が起こっているのだろうか。

1.グローバルファンドがDPRKへの支援を止めた理由
本当の理由は明確でないが、グローバルファンドは、「ゼロ・キャッシュ・ポリシー」、つまり仲介業者による現金取引の禁止の遵守への懸念だと発表しており、DPRK国内での支援物資の正確な運搬記録をとる必要があると述べている。しかし、現在のところ問題は見つかっていない。グローバルファンドは、DPRKが核実験を行っていた昨年の状況でも支援を続けており、このタイミングでの支援停止は予想外との声が一部団体から出ている。

2.グローバルファンドのDPRKへ支援規模
グローバルファンドのDPRKへの支援は、他の国に対するものと比べると規模は小さい。しかし北朝鮮の立場からすると、同基金の支援を失うことが感染症防止に与える影響は大きい。

3.結核・マラリアはDPRKにおいて深刻か
答えはイエスだ。特に結核は深刻である。北朝鮮は、WHOが定める「結核が深刻な30か国」に入っており、感染率はサブサハラアフリカ以外の国の中で最も高い水準にある。

マラリアについては、現在の感染率はピークだった2013年から減ってはいる。しかしWHOによれば、DPRKの人口の40%は現在も感染のリスクにさらされている。DPRKでの結核・マラリアの深刻化は、近隣諸国にとっても脅威となりうる。中国政府は、DPRKの結核の波及、つまり中国での感染拡大と東アジア地域の不安定化への懸念を示している。

4.グローバルファンドの支援停止により何が起こるか
支援停止は、DPRK国内での感染拡大のリスクを高めるのみならず、保健拡大の流れにも影響を与えかねない。グローバルファンドはこれまで、米国とDPRKの関係が悪化した中でも同国への支援を行ってきた。

しかし、DPRKをめぐる問題は国際関係と切り離せないのかもしれない。DPRK政府は、今回の支援停止措置が米国との外交関係悪化と同時期だったことに対し、グローバルファンドが米国の外交手段として使われたと批判している。

いずれにしても、DPRKに対する米国の経済制裁が同国の保健分野に与える影響は大きいだろう。事実、2016年に韓国がDPRKに対して経済制裁をした際、分野に例外を設けなかったため結核の薬の供給が滞った。今回も、当時と同様のことが起きると考えられる。経済措置は病人を標的にしている訳ではない。しかし外交関係と人道的問題の利害関係の衝突が起こったとき、命が危険にさらされるのは市民なのだ。

原題:North Korea has a big tuberculosis problem. It’s about getting worse.
出典:The Washington Post
日付:2018/4/12
URL: https://www.washingtonpost.com/news/monkey-cage/wp/2018/04/12/north-korea-has-a-big-tuberculosis-problem-its-about-to-get-worse/?noredirect=on&utm_term=.1e16e56c7285

C型肝炎への世界との闘いと薬物使用問題

【2017年7月28日】注射による薬物使用者(People who inject drugs:PWID)のC型肝炎ウイルス(HCV)の感染とHIV感染の蔓延が世界的に大きな問題となっている。2015年におけるC型慢性肝炎感染者は7,110万人と推定されるが、そのうちPWIDは560万人とされる。2015年の新規HCV感染者は170万人で、そのうち23%が注射による薬物使用に起因する。HCVの感染は初期段階で治療を開始しないと肝硬変、肝臓がんと進展し、長期的にケアの費用がかかることになる。PWIDのHCV感染は、注射針や注射器の使い回しが主な原因であるが、HIV感染も伴うことも多い。

薬物使用者のHIV感染を予防するために、注射針・注射器交換プログラム(Needle and syringe programme:NSP)やメサドンやブプレノルフィンを用いたオピオイド代替維持療法(opioid substitution therapy:OST)は、効果が証明されているにもかかわらずその導入が進んでいない。HCV感染は、ウイルスを直接排除する内服薬による治療により95%以上が治癒できるようになった。2015年から2030年の間に、WHOは新たなHCV感染を80%まで削減し、死亡者を65%まで下げ、そして診断を5%以下から90%まで上げ、治療を受けることができる患者数を1%以下から80%に上げることを目標としている。

