グローバル・エイズ・アップデート

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2008年02月

第89(第4巻第13) 2008年(平成20年)2月23日

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グローバル・エイズ・アップデイト
GLOBAL AIDS UPDATE
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第89(第4巻第13) 2008年(平成20年)2月23日
Vol.4-No. 13(No. 89) Date: February 23, 2008

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第17回国際エイズ会議(メキシコ)への準備始まる

2008年8月3日より5日間、ラテンアメリカで初の開催となる第17回国際エイズ会議AIDS 2008: International AIDS Conference がメキシコで開催される。準備委員会の人々はこの今年初となるエイズ国際会議を成功させるべく、既に奮闘している。

今回の会議参加者は25,000人、集まるメディアも3000を上回ると予想され、まさに世界の目が注がれることになるだろう。今会議のテーマは「全世界で行動を!」 Universal Action Now! である。これにはすべての人がそれぞれの分野で世界へ向けた対策を続ける必要性を強調する狙いがある。また、会議の大きな目的として、科学研究と調査を促進し、個人的および集団的な行動を促すこと、参加者に様々な人との出会いを提供するということが掲げられている。この出会いを通して、人々はお互いの知識・経験を共有することができる。

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議論を呼ぶニューヨーク・タイムズ論説

ハーバード大学人口開発研究センター上級研究員 Senior Research Scientist, Center for Population and Development Studiesダニエル・ハルペリン氏 Daniel Halperinがニューヨークタイムズに投稿し、2008年初頭に掲載された論説が、大きな議論を呼んでいる。ハルペリン氏は、米国の支援がHIV/AIDS対策に集中しているために、その他のワクチンや安全な水の供給、家族計画といった保健問題対策が不十分になっているとして、米国の支援政策を批判する。しかし、これに対し、未だHIV/AIDS対策資金が十分でないことを背景にエイズ活動家たちから非難の声が上がっている。

多くの活動家たちがハルペリン氏を批判するのは、彼が米国の保健分野支援の総額を上げることではなく、エイズ対策費を削減して補完するべきだと唱えているためである。確かに彼の指摘する通り、アフリカの多くの地域では予防接種の不足や水質汚染による疾病やマラリア、結核が発展の大きな妨げとなっているのは事実だ。しかし、そもそもこうした支援金が全体的に不足している原因は、ブッシュ政権と議会が十分な資金確保をしないまま、裕福層に対する減税措置や軍事費の増額、さらにはしばしば逆効果となる途上国への食料援助などに多くの予算を充てているためである。

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アフリカ:教育水準の低い層に広がるHIV/AIDS

HIV/AIDSはこれまで長い間、世界で最も貧しい地域と言われるサハラ以南地域で急速に広がる、貧困の病気とされてきた。しかし最近の評価では、HIV陽性者の層はこの10年ほどで変わってきたばかりだという。

2001年にロンドン大学・衛生熱帯医学校 the London School of Hygiene and Tropical Medicine (LSHTM) のジェームズ・ハーグリーブズ James Hargreaves 博士率いるチームが、1996年以前にサハラ以南アフリカで行われた調査を調べたところ、一般に知られていることに反して、教育レベルの低い人よりも高い人の方がよりHIVに感染しやすかったことが判明した。おそらく高いレベルの教育を受けられる人というのは、経済力があり、複数のパートナーを持つことが可能だからだろうと博士のチームは推測した。「90年代半ば以前には、エイズに対する大規模な反応がなかったので有効な情報が少なかった。だから高い教育を受け、豊かであった人々のほうが、より感染の危険にさらされやすかったと判っても、驚くことではない。」とハーグリーブズ博士はIRINニュースに語った。

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中国:拘禁されたHIV活動家、法的支援得られず

政府転覆の罪で拘束されていた中国のHIV活動家フー・ジア Hu Jia氏が接見禁止状態にあり、彼の親族も自宅で軟禁されていることが彼の弁護士によって中国当局に伝えられた。
 
フー氏は、2007年12月27日に活動家に対して使われる国家権力の転覆というあいまいな罪で北京の自宅で逮捕された。逮捕の具体的な理由は知らされていないが、この事件は国家機密に関係するとフー氏の弁護士のリー・ファンピンLi Fangping氏は話している。 フー氏は接見禁止の状態で拘束されているため、連絡がとれず、拘留中にどんな扱いをされているかはわからない。リー弁護士は警察の取調べが終わる1ヶ月を目処にフー氏を訪問したいと要請したがかなわなかった。また、電話やインターネットの使用を禁止され、親戚を除き人と会うことを禁じられているのHIV活動家もいるという。
 
活動家など57人が署名した公開書簡には、「フー氏の拘留は不当であり、即刻釈放を要求する」旨が書かれている。インターネット上に公開されたその書簡には、中国国民だけでなく国際社会から中国国内の人権状況に非常に関心を寄せていることが述べられている。これに対し、抗議の電話が北京公安局(「公安」は日本の警察にあたる)the Beijing Public Security Bureauの事務所に多数かかったが、政府は情報提供を拒んでいる。

拘束事件は北京オリンピック開幕の8ヶ月前に起こった。中国政府はオリンピック開催までに人権問題を改善すると国際オリンピック委員会と約束したが、政府やその政策を批判する人々への取締りといやがらせが引き続き行われているのである。


原題:Detained Chinese activist can't get legal help because case involves state secrets
日付:2008/01/07
出典:The Associated Press
URL:http://www.iht.com/articles/ap/2008/01/07/asia/AS-GEN-China-Activist-Detained.php

