グローバル・エイズ・アップデート

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2007年01月

第61号(第3巻第10号) 2006年(平成18年)1月18日

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グローバル・エイズ・アップデイト
GLOBAL AIDS UPDATE
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第61号(第3巻第10号) 2006年(平成18年)1月18日
Vol.3-No.10 (No.61) Date: January 18, 2007

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世界基金: 2007年3月に第7回新規案件募集を開始することを決定

途上国の三大感染症対策に資金を供給する「世界エイズ・結核・マラリア対策基金」は、これまで毎年、新規案件の募集を行ってきた。しかし、これまでの募集の方法では、いつ新規案件の募集を開始するかが理事会の決定に委ねられており、また、募集開始から締め切りまでの期間が短かったために、応募側は、短期間での案件申請書(プロポーザル)の作成に苦労していた。しかし、次回案件募集から、この問題が解決されそうだ。

さる11月に中米グアテマラで開催された理事会において、世界基金は、第7次新規案件募集の公表日(申請書書式とガイドラインが公表される日)を2007年3月1日以前、申請書の提出締切りを同年7月初旬、理事会による承認を同11月、さらに第8回新規案件募集を2008年の同じ日程で行うとの予定を発表した。

この決定により、第7次募集への応募を希望する場合、世界基金からの公示を待つことなく、今からでも案件申請書の準備を開始できることになった。

世界基金の案件申請書応募は、原則として、各国に設けられ、政府・民間・市民社会という異なったセクターが共同して案件形成・監督を行う機関である「国別調整メカニズム」 CCM: Country Coordination Mechanism が行うことになっている。

CCMの中には、案件申請書作成に関わる膨大な作業に直面して、すでに萎縮しているところもあるかもしれない。世界基金はCCMに対して、非常に複雑な申請書に記入するだけでなく、申請書の作成過程にCCM以外のメンバーを含む幅広いセクターの関係者を参加させることを条件としている。世界基金はCCMに対して、申請書作成手順を以下のとおり定めている。

1. CCMは国内における幅広い関係者を公式に招待し、世界基金への案件申請についての提案を聴取すること
2. 関係者は世界基金に対して、提案を行い、提案書を提出すること
3. CCMは、関係者からの提案を受けて申請内容を再検討すること
4. CCMは、最終版の申請書を作成し、CCMメンバー全員からの署名を取り付け、世界基金に提出すること

上記の手順をすべて行うには、公示が出されてから提出までに4ヶ月以上を要するケースも少なくない。従って、これらの作業、特に1から3については、公示が提示される現段階で開始しても決して早すぎることはない。さらに、公示が出るまでの間に、前回の第6回新規案件募集の申請書式やガイドラインをインターネットで取り寄せ、その目的や主な活動や予算について見直すことも有意義であろう。先を見据えているいくつかのCCMの中には、すでに、公示が出る前から幅広い関係者からの提案を受けて、プロジェクトの形成に取り掛かっているところもある。

原題:ALERT: The time to start working on Round 7 Global Fund Proposals is NOW!
日付: December 14, 2006
出典:AIDSPAN wetbsite
URL:http://www.aidspan.org/index.php?issue=69&article=3

米国国立衛生研究所、男子亀頭包皮切除がHIV感染率を半減と発表 =「世界エイズ連合」は施策導入について慎重さを要求=

12月14日付けのニューヨーク・タイムズは、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health NIH)は成人男性における亀頭包皮切除(包茎手術=割礼)が、HIV感染リスクを大幅に減らすという新たな研究成果が発表されたと報じた。同研究所は、ケニアとウガンダで治験をおこなっていたが、昨年の南アフリカにおけるフランスの研究機関の治験結果と同じく亀頭包皮切除の有効性が確かめられた。

NIHの治験によると、約3,000人が参加したケニアの治験では58%の感染可能性の減少、また約5,000人が参加したウガンダの治験では48%の感染可能性の減少が確認された。包茎の人がHIVに感染しやすい理由として考えられているのは、皮膚免疫を司る「ランゲルハンス細胞」 Langerhans cells が包茎の表皮に多く存在しており、これとHIVが結合しやすいということである。また、性行為時に摩擦による傷ができやすいのも一因とされている。これをうけて、エイズ予防専門家の間では亀頭包皮切除という新たな予防方法の有効性に注目が集まっている。