スイスにある「薬物使用者の肝炎に関する国際ネットワーク」International Network on Hepatitis in Substance Users の研究チームは、なぜ薬物使用者のHCV感染への介入が重要なのか、なぜ介入することで到達目標が可能となるのか、そして対策に向けての課題と行動を促すための方策について検討した。

重要な点は以下の7つである。
1.抗ウイルス薬を内服する治療(インターフェロンフリー治療)はPWIDのC型肝炎の治療を改善
2.注射針や注射器交換とオピオイド代替療法は再感染のリスクを最小限に抑えるために重要
3.オピオイド依存症患者に対するメサドンやブプレノルフィンを用いた代替維持療法は効果的で肝炎ウイルスとHIV感染を予防
4.抑圧的な薬物政策と薬物使用者への差別を回避することの必要性
5.薬物使用者のヘルスサービス利用の強化
6.検査、ケアと治療の連携をあらゆる専門分野で実施
7.明確な国家戦略とWHOの削減目標を実現するための財政強化。

注射による薬物使用者のHCV感染をなくすには、注射針・注射器交換などのハームリダクション・サービスの普及と、薬物使用者への差別をなくし、検査とその後の治療やケアのフォローを専門分野が連携して行うことが重要である。さらに薬物使用者に対する刑務所収監に代わる更正方法を含む薬物政策の改革と、ハームリダクション・サービスに関する資金の規模拡大と改善、ヘルスサービスへのアクセスの容易化、コミュニティのエンパワーメント、そして利用可能な診断と医薬品の提供などを提言する。

原題:Elimination of HCV As A Public Health Concern Among People Who Inject Drugs by 2030 – What Will It Take to Get There?
出典:Journal of The International AIDS Society
日付:2017/07/28
URL:https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.7448/IAS.20.1.22146

(ナイジェリア)ラゴスにおける67,763人のHIV陽性者の治療ケア 世界初のグローバルファンド資金受入責任機関となった地方行政の成果

【2018年5月5日】ナイジェリアのラゴス州は、HIV陽性者で治療を受けている人が、昨年の6万4千人に対して、今年5月4日には6万7,763人となったと発表した。州の保健局長であるジャイド・イドリス医師 Dr. Jide Idrisは、現在展開中のラゴス州における事業報告書において、州のマラリア・HIV・結核プログラムは成果をあげていると発表した。

イドリス医師は、抗マラリア経口薬を6万4千回分、また抗マラリア経口薬に耐性を持ったマラリア原虫に対しても有効であるアルテスネイト注射を1万本、州全体に配布したと報告した。

さらに、その成果について以下のように述べている。

「このプログラムは州内の6万7863人のHIV陽性者に対して実施されており、そのうち1,989人は、2017年12月にグローバルファンド(世界エイズ・結核・マラリア対策基金)Global Fundの支援を受けた3つの行政区(イコロドゥIkorodu、オショディ−イソロOshodi-Isoro、エペEpe)の住民だ。今回の成果で、この州へのグローバルファンドによるHIV征圧プログラムが18か月の延長期間を得ることができた。さらに、このプログラムによって、112万5,939人に対してカウンセリングやHIV検査、およびその結果を提供することができた。現在ラゴス州は、「サービス提供者主導の検査・カウンセリング」(Provider-Initiated Testing and Counselling:PITC)、および妊娠中の女性に対してオプションBプラス(Option B+*)への拡大と、州が管轄する一次から三次医療施設において検査やプログラムを開始している」

イドリス医師はさらに、ラゴス州は抗ウイルス治療(Anti-Retro Viral Therapy:ART)が可能な医療機関が44か所から65か所に拡大したこと、さらに、母子感染予防プログラム(Prevention of Mother to Child Transmission:PMTCT)が展開されている施設において、提供するサービスをオプションBからオプションBプラスにグレードアップすることで、プログラムの質を10%改善したと述べた。
イドリス医師によると、ラゴス州政府は2017年に地方行政としては世界で初めて、グローバルファンドの資金受入責任機関(Principal Recipient:PR)となり、HIV予防・治療・ケアやサポートなど包括的なプログラムを、前述の3つの行政区にある70の医療施設において展開しているという。この資金の目的は、第一に、HIVの新規感染者を減らし、HIV感染者やその影響を受ける人々の生活の質を改善し、1万337人のHIV感染者(People living with HIV:PLWHIV、うち3,876人が子供)に資金をあてることだ。

