グローバル・エイズ・アップデート

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2007年05月

第70号(第3巻第19号) 2007年(平成19年)5月24日

■GLOBAL■<□<■AIDS■>□>■UPDATE■

グローバル・エイズ・アップデイト
GLOBAL AIDS UPDATE
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第70号(第3巻第19号) 2007年(平成19年)5月24日
Vol.3-No. 19 (No. 70) Date: May 24, 2007

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ユニバーサルアクセスの実現に向けて行動を!―5月20日から26日は全世界での行動週間―

WHOの発表によると、2006年に新たに70万人がエイズ治療薬にアクセスできるようになり、治療薬にアクセスできる人の数は全体で201.5万人に達した。しかし、その一方で数百万人の人が早S急に抗レトロウイルス薬を必要としながら、その供給を待っている状態であり、これまでの増加のペースでは、2010年までに治療薬を必要とする全ての人に治療薬を提供するという、「ユニバーサルアクセス(すべての人にエイズの予防と治療とケアを提供する)」の目標達成には、500万人も及ばないこととなる。この時期には、映ず治療を直ちに必要とする人は980万人にのぼると推測されている。

治療薬がなければ生きられない数百万人の人々に、治療薬を届けるスピードを上げるためには、より多くの人の行動が必要とされる。そこで、世界的なエイズ治療アクセスの実現に向けて活動する市民団体である、国際治療準備連合International Treatment Preparedness Coalition (ITPC)は、世界エイズ・キャンペーン(World AIDS Campaign)とともに、5月20日から26日までの1週間を、エイズ治療の普遍的アクセス実現のための「全世界での行動週間 Global week or Action」とし、より多くの人の参加を呼びかけている。6月6日から8日までドイツで開催されるG8サミットに先立って行なわれるものである。
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ユニバーサルアクセスの実現に向けて行動を!―5月20日から26日は全世界での行動週間―

WHOの発表によると、2006年に新たに70万人がエイズ治療薬にアクセスできるようになり、治療薬にアクセスできる人の数は全体で201.5万人に達した。しかし、その一方で数百万人の人が早S急に抗レトロウイルス薬を必要としながら、その供給を待っている状態であり、これまでの増加のペースでは、2010年までに治療薬を必要とする全ての人に治療薬を提供するという、「ユニバーサルアクセス(すべての人にエイズの予防と治療とケアを提供する)」の目標達成には、500万人も及ばないこととなる。この時期には、映ず治療を直ちに必要とする人は980万人にのぼると推測されている。

治療薬がなければ生きられない数百万人の人々に、治療薬を届けるスピードを上げるためには、より多くの人の行動が必要とされる。そこで、世界的なエイズ治療アクセスの実現に向けて活動する市民団体である、国際治療準備連合International Treatment Preparedness Coalition (ITPC)は、世界エイズ・キャンペーン(World AIDS Campaign)とともに、5月20日から26日までの1週間を、エイズ治療の普遍的アクセス実現のための「全世界での行動週間 Global week or Action」とし、より多くの人の参加を呼びかけている。6月6日から8日までドイツで開催されるG8サミットに先立って行なわれるものである。

アジア太平洋地域会議: HIV/AIDSへのコミュニティー・アプローチに注目

2007年8月19日から23日にかけて開催される、第8回アジア太平洋地域国際エイズ会議 International Congress on AIDS in Asia and the Pacific (ICAAP)がスリランカ、コロンボにて開催される。この地域でこれまで延々と繰り返されてきた、政府が果たすべき役割への議論に飽き飽きした活動家、専門家、およびHIV陽性者らは、この会議を、コミュニティにおける強いリーダーシップを主眼にしたものにしようと計画している。

UNAIDSアジア・太平洋地域局地域プログラム・アドバイザーであるチョウ・カシン氏は、「地域レベルでのリーダーシップについて書かれた抄録が多く、かなり目立っている。コミュニティを形成する市民社会側は、政府に頼らず、自分たちがするべきこと、必要なことが何かを掌握し、自身の未来は自分たちで担うということではないか。」と言う。

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将来計画の形成に前進=世界エイズ・結核・マラリア対策基金第15回理事会=