米国ワシントンDCに本部のある「世界エイズ連合」 Global AIDS Alliance:GAA はこのような亀頭包皮切除の有効性のニュースを歓迎しながらも、この普及には慎重さが必要だ、と警告している。新規HIV予防方法としての亀頭包皮切除は課題がたくさんある。例えば、亀頭包皮切除がHIV感染を完全に防ぐ絶対的な予防方法ではないということを成人男性に理解させること、世界保健機関(WHO)によるガイドラインの作成が急がれること、亀頭包皮切除を実施するための医療従事者の補助やトレーニング、財政的基盤を築くことが急務であること、などが挙げられる。

GAAは次のように述べている。たしかに、成人男性が亀頭包皮切除の手術を受ける際には、コンドームの入手や予防に関する教育を受ける易くなるなどの利点がある。しかし、既存のHIV予防活動は資金が不十分であり、予防方法にアクセスできる人々はごくわずかというのが現状である。また安全かつ倫理的に亀頭包皮切除がおこなわれるような環境整備も進めなくてはならない。GAAは、亀頭包皮切除も包括的なHIV感染予防教育の一部として検討していくことの大切さを強調している。

原題:Circumcision Halves H.I.V. Risk, U.S. Agency Finds
出典:New York Times
日付:2006/12/14
URL:http://www.nytimes.com/2006/12/14/health/14hiv.html?ex=1323752400&en=a7128f5b111e1c4d&ei=5090&partner=rssuserland&emc=rss

原題:Study on Effectiveness of Circumcision “Tremendous News,” Says Global
AIDS Alliance
出典:Global AIDS Alliance
日付:2006/12/13
URL: http://www.globalaidsalliance.org/pressreleases/press121306.cfm

マラリア感染はHIV/AIDSの拡大を促進する:最近の調査から

2006年12月8日発行の「サイエンス」誌に、HIVとマラリアの複合感染問題についての研究が発表された。この研究によれば、HIVへの感染で抵抗力が弱っている人は、マラリアにも脆弱になるという悪循環があるという。HIVとマラリアに二重に感染した場合の影響を試算したワシントン大学の研究者は、ケニアのある地域で過去20年以上の間に生じた数万人のHIV感染と約100万件のマラリア発症の間には相関関係があることを指摘し、「2つの感染症に対して連携して取り組む必要がある」と結論づけた。

政府の主要な感染症専門医である、米国国立衛生研究所National Institutes of Healthのアンソニー・ファウチ氏 Anthony Fauci は、「HIVに真剣に取り組むと同時に、マラリアについてもより真剣に取り組んでいく必要がある。」と述べた上で、米国が多額の資金を拠出して実施しているマラリア救済プログラムのような、早い段階での対策が、複合感染を防ぐという意味において重要であると指摘している。世界では、一年間に5億人がマラリアに感染し、100万人以上が死亡するが、そのほとんどは、HIV感染が拡大するアフリカの幼い子どもである。

科学者たちは長年、HIVとマラリアは相乗効果を持っているのではないかと疑ってきた。HIV陽性者の中でも、HIVの血中濃度が高い人は、低い人よりも他人にHIVを感染させやすい。ワシントン大学のレイス・アブ・ラダッド 氏Laith ab-Raddadによると、マラリアによる発熱が起きればHIVウイルスが一時的に約7倍にも増加する。このウイルスの増加期間は、通常6−8週間続く。これは、マラリアに感染しやすい地域に暮らす大人がマラリアを発症した後、高熱症状から回復して、性行為を再び行うようになるまでの期間よりも長い。さらに、HIV感染者は免疫システムが弱っているため、マラリアに再感染もしやすい。

それらの情報をもとに、アブ・ラダッド氏はケニア西部の大都市キスムを訪問し、そこでHIVとマラリアの感染についての追跡データと、セックスパートナーの平均数やセックス・ワーカーの人口規模などの性行為にまつわる情報を入手した。日常的にHIVとマラリアの両方に感染する可能性がある地域においては、HIV感染の5%はマラリアの影響によって生じたものであり、逆にマラリア感染の10%はHIVの影響によって生じたものである可能性がある(編集部注)。この割合をキスムにあてはめると、過去20年間に8,500人のHIV陽性者と98万人のマラリア発病者は、この相乗効果によって感染したこととなる。このことから、アブ・ラダッド氏は、キスムではHIVとマラリアが相乗して、両方の感染の拡大を招いたとの結論を出し、「このことは、南部アフリカでの爆発的な感染拡大の説明への一助となる」と付け加えた。