レソト:中国とHIV/エイズ医療協力体制強化へ

南部アフリカの小王国、レソト王国はHIV/AIDS治療やその他の医療に関して、中国との協力体制強化を望んでいる ―― 1月23日に北京駐在のアンソニー・チベリ Anthony Thibeli 大使の報告が、インターネットサイトXinhua/CRIEnglish.comに掲載された。

中国の医療チームが最初にレソトに入ったのは1997年で、第2陣が入ったのは1999年。医師15人のチームが今もレソトで活動している。「15人では十分とは言えず、我々はさらなる支援を希望している。」とチベリ大使は語る。2007年には、レソトの保健・社会福祉省大臣が中国を訪れ、HIV/AIDS治療への漢方薬使用や医療トレーニング・遠隔医療などについて二国間で協力体制がとれないか議論した。チベリ大使によると、レソトではHIV検査を普及させる努力をし、HIV陽性者に対する無料カウンセリングや治療を行ってきたことが功を奏し、HIV/AIDS罹患率を31%から26%へ減らしたという。

原題:Lesotho Aims To Increase HIV/AIDS, Health Cooperation With China, Ambassador Says
日付:Jan 25, 2008
出典:Kaiser net work
URL:http://www.kaisernetwork.org/Daily_reports/rep_hiv.cfm#50017

ナイジェリア:非業の死を遂げた活動家を称える賞が設立される

ナイジェリアやアフリカにおけるHIV/AIDSとの闘いに渉外の大半を捧げ、2006年に非業の死を遂げたナイジェリアのエイズ活動家オモロル・ファロビ氏の偉業を称え、「HIV予防研究とコミュニティ・アドボカシーに関わる顕彰のためのオモロル・ファロビ賞」Omololu Falobi Award for Excellence in HIV Prevention Research Community Advocacyが設立された。
 
オモロル氏は数多くの功績を残し、ナイジェリアのHIV/AIDSに関わる市民活動に非常に大きな影響を与えた指導者であった。まず、「ナイジェリア・エイズに取り組むジャーナリスト連合Journalists Against AIDS in Nigeria (JAAIDS)」を設立し、アフリカにおいて初めてHIV/AIDSの報道基準を設定したことがあげられる。また、研究者や市民社会団体、メディア等のために「ナイジェリア-エイズ eフォーラムthe Nigeria-AIDS e-Forum」も設立し、HIV/AIDSについて議論する土台作りを行った。それ以外にも様々な団体の設立活動にキーマンとして活躍し、HIV/AIDS活動家、予防研究活動家、そして優秀なジャーナリストをリードしてきた。これらの業績から世界中の賞を多数受賞し、同僚からも多くの名声を得た。「たった35年の人生だったが、多くの人々が人生で達成するよりも多くのことをその短い人生で達成した」とも言われている。

オモロル・ファロビ賞は、ナイジェリア内外でエイズ活動に取り組む計6団体で選考が行われ、表彰式は2008年2月にインド・ニューデリーで開催されるマイクロビサイド会議にて執り行われる予定だ。選考団体であるアフリカ・マイクロビサイド・アドボカシー・グループ African Microbicides Advocacy Group(AMAG)は、「HIV活動の分野において指導力を発揮し、社会に貢献している人」、「他の人々の気持ちを動かし、既存の活動を改革し、新しい予防活動に傾倒している活動家」を受賞者にふさわしい条件にあげており、まさに、「オモロル・ファロビ2世」と呼ぶにふさわしい人材を探している。

原題:CALL FOR NOMINATIONS:Omololu Falobi Award for Excellence in HIV Prevention Research Community Advocacy
日付:2008/01/03
出典:HIV ATLAS
URL:http://www.hivatlas.org/call-nominations:-omololu-falobi-award-hiv-prevention-research-advocacy/2008/january

ナイジェリア:ファーストレディーたちが女性のためのHIV/AIDS団体を組織

西アフリカの大国ナイジェリアのウマル・ヤラ=デュアUmaru Yar’Adua大統領の夫人であるハジヤ・ツライ Hajiya Turai氏が、ナイジェリア中東部にあるベヌエ州を訪れた。今回の訪問は、ベヌエ州知事夫人のイェミシ・ドゥシマ・サスワンYemisi Dooshima Suwam氏が創設した「HIV/AIDS女性連盟the Women Coalition On HIV/AIDS」のオープニング・セレモニーのためであった。ツライ氏は知事一家に暖かく出迎えられた後、ベヌエ州の州都マクルディにあるIBB広場で「HIV/AIDS女性連盟」の創設を宣言し、他の州の知事夫人にも参加をよびかけた。

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グラクソ・スミス・クライン社、インドで抗HIV薬2薬に関する特許申請を取り下げる

大手の製薬会社グラクソ・スミソ・クライン社(GSK)は、同社が開発した抗HIV薬であるアバカビルAbacavir、およびアバカビルを配合した三剤併用薬であるトリジビル Trizivirの特許申請を取り下げることを決定した。これは、インドのジェネリック薬企業であるシプラ社・ランバクシー社が製造したジェネリックのアバカビルおよびトリジビルを服用している250万人のHIV陽性者にとって福音となった。
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男性同性愛者の割礼はHIV感染予防に効果なし

2007年、アメリカの研究者チームは、ニューヨーク、フィラデルフィア、ロサンゼルスの各都市で、黒人およびラテン系の男性同性愛者を対象とした割礼とHIV感染に関する研究を実施した。三都市から参加した黒人1154人、ラテン系1091人の男性同性愛者は、45分間のコンピュータを活用したインタビューと即日経口HIV抗体検査を受けた。

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おすすめ(AJF関係者の本)
AJF代表・林達雄著作。治療薬アクセス問題を患者の側から描き、真の国際協力とは何かを問う、HIV/AIDS関係者必読の一冊
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