そして第二に、これら3つの行政区において、2017年までに質の高い結核・HIVに対する予防・診断・治療サービスを提供すること、そして2020年までに必要な人へのARTの適用が少なくとも80%まで引き上げることを指標とした、HIV蔓延のコントロールである。
* Option B+:新たに簡素化された抗レトロウイルス薬の治療法

原題:Nigeria: 67, 763 HIV Positive Persons on Treatment Care in Lagos
出典:Leadership (Abuja)
日付:2018/5/5
URL: http://allafrica.com/stories/201805050111.html

(南アフリカ)髭剃り機の刃によるHIV感染のリスク

【2018年5月3日】南アフリカの研究者らは、血液などで汚染された髭剃り機の刃による肝炎、およびHIV感染のリスクを明らかにした。髭剃り機の刃部分の血液、および血液由来ウイルスの汚染によりB型肝炎がヒトからヒトへ感染する危険性を示した。ケープタウン大学のザンダイル・スペンゲーン博士 Zandile Spenganeは、小規模な研究ではHIVは検出されなかったが感染のリスクを示すべきだと述べた。

本研究では、航空地図により南アフリカ共和国の3群区から50店舗の理髪店を抽出した。研究対象の理髪店にて、理髪師による使用済み刃の洗浄方法を記録した。また、理髪店から使用済みの刃をサンプルとして回収、分析した。

本研究の結果、顧客の78%が清潔な刃によるサービスを求めていることがわかった。また、回収されたサンプル分析の結果、HBB(血液タンパク感染)陽性が42%、B型肝炎陽性が8%、HIV陽性はみられなかった。

ザンダイル・スペンゲーン博士 Zandile Spenganeは、「顧客がHIV 感染者なのか、B型肝炎に罹患しているかどうかはわからない。大量のサンプルを用いた研究では、より良い質の高い結果が得られる可能性がある」と述べた。

原題:Africa:That Clean Shave Haircut Could Get You Infected With HIV-Research
出典:allAfrica
日付:2018/5/3
URL: http://allafrica.com/stories/201805030115.html

第342号(第18巻第17号)2018年(平成30年)5月13日

■GLOBAL■<□<■AIDS■>□>■UPDATE■
グローバル・エイズ・アップデート
GLOBAL AIDS UPDATE
----------------------------------
第342号(第18巻第17号)2018年(平成30年)5月13日
No. 342(Vol.18-No.17) Date:2018/5/13
■GLOBAL■<□<■AIDS■>□>■UPDATE■
----------------------
★「第342号」目次

●対策・課題別記事、アフリカ以外の地域別記事
・(東ヨーロッパ・中央アジア地域)グローバルファンドからの資金移行 東欧地域の進捗状況
・(スイス)グローバルファンド、# Me Tooを契機にセクシュアル・ハラスメントに関する規定の見直しへ
・(アフリカ、アジア含む23カ国)23カ国で調査 HIV対策の資金はどのように割り当てられるべきか

●アフリカの地域別記事
・(ナミビア)子どものAIDS当事者たちのための未来を創るティーン・クラブ
・(マラウイ)「人口サービス・インターナショナル」(PSI)、マラウイ最大都市ブランタイアでHIV自己検査プロジェクト拡大

------------------------------------ Vol.18 No.17---

(東ヨーロッパ・中央アジア地域)グローバルファンドからの資金移行 東欧地域の進捗状況

【2018年4月3日】東ヨーロッパ・中央アジア地域 Eastern Europe and Central Asia (EECA)の多くの国々は、ラテンアメリカ・カリブ海地域と同様に、エイズ・結核・マラリア対策について、グローバルファンドの資金による実施から、自国の資金による実施への移行プロセスを進めている。グローバルファンドはこれらの国々に「移行準備資金」を提供しているが、これについても、脱却しなければならない時期に差し掛かっている。本記事では、東欧・中央アジア諸国におけるHIV、結核、マラリアの移行準備状況の概況について説明したい。

持続可能性・移行・共同資金拠出政策 Sustainability, Transition and Co-Financing Policy

2016年4月、グローバルファンドの理事会は、持続可能な三大感染症対策の実施に向けて、中所得国における三大感染症の対策費を外部資金から国内資金に移行させていくことを目的に「持続可能性・移行・協働資金拠出政策」Sustainability, Transition and Co-Financing Policy (以下、「STC政策」)を策定した。