アブ・ラダッド氏と、その共同研究者でシアトルにあるフレッド・ハッチンソン・癌研究センターのHIV研究者であるジェームズ・クブリン 氏James Kublin は、「マラリア熱に冒された後の8週間、性行為を避ければ、HIV感染は大幅に防ぐことができるだろう。しかし、それは非現実的なことかもしれない。」としている。そのため、クブリン氏は、HIV陽性者は夜寝るときに防蚊ネットを張って寝ることと、殺虫剤を使用することが必要であると強調する。せっかくHIV薬物治療が普及しても、マラリア感染によって効果が低くなるからである。

国連のプログラムをはじめとして、主要な世界規模のキャンペーンは、近年アフリカのエイズ治療に焦点をあてており、現在途上国で100万人以上のHIV陽性者が治療を受けているようだが、まだまだ足りていない。2006年12月中旬には米国政府が、マラリア対策を検討するために国際的な専門家とのサミットを開催するという。

原題:Study says malaria helps spread HIV
日付:December 8, 2006
出典: Partnersuganda listserv
URL: http://www.healthdev.org/viewmsg.aspx?msgid=70AA9547-FFF6-4BDC-A475-C6BF84692E27

(編集部注)一般的に、1回の性行為によるHIV感染の可能性は必ずしも高くありませんが、ウイルス量が高ければ、その可能性は上がります。この場合の「影響」とは、たとえば、HIV陽性者がマラリアを発症してウイルス量が急増し、マラリアの症状が収まってからウイルス量が減少するまでの間に性行為を行ったために、HIVが相手に感染してしまったといったことを指します。つまり、その人がマラリアを発症しウイルス量を急増させていなければ、性行為を行っても相手は感染しなかったはずである、というケースです。この研究で、「マラリアの影響によりHIV感染が生じた」というのは、こうしたケースを指します。

モスクワの薬物使用者治療施設で火災、45名が死亡=世界HIV陽性者ネットワーク(GNP+)が抗議声明を発表=

ロシアの首都モスクワで2006年12月9日、薬物使用者の治療施設が火災に見舞われ、患者43名と看護師2名が死亡した。火事が起こったのは「モスクワ第17病院」の治療施設。160名が救出されたが、10名は一酸化炭素中毒により治療を受けている。モスクワ消防署の代表によれば、同病院は消防安全上の問題によりこれまで何度も閉鎖が勧告されていたという。

ロシア政府関係者の話によれば、多くの患者が逃げ遅れた原因として、警報器の作動が遅れたこと、病院スタッフの対応が適切におこなわれなかったこと、そしてこの病院は薬物使用者の治療施設であるために出入り口は一箇所しかなく、しかも窓に鉄格子があったことなどがあるという。火災自体は小規模であり、消防車20台により約1時間で鎮火したが、患者が就寝中の火災であったため、死亡者全員が消防車の到着前にすでに死亡していたとみられている。

世界HIV陽性者ネットワークGNP+は、12月12日、この火災について、ロシア政府の薬物使用者対策を批判する声明を発表した。GNP+は声明において、「起きてはならないことが起きた。薬物使用者は牢獄のような場所に置かれるべきでない。人権が尊重され、最新の科学的根拠に基づいた治療を受けられるようにすべきである」と主張した。

GNP+によると、ロシア政府は薬物依存とHIV感染対策として、麻薬代替薬による治療や注射器の交換などを始めとするハームリダクション・プログラムを無視し、国民に適切な予防や治療を受ける権利を与えずに懲罰的・威圧的な手段をとっている。UNAIDSの最新の報告によれば、ロシア連邦でのHIV拡大は、薬物注射が主な原因である。しかし、治療のための代替薬であるメタドン Methadoneやブプレノルフィン buprenorphine は非合法である。またHIV陽性者の多くは抗レトロウィルス薬による治療も受けられない状況にある。

