グローバル・エイズ・アップデート

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2007年10月

第81号(第4巻第5号)

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グローバル・エイズ・アップデイト
GLOBAL AIDS UPDATE
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第81号(第4巻第5号) 2007年(平成19年)10月26日
Vol.4-No. 5(No. 81) Date: October 26, 2007

■GLOBAL■<□<■AIDS■>□>■UPDATE■

カナダ:強制実施権発動でエイズ治療薬をルワンダに輸出

9月21日、カナダ特許庁は、国産のジェネリック医薬品をルワンダへと輸出するために、複数のエイズ治療薬の製造に関する強制実施権を「カナダ・医薬品へのアクセスのための枠組み」Canada's Access to Medicines Regimeの下で発動した。この制度はカナダ国内の製薬会社が安価なジェネリック医薬品を途上国向けに製造し、輸出することができるように2004年に策定されたが、実際に発動されたのは今回が初めてとなる。

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カリフォルニア:多くのHIV陽性者が病院での差別を体験

カリフォルニア大学ロサンゼルス校のジャニJ.キンスル Janni J. Kinsle 博士らが2004年〜05年に行った調査によると、HIV陽性者の4人に1人が医師により差別を受けていると感じているということが分かった。陽性者は医療機関からの差別を感じることによって、病院や医療への不信感を持つ。これは、陽性者が必要な治療を充分に受けることのさまたげになってしまう。
最初の調査は、ロサンゼルス市内の223名のHIV感染者を対象にして、2004年5月から2005年6月の間に実施された。その6ヵ月後に、171名に対してインタビュー形式で追跡調査が行われた。対象者の構成は、80%が男性で、46%がアフリカ系、40%がヒスパニックとなっている。また、75%が高卒で、50%が年収8,000ドル以下であり、46%が医療保険を所持していない。そして、54%が同性間、30%が異性間での性行為によりHIVに感染し、16%は薬物注射によりHIVに感染した。

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カザフスタン:資金拠出の遅延によりHIV陽性者グループ運営が困難に

中央アジアのカザフスタン共和国のHIV陽性者組織のネットワーク、「カザフHIV陽性者連合 Kazakh Union of people living with HIV/AIDS」 は10万3,000ドルを投じ、「HIV陽性者への寛容性の増進」 Development of tolerant attitude towards PLWH 」を目的とした半年間のプロジェクトを開始した。しかし、このプロジェクトに対する資金拠出の目処が立たず、連盟は大きな問題を抱えている。

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イギリス:英国が国際保健パートナーシップを設立

世界の貧困国で、国家的保健システムを整えることにより多くの命を救うことを狙った、英国の国際保健に関する新しいイニシアティブ「国際保健パートナーシップ」The International Health Partnership (IHP)が、イギリスのゴードン・ブラウン首相とダグラス・アレクサンダー国際開発相の呼びかけにより設立された。

ノルウェー、ドイツ、フランス、イタリア、オランダ、その他の資金拠出国政府先進諸国の代表や、WHO(世界保健機関)、世界銀行、UNAIDS(国連合同エイズ計画)、UNFPA(国連人口基金)、UNICEF(国連児童基金)、世界ワクチンおよび予防接種促進同盟(Global Alliance for Vaccines and Immunization:GAVI Alliance)、世界エイズ・結核・マラリア対策基金(Global Fund to Fight AIDS, TB and Malaria)、ビル・ゲイツ財団、欧州委員会、アフリカ開発銀行などの世界の主要な保健機関や基金のリーダーらも協力し、彼らは、貧困国で保健衛生の必要性の自覚を促し、長期的な出資を行うことに同意した。

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イラン・エイズ研究会議 第1回年次会議の案内

 イランHIV/AIDS研究センター Iran Research Center for HIV/AIDS (IRCHA)、テヘラン医科大学、そして保健・医学教育省 Ministry of Health and Medical Education の疫病対策センターは、2007年11月11日に、第一回イラン・エイズ研究会議the 1st Annual AIDS Research Congress of Iranをテヘランで開催する。
この会議では、HIV/AIDSに関する新たな研究の発表やその結果について議論する予定である。
詳細はhttp://ircha.tums.ac.irで閲覧可能。
主催者は、会議における発表者を公に募集しており(9月22日で締め切り)、発表内容は、イラン・アレルギー学会誌 the Iranian Journal of Allergy をはじめとする専門誌に掲載され、CD-ROMにまとめたものが作成される予定である。

会議の参加には事前にオンラインにて登録が必要である。

原題:1st Annual AIDS Research Congress of Iran; Call for abstracts
出典:HIV ATLAS
日付:September 17, 2007
URL:http://www.hivatlas.org/content/category/classifieds-category/call-abstracts/aids-research-congress-iran%3B-call-abstracts/200