これはグローバルファンドを長期的に持続させるとともに、各国にグローバルファンドからの自立のための移行を約束させるという政策である。STC政策は、疾病負荷や経済力に関わらず、すべての国は、国の対策、プログラム、グローバルファンドからの拠出金の使い方や実施について持続可能かどうかをよく考慮して計画を立てるべきであると述べている。また、疾病負荷が大きく、資金が不足している国についても、より多くの国内資金を保健分野に投資する必要性を強調している。グローバルファンドの「支援適格政策」Eligibility Policyでは、各国において、次期支払時期において「資金適格外」ineligibleになる案件について、「優先的な資金移行の必要性」priority transition needsがある場合には、「移行準備資金」を得られる、ということになっている。しかし、之には例外があり、以下の国の場合は移行準備資金を受け取ることができない。

・高所得国に分類される国
・G20のメンバーであり、上位中所得に移行しつつあり、重度の疾病負担ではない国
・経済協力開発機構Organization for Economic Cooperation and Development (OECD)の開発援助委員会Development Assistance Committee(DAC)のメンバーである国

STC政策においては、移行資金は、当該国の移行計画にふくまれている事業にのみ使い、移行資金の期間内に、現在グローバルファンドの資金で行われているすべての事業を自国資金で賄うことを達成しなければならないとされている。

本記事では、移行の概要説明のために、以下の分類を用いている。

・移行準備資金政策が採用された時点ですでに不適格であったため資金を受け取れなかった事例
・2017年から2019年の資金受け取り期間において、移行準備資金を受け取れた事例
・2025年までにグローバルファンドのサポートから離脱することが予定されている事例
・移行準備を始めた事例
・長期の移行に向けてまだ一定の時間がある事例

移行準備資金政策が採用された時点ですでに不適格であったため資金を受け取れなかった事例としては、2015年の段階で以下のケースがある。

―ブルガリアHIV対策
ブルガリアのグローバルファンドからの拠出によるHIV/AIDS対策費の最後のものは、以前、グローバルファンドの案件が「案件募集」ベースで行われていた時期のもので、2015年12月31日に終了する予定であったものである。対策の鍵となる人口層 key populations のためのHIV対策を支援するために資金拠出は延長され、2017年の9月に終了した。2016年、2017年についても、「NGOルール」(特定の政治的条件下において、NGOが対策の鍵となる人口層向けに対策を行う場合にのみグローバルファンドへの資金申請を認める枠組み)の下で資金を受け取れる可能性はあったが、結局、ブルガリアは、「NGOルール」の適用によって資金を提供しなければならないような厳しい政治的障壁がなかったため、結局、対象外となった。同様の事例としては、ボスニア・ヘルツェゴビナのエイズ・結核案件、マケドニアのエイズ・結核案件などがある。

2017年から2019年の支払い期間内に、移行準備資金を受け取れた事例について、以下の案件は、2014年から16年の支払い期間が、通常の案件として資金が受け取れる最後の期間となる。そのため、「移行資金」については、17-19年の支払い期間に受領できる。
―アルバニアHIV対策
2015年に通常の案件を受給する資格がなくなったため、2017年から2019年の支払い期間において、移行準備資金として110万ドルの支援を受けることになった。同様のケースとしては、アルバニアの結核案件、トルクメニスタンの結核案件などがある。

2025年までにグローバルファンドのサポートから離脱することになっている事例としては、以下のものがある。これは、対象国の一人当たり国民所得に基づく分類が変化したり(つまり、低所得国から中所得国に上昇したり)、疾病負荷のカテゴリーが変化したことによるものである。
―コソボHIVと結核対策
HIV、結核ともに、コソボが上位中所得国になると予想されるため、2020から2022年の支払い期間の間に応募対象外となる見込みである。そのため、移行準備資金については、2023年から2025年に受け取れる。

移行計画が始まった事例であるが、グローバルファンドは、資金拠出対象となっている上位中所得国および下位中所得国で、疾病負荷が低いかもしくは中程度である場合、現在の支払い期間(2017-19年)中に移行計画を作るように要求している。東欧・中央アジア地域としては、アゼルバイジャン、ベラルーシ、グルジア、モンテネグロ、セルビア、ルーマニアの6つの国がここに分類される。一方、移行に向けて長期的な計画の対象になりつつある事例としては、キルギスタン、モルドバ、タジキスタンなどの下位中所得国が挙げられる。