GNP+はロシア政府に対し、注射薬物使用者に対して、懲罰するのではなく科学的治療プログラムなどの包括的な手法を採用し、HIV陽性者や、感染可能性の高い行動を取りやすい人々を守るための、人権を尊重した治療や支援を提供するよう求めている。

原題:Moscow hospital fire kills dozens
出典:BBCnews
日付:2006/12/09
URL:http://news.bbc.co.uk/2/hi/europe/6163835.stm

インド:自家用HIVテストキットの輸入に市民社会が懸念を表明

米国食品医薬品局 US Food and Drug Administration (FDA)がインドを含むアジア市場での自家用HIVテストキットの販売を認可したことが、当該地域で大きな波紋を広げている。HIV感染予防の活動を行っている様々な団体が、テストキットの販売はインド国家エイズ管理機構 National AIDS Control Organization(NACO) や他のNGOによるこれまでの努力を台無しにすると訴えている。自家用テストで陽性が出た場合には、カウンセリングなどのフォローができないからである。

チャンジガル・エイズ・ヘルプライン Chandigarh AIDS Helpline のコーディネーター、アヴニッシュ・ジョリー医師 Dr Avnish Jollyによると、このキットを使えば秘密保持はできるが、HIV陽性であることをオープンにしている人々を増やすためには、教育とアドボカシー(公的なサポート?)が必要であるという。実際、陽性反応が出た人が、そのことを誰にも打ち明けられず、行動を変えることもできずに感染を広めてしまうことも考えられる。逆に、自分がHIV感染を知ったとき、優れたカウンセラーがいれば、早期に治療を始めるよう勧めることができるかもしれない。「HIV/AIDSに関わる社会的の状況は各地域で異なる。インドなどアジア市場でこのキットを販売する前に、もっと調査を行う必要がある」と、ジョリー医師は指摘している。

ヒマチャル地域エイズ管理協会Himachal AIDS Control Societyのプログラム・オフィサーを務めているヴィシャル・アチャルヤ氏 Vishal Acharya は、「政府機関やNGOはこれまで、HIV感染拡大を防ぐために多くの努力をしてきた。HIV陽性が判明した人には、カウンセリングによって通常の生活ができるよう支援してきたし、必要であれば治療薬の投与も行ってきている。もし新しい製品を開発したり輸入したりする際には、それがどのような社会的影響を与えるかについて、事前に入念な調査が必要だ。」と述べる。また、「もし女性が自家用テストで陽性反応が出た場合には、そのことによって家庭内暴力を受けたり、社会的に嫌がらせを受けるリスクが高くなる」という危惧を示している。

原題:BATTLING FOR VIRUS:Prospective HIV self-testing invites sharp criticism
日付:December 6, 2006
出典:CHANDIGAPH Newsline
URL: http://cities.expressindia.com/fullstory.php?newsid=212177

タイ政府、エイズ治療薬への強制実施権を発動、自国内生産へ

ファイナンシャル・タイムズによると、昨年12月末、タイ政府は米国の大手製薬会社メルク社が特許権を持つ抗レトロウイルス薬「エファビレンツ」 Efavirenzの国内生産を認可した。この措置は、同国政府とHIV陽性者の負担を軽減することを目的としている。一方、メルク社は、この認可が「十分な協議もないままに決定された」と主張し、強く反発している。

この認可は、タイ政府が特許の強制実施権を発動して行ったものである。強制実施権を発動しての医薬品生産は、世界貿易機関(WTO)の「貿易関連知的財産権協定」(TRIPS協定)および、2001年のWTOドーハ閣僚会議で採択された「TRIPS協定と公衆衛生に関する宣言」により、WTO加盟国の権利として認められており、同権限を発動することにより、政府は製薬会社の承諾を得ずして、医薬品を自国の製造業者に製造させることができる。

タイ政府がエファビレンツ製造に関する強制実施権を発動した背景には、タイで一般的に使われている多剤混合薬の副作用の問題がある。タイでは84,000人のHIV陽性者が抗レトロウイルス治療を受けている。このうちの15%が、タイで第一次処方として使われる抗レトロウイルス薬による深刻な副作用に苦しんでおり、エファビレンツはその代替治療薬として必要とされていた。タイ政府製薬機構(Government Pharmaceutical Organization: GPO)は向こう2年間で15万人のエイズ患者が同薬を手に入れられるようにするのが目標だ。