【ジュネーブ発:グローバル・エイズ・アップデイト編集部】2007年4月25日から27日までの3日間、ジュネーブで世界エイズ・結核・マラリア対策基金(世界基金)の第15回理事会が開催された。世界基金理事会では過去数回にわたって世界基金の2010年までの戦略課題が討議されてきたが、今回の理事会で、主要な点がほぼ決着した形となった。

戦略課題のうち、最大の対立点をなしていたのは、世界基金の資金規模の問題である。目標となる資金規模を決定して、それに向けて資金確保の努力を行っていくことは、世界基金の拠出の安定性と継続性の確保に向けて極めて重要である。これについて、途上国政府および市民社会側は、より大きな資金規模である60億ドルから80億ドルの線を主張し、一方、先進国政府側は、より「現実的」な資金規模として、40億ドルから60億ドルの線を主張した。これについては、理事会開催の3日間を通じて調整が行われ、最終的に、世界基金への資金需要が60-80億ドルに伸びることが予測されること、それに向かっての資金確保に努力することが明記された。

その他の戦略課題についても多くの決定が行われた。この中で、将来の世界基金のあり方に大きな影響を及ぼしそうなのは、「国家計画への直接の資金拠出」 Program Funding の導入である。三大感染症に対して適切なプロセスを経て採択された、質の高い国家計画について、新たに独立した審査メカニズムを設置して、直接の資金拠出を行うことを目指すことが決定され、次回理事会において、この審査メカニズムに関する提案がなされることとなった。これは、プロジェクト・ベースの資金拠出を基本としていた世界基金のあり方が、プログラム・ベースに転換していく可能性をはらむものとなっている。
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世界銀行: 突然の「『反』家族計画」 論?〜マダガスカル国別援助計画より

米国のNGO「健康とジェンダー平等のためのセンター」 Center for Health and Gender Equality と国際家族計画連盟 International Planned Parenthood Federation (IPPF)は、世界銀行によるマダガスカルへの国別援助計画から、家族計画に関する言及が全て削除されようとしていることに、驚愕と懸念を表明する声明を発表した。以下、声明を紹介する。

世界銀行におけるこの驚くべき指示は、世界銀行の専務理事 Managing Director であったフアン・ホセ・ダボーブ Juan Jose Daboub 氏により行われた。氏は、マダガスカルの国別援助計画から家族計画に関するすべての言及を削除するよう指示したが、これは、リプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)、貧困削減における世界銀行のこれまでの政策や国際的な合意原則や基準から逸脱するものである。

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アジア開発銀行、アジアのNGOにHIV/AIDS予防の資金拠出

2007年、アジア開発銀行が、HIV/AIDS予防促進のために活動しているNGO団体に対し、合計150万ドル(約1億8000万円)の資金拠出を決定した。

これはスウェーデン政府によって設立されたHIV/AIDS信託基金 HIV/AIDS Trust Fund の融資によるもので、今回のNGOへの資金提供は、エイズ対策支援のサブプロジェクト・セットアップの包括的計画の一部である。この交付金は、アジア・太平洋地域における開発途上加盟国で活動しているNGOに対するもので、HIV感染予防とケア、そして治療行為などの活動に対する資金拠出となっている。また、感染の影響を受けやすい人口・社会集団へのケア・プログラムを実施しているNGOが融資の優先順位が高いようだ。アジア開発銀行ではこれまで、アジア太平洋地域におけるHIV/AIDS活動を支持してきたが、さらに有効な奉仕活動や、治療に必要な物資の運搬を援助するために、NGOと共に働く機会を設けている。

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UNDOCが南アジア地域協力連合での静脈注射薬物使用者(IDU)へのハーム・リダクションと法規制に関する報告書を発表

国連薬物犯罪事務所(UNODC)は4月10日に、「南アジア地域協力連合(SAARC)諸国での静脈注射薬物使用者(IDU)のハーム・リダクション(harm reduction:健康被害軽減)に関する法規制面での懸念」と題する報告書を発表した。この報告書は、バングラデシュ、ブータン、インド、モルディヴ、ネパール、パキスタン、スリランカでのIDUへのハーム・リダクションの実施と政府の薬物規制の関係について調査したものである。