一度資金拠出対象外になったが、対象内に戻った事例としては、カザフスタン、モンテネグロ、セルビアのHIVのケースがある。これらはHIVの疾病負荷が「高レベル」に分類しなおされたので、対象内となった。

原題:EECA is One of Two Regions Where Transition Planning is Most Advanced
出典:aidspan
日付:2018/04/03
URL: http://www.aidspan.org/node/4577

(スイス)グローバルファンド、# Me Tooを契機に、セクシュアル・ハラスメントに関する規定を見直しへ

【2018年4月 3日】ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの「ジェンダーと国際保健センター」のプロジェクトである「国際保健50/50プロジェクト」が刊行した国際保健におけるジェンダー平等に関する報告書「国際保健50/50報告書」において、グローバルファンドは、ジェンダーの問題を政策やプログラムに組み込んだことで好評価を得た。一方、この報告書で比較的高評価を得た国連合同エイズ計画 UNAIDS、赤十字やオックスファムなどは、シニアスタッフによる性的違法行為に関する調査の対象となった。

UNAIDSとグローバルファンドはともに、ジェンダーに対するポリシーがあるか否かという観点から、同報告書で9位以内の高い成績を得た機関である。しかし、UNAIDSはルイス・ローレス(Luis Loures)副事務局長が性的暴行の廉で告発されたにもかかわらず、その申し立てへの対応が不適切であったことから非難の的となっている。

UNAIDSのようなハイスコアの組織が、職場でのセクシュアル・ハラスメントへの対応が不適切とみなされるような状況において、グローバルファンドはどのようにセクシュアル・ハラスメントの問題に対応しているのだろうか。この記事では、グローバルファンドのセクシュアル・ハラスメント政策および処罰の手順について調べた。

現在のポリシー
グローバルファンドには、セクシュアル・ハラスメントを含むハラスメントやいじめの防止のために作成された従業員用ハンドブックと従業員行動規範がある。また、従業員行動規範、理事行動規範ではいかなる種類のハラスメントや差別も禁じているが、セクシュアル・ハラスメントについては詳細な記載がない。

処罰手順
ハラスメントの被害者は人事部、倫理部門、オンブズマン、福利厚生部門を通じて是正を求めることができる。いじめやハラスメントの申し立てを行った従業員は解決に向けて公式、および非公式の会合を持ち、ハラスメントの目撃者も同じチャネルを利用することができる。

処罰の決定
従業員ハンドブックはハラスメントを違法行為とし、そのような行為は、書面での警告、給与の停止、解雇または即時解雇といった様々な方法で罰せられる。解雇もしくは即時解雇の場合は、最終決定のために事務局長へ上がる。

権利に関する規定を策定することは、安全な文化を保証することにもつながる。グローバルファンドのセス・ファイソン(Seth Faison)広報責任者は、「規定はセクシュアル・ハラスメント防止に必要な要素であるが、最終的な解決は、行動を起こし、加害者に責任をとらせる文化のもとにある」と述べている。

既定のレビュー計画
本年2月にピーター・サンズ(Peter Sands)次期事務局長はグローバルファンドスタッフに対して、倫理部門と人事部長とともに現有の規約を見直し、状況に合わせてアップデートされ改善されているか検討することを発表した。この見直しにはスタッフとの討論会を含み、従業員ハンドブックと従業員行動規範の改定に繋がる。この見直しはグローバルファンドの行動規範にセクシュアル・ハラスメントに関する規定が組み入れられる契機となるだろう。

原題:#MeToo Prompts Global Fund Review of Harassment Policies
出典 aidspan
日付:2018年4月3日
URL: http://www.aidspan.org/gfo_article/metoo-prompts-global-fund-review-harassment-policies
おすすめ(AJF関係者の本)
AJF代表・林達雄著作。治療薬アクセス問題を患者の側から描き、真の国際協力とは何かを問う、HIV/AIDS関係者必読の一冊
Categories
Archives
発行者:AJF

アフリカ日本協議会

  • ライブドアブログ