米国政府はメルク社とともに、タイ政府によるこの措置に反発しているが、米国市民社会からは、米国政府に対してこのようなタイ政府の強制実施権の発動を受け入れるよう要求する動きが出ている。2006年12月20日、「保健への地球規模アクセスプロジェクト」Health GAPなど、途上国のHIV/AIDSに取り組む米国の市民社会数団体は、米国のコンドリーザ・ライス国務長官宛に、米国政府がタイ政府の強制実施権発動に対し否定的な行動をとらないように要求する声明を発表した。これら市民社会は、
強制実施権の発動は、公衆保健の促進が目的である以上、上述のTRIPS協定とドーハ宣言によって認められていると主張し、今回のタイ政府による強制実施権発動を機に、途上国におけるエイズ治療薬のさらなるアクセス向上を求めている。

これらの団体は、途上国において抗レトロウイルス薬の価格を引き下げ、治療へのアクセスを拡大することが途上国でのエイズ対策にとってきわめて重要であると主張する。これらの団体によると、治療薬価格が確実に低下するためには、製薬能力のある途上国政府が強制実施権を発動して各国のジェネリック薬企業がジェネリック薬を製造し、途上国の市場に流通させ、大手製薬会社のエイズ治療薬との価格競争が生じる必要がある。また、米国政府は「米国大統領エイズ救済緊急計画」PEPFARにより、途上国で使用する抗レトロウイルス薬を大規模に供給しているが、これらの薬の価格が低下すれば、米国国民の税金をもっと有効に活用できるという。

原題:Thailand breaks patent for Aids drug to cut costs
出典:FINANCIAL TIMES
日付:2006/11/30
URL:http://www.ft.com/cms/s/851b6c34-8016-11db-a3be-0000779e2340.html

原題:Sign-on letter to State and USTR regarding pressures on Thailand for issuing compulsory license
出典:cptech
日付:
URL:http://www.cptech.org/ip/health/c/thailand/2riceschwabthaicl.html

ジンバブウェ=経済危機で偽薬出回る

経済危機にあえぐ南部アフリカのジンバブウェでは、公的保健医療サービスの質が低下しており、それに乗じて闇市場での薬品売買が隆盛の兆しを見せている。ジンバブウェ医学協会Zimbabwe Medical Association (ZIMA) の会長を務める、 ポール・シメザ博士 Dr. Paul Chimedza は、「ジンバブウェでは現在、高いインフレ率と外貨準備不足によって国内経済が低迷し、保健医療セクターが悪い影響を受けている。薬や医療機器の全体的不足を理由に、信頼性の低いディーラーが街頭で効果の疑われる薬品を売買している。」とコメントした。

闇市場で取引される薬は、正式に認可された薬局の薬より、5分の1から8分の1も安い。ところが、この多くは効果のない偽薬である。また、もしこれらの薬が本物だったとしても、品質管理がされておらず、定められた方法で保存がなされていないため、何らかの副作用をもたらす可能性がある。こうした薬のほとんどは、薬価の低い隣国のザンビアやボツワナなどから密輸入される。一方、病院スタッフが薬品を盗み、街のディーラーに売り渡す例もあるそうだ。

医師がよりよい生活を求め、ジンバブウェから他国に移住してしまうため、医療従事者も不足している。無資格で、医療行為を行う者が増加し、間違った医療処置を行うケースも多い。同博士は、「医療機関のスタッフが患者に対し、闇市場で出回る薬品についてもっと教育すること、また警察も闇取引をもっと厳しく取り締まることが重要だ。」と主張する。

薬の違法売買は、西洋医学的な薬品だけでなく、伝統的な薬草(ハーブ)にも及んでいる。薬代が高くて払えず、伝統的なハーブ療法を行う施術者のもとで治療を受けた人が、偽物のハーブをつかまされ、命を落とし書けたというケースも多い。