UNAIDSが南アジアにHIV/AIDS関連技術支援のためのプログラムを設置

国連エイズ合同計画UNAIDSは、HIV感染の予防や感染者のケアとサポート、エイズに対して社会的に脆弱な個人やコミュニティへの対策、およびHIVの感染拡大による負のインパクトの減少など、エイズ対策を世界規模で主導している。

UNAIDSは南アジアに「技術支援機関」 Technical Support Facility (TSF)の設立を進めている。TSFは協力国および地域のパートナー機関と協力し、各国のエイズプログラムの支持の下、戦略的計画の策定やその実施、制度の発展、予防、およびそれらの取り組みのモニタリングや評価等において必要となる、質の高い技術支援を提供する。TSFは2年間の契約ベースで現存する国立または地域組織によって設立・管理される。契約は3年間の追加延長の可能性も含まれている。

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中国のHIV予防の効果向上に向けて

「レッドリボン・ヴォイス」 Red Ribbon Voice は中国雲南省江川県 Jiangchuan におけるセックスワーカーのための予防プロジェクトである。このプロジェクトその計画と実施において、非常に大きな効果を挙げた。このプロジェクトは、国際HIV/AIDS連合・中国 International HIV/AIDS Alliance China が江川県疾病対策センターと連携して行ったものである。これが成功したのは、プロジェクトがセックス・ワーカーらと直接関わることを重要視していたからだろう。プロジェクトは、その地域内でのすそ野を広げる活動を常に行い、セックス・ワーカーが立ち寄れるセンターを運営した。

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北京のMSMのHIV感染率、5%以上に上昇

中国の首都・北京市の疾病対策・予防センターthe Beijing Centers for Disease Control and Prevention (CDC) で2004-06年に行われた調査で、北京市における男性とセックスをする男性(Men who have sex with men; MSM)のHIV感染率が5%を超えたことが判明した。この調査が物語るのは、北京のMSMにおいて、HIV感染可能性の高い行動が増加し、HIV感染率も上昇したということである。

関係者らは、この上昇傾向を抑止するため、MSMのプライバシーや匿名性が守られるような、MSMにとって使いやすいHIV検査機関や、性感染症Sexually transmitted infections: STI サービス、そしてMSMへの予防啓発教育対策を早急に整える必要があると述べた。この調査は、参加したMSMは、2004年には参加可能年齢を18歳以上としたが、2005年と2006年には16歳に引き下げ、また2004年に325名であった参加者を、2005年は427名、2006年には540名とした。

調査を行った3年間でコンドーム使用率の著しい上昇は見られなかった、と報告された一方で、複数の不特定の性的パートナーを持つ男性の人数は、劇的に増加した。2004年には2.4%の男性が、6ヶ月以内に10名以上とセックスを行ったと回答したのに対し、2006年には17.4%に上昇している。2004年には過去6ヶ月間、一人のパートナーとのみ性交渉を行ったと回答した男性は36.6%であったのに対し、2006年までに17.4%に減少している。この3年間でなんらかの性感染症に感染した経験のある男性の率は、15.1%から27.9%に上昇、梅毒では、4.5%から9.9%と2倍になった。C型肝炎感染率も2004年 0.4%から2006年 5.2%と急激に上昇した。HIV感染率も2004年から、0.4%、2005年 4.6%、2006年 5.8%と著しい上昇が報告された。

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世界基金、2008年〜10年の3年間に向けて97億ドルの拠出を確保=ベルリン増資会議:目標に向けた不足金額は50〜80億ドルに=

「世界エイズ・結核・マラリア対策基金」(世界基金)の増資会議が、9月26〜28日の3日間、ドイツの首都ベルリンのインターコンティネンタルホテルで開催された。

世界基金の2007年の資金規模は20億ドル強であり、世界のHIV対策費用の2割、結核・マラリア対策費用の6割強を出資し、感染症対策の主要ドナーの一つとなっている。

しかし、世界基金が現行の拠出枠組みと新規のプロジェクト案件募集を行うだけでも、その資金需要は2010年には40億ドルに達する。さらに、世界基金が「2010年までのHIV/AIDS予防・ケア・治療への普遍的アクセス」や、ミレニアム開発目標などの国際目標の達成にむけて必要な役割を果たすためには、世界基金は飛躍的に資金規模を増額させる必要があり、4月に開催された理事会では、世界基金の資金規模を2010年段階で60-80億ドルに増大させる必要があることが確認された。これを踏まえ、ベルリン増資会議での資金確保目標は、3年間で150億ドル〜180億ドルに設定された。

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おすすめ(AJF関係者の本)
AJF代表・林達雄著作。治療薬アクセス問題を患者の側から描き、真の国際協力とは何かを問う、HIV/AIDS関係者必読の一冊
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