過去20年間に、南アジアでは薬物使用者(特に静注薬物使用者)の間でHIV感染が急激に広がった。HIVと薬物使用の双方を抑制するために、南アジアのいくつかの国では、静注薬物使用者に対して注射と経口投与による薬物代替プログラムが始められた。これらの取り組みは静注薬物使用者に対して治療と過度の薬物依存からの回復の機会を与えるものであり、その効果については、WHOなどからも支持されている。しかし、ハーム・リダクションの実施は、薬物法や刑法による制限が障害となってうまくいかないこともある。

南アジア諸国のこれまでの取り組みを調査した結果分かったことは、これらの国々が、薬物の取り締まりにかかわる諸法令によって薬物の所有、使用、及び供給を禁じているにもかかわらず、どの国でも薬物の使用が減っていないということである。いくつかの国々では規制の強化が、HIVの血液感染を引き起こす可能性の高い、注射針の共用などのより危険性の高い方法へと向かわせている。同報告書はヘロインの入手が困難になったことが、薬物注射を拡大させた原因になったのではないかと指摘している。

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タンザニア:ヘルペスとHIV感染予防の関係

米国感染症学会が発行する学術誌「感染症ジャーナル」 Journal of Infectious Diseases に、タンザニアで高い感染可能性に直面している女性たちを対象にした研究の結果として、単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)に感染している人はHIV感染のリスクが4倍から5倍になるという論文を掲載した。HSV-2感染がHIV感染の重要な要因になりうることは、過去の研究でも明らかになっていた。1980年代後半のサンフランシスコでは、MSM (Men who have sex with men : 男性とセックスをする男性)におけるヘルペス・ウイルス感染とHIV感染との関係が、また、最近ではインドや南アフリカで女性における研究でも、同様の関係が報告されていた。今回の研究では、その関係がより明確なものになった。この研究では、約63%のHIV感染が、陰部潰瘍性疾患(GUD)の症状の有無にかかわらず、HSV-2に感染したことが要因で生じていると推定している。

アメリカとタンザニアの研究者らは、まずバーやホテルに勤務するタンザニアの女性を対象にHIVおよび性感染症の行動学的および生物学的危険因子を特定する横断的な調査を実施した。しかし、HIV感染率の正確な推定ができなかったため、HSV-2を含む性感染症がHIV感染にどの様な影響を与えているかも特定できなかった。そのため、2002年12月から1年間にわたり、「前向き追跡調査」(コホート研究)を実施した。その結果、追跡調査が可能であった689人の中で、32人のHIV感染が確認され(HIV感染率は100人年あたり4.6)、教育を受けていない人および過去の妊娠歴がある人、性行為のパートナーが多い人がHIVに感染していたが、いずれも多変量解析では有意ではなかった。


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ジンバブウェ:暴力を受けた女性が正義を求めて政府を告訴

ジンバブウェでは、与党ジンバブウェ・アフリカ国民同盟・愛国戦線(ZANU-PF)による野党支持者の弾圧が続いているが、この弾圧の中には、女性に対する性暴力も含まれている。野党である「民主的変革のための運動」 Movement for Democratic Change (MDC)の活動に参加したことを理由に、ZANU-PFの民兵や退役軍人によって性暴力を受け、店や家も破壊されたシリバジソ・テンボ Silibaziso tembo さんも、このような被害をうけた人の一人である。


テンボさんは、2000年頃から連続して暴行を受けていたといい、身体の一部が麻痺してしまった。その後、彼女は治療と難民申請を求めて、隣接する南アフリカ共和国に逃れた。現在は、ジンバブウェ政府に圧制や暴力に対する罪を国際司法の場で告発するため、裁判の準備をしている。ムガベ政権による独裁が続くジンバブウェ国内では、正当な裁きを求めることは難しいからだ。

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AJF代表・林達雄著作。治療薬アクセス問題を患者の側から描き、真の国際協力とは何かを問う、HIV/AIDS関係者必読の一冊
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