ジンバブウェ保健省伝統医療部長 director of traditional medicineエクスネヴィア・ゴモExnevia Gomo氏は、「偽のハーブ療法を行う施術師の数が増えてきた」と認める。ハーブは通常の薬より安価であり、政府がハーブ療法を正式に認めたことによって、より広く普及するようになった。しかし同じ割合で、にせの薬草が売られるケースも増えている。

エイズ治療についても深刻な状況である。保健相デイビッド・パリレニャトワ David Parirenyatwa 氏は、政府には全ての人に抗ウイルス治療を無償で提供するリソースがない、と説明している。実際、ジンバブウェで治療を必要とするHIV陽性者約31万人のうち、実際に治療を受けられているのはわずか4万2,000人に留まっている。

原題:ZIMBABWE: Sick economy fuels growth of fake drug market
日付:December 11, 2006
出典:IRIN Plus News
URL:http://www.irinnews.org/report.asp?ReportID=56690

南部アフリカ開発共同体エイズ会議:南部アフリカ各国政府、セックス・ワーカーやMSMのエイズ対策を国家政策に統合する方向を示す

2006年12月12日、南部アフリカ開発共同体 Southern African Development Community (SADC) 加盟国14ヶ国(アンゴラ、ボツワナ、コンゴ民主共和国、レソト、マダガスカル、マラウィ、モーリシャス、モザンビーク、ナミビア、南アフリカ、スワジランド、タンザニア、ザンビア、ジンバブエ)の代表者は、マラウィ南部の主要都市ブランタイアで第3回加盟国AIDS担当者会議を開催した。この会議では、南部アフリカ地域でのHIV/AIDS拡大防止策の中で、セックス・ワーカーやMSM(男性とセックスをする男性)への対策の実施・強化について討議された。

マラウィの保健相マージョリー・エンガウンジェ氏Marjorie Ngaunjeは、3日間にわたる会議の冒頭で、「南部アフリカ諸国は、HIV/AIDS流行拡大抑止策として、感染の可能性が最も高く、感染の可能性の高い行動をとりやすい人口集団について、現実を見据えるべき時期にある」と発言した。同氏は、会議終了後「SADC加盟国の政府は、南アフリカ共和国を除いてMSMの存在を認めておらず、マラウィでもセックス・ワーカーやMSMの存在もは公に容認してはいないことになっているが、今や、こうした人々が実際に存在しているということについて、正直に認め、真実を語らなければならないときに来ている」と述べた。そして、「ほとんどの国がこうしたセックス・ワーカーやMSMの対策という課題に直面している。HIVの拡大要因や、高い感染可能性に直面する人口集団などへの対策について真剣に考える必要がある。」と続けた。

一方、アフリカ連合(African Union)のSADC代表団オモタヨ・オラニヤン氏 Omotayo Olaniyan は「セックス・ワーカーや注射薬物使用者におけるHIV/AIDS拡大抑止対策の不備が、感染可能性の高い行動をとりやすい人口集団の間でのHIV拡大の主な原因となっている」と述べた。氏によると、貧困のもとでの生活や、男性優位の社会における子どもや女性の権利の欠如により、これらの層にも感染の可能性が広がるという。同氏はさらに、「世界中のHIV陽性者の3分の1、2006年のエイズによる死亡者の34%が南部アフリカ地域に集中している。この地域は世界の『エイズ・グラウンド・ゼロ』であるかのようである。こんなことは受け入れがたい」と述べた。国連合同エイズ計画 UNAIDSの2006年報告書によれば、成人および小児も含めて世界のHIV陽性者の63%はサハラ以南のアフリカに住み、また新たな陽性者数は2004年の240万人から2006年には280万人へと増加しているという。

一方、会議では、男性亀頭包皮切除 male circumcision がHIV予防策として役立つかどうかについても、激しい議論が行われた。

原題:Southern African Leaders Meet To Discuss HIV/AIDS Among Sex Workers, MSM
出典:Kaisernetwork.org
日付:2006/12/14
URL:http://www.kaisernetwork.org/daily_reports/rep_index.cfm?DR_ID=41655

第60号(第3巻第9号) 2007年(平成19年)1月1日

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グローバル・エイズ・アップデイト
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第60号(第3巻第9号) 2007年(平成19年)1月1日
Vol.3-No.9 (No.60) Date: January 1, 2007

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