グローバル・エイズ・アップデート

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2008年09月

第104号(第5巻第3号) 2008年(平成20年)9月19日

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グローバル・エイズ・アップデイト
GLOBAL AIDS UPDATE
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第104号(第5巻第3号) 2008年(平成20年)9月19日
Vol.5-No3 (No.104) Date: September 19, 2008

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オリンピックで「プレイ・セイフ」キャンペーン

8月に閉幕した2008年北京オリンピックに合わせ、UNAIDS、北京オリンピック組織員会(The Beijing Organizing Committee for the 2008 Olympic Games;BOCOG)、国際オリンピック委員会(International Olympic Committee;IOC)が合同で、選手村に「プレイ・セイフ、ストップHIV」キャンペーンを立ち上げていた。このキャンペーンは、オリンピックに参加している選手たちにHIVについての教育を行い、彼らに一般大衆のHIVに対する意識を高める大使役になってもらおうというのが目的だった。

北京オリンピックに参加した選手たちは、キャンペーン主催者からパンフレットを受け取り、HIVがどのように感染するのか、またどうすれば感染しないのか、そしてどのように予防すれば良いのか、を再確認した。また北京、青島、香港のそれぞれの選手村にある総合病院では、コンドームが無料で配布された。水泳選手として前回のアテネ・オリンピックに出場し、キャンペーン大使を務めるラニア・エルワニ氏Rania Elwaniは「HIVはスポーツと非常に関係の深い問題です。選手たちは知る必要がある。」とキャンペーンの重要性を訴えた。他に著名な人物としては、中国のバスケットボール選手、ヤオ・ミン氏Yao Mingがいる。

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米国のHIV感染数が想定の1.5倍に。各大統領候補の反応は?

この8月、米国疾病対策センター(CDC)は、米国のHIV陽性者数が、当初想定されていた数にくらべ40%も増大していたという結果が発表された。これについて、民主党の大統領候補バラク・オバマ上院議員と、共和党の大統領候補ジョン・マケイン上院議員は、何らかの対策を講じることを公約した。

両候補者は共に、この負のスパイラルに陥った感染状況を留意している。しかし、HIV/AIDSに関心のある有権者の票を稼ぐ上で、マケイン上院議員は不利な状況に置かれたように思われる。オバマ上院議員が米国の国家としてのHIV/AIDS政策の草案をまとめる公約を繰り返し訴えたのに対し、マケイン上院議員は感染拡大への対策について何らかのコミットメントや提案を行うことはなく、全ての利害関係者と「密接に連携していく」ことを公約したに過ぎなかったからだ。残念ながら、マケイン上院議員がHIV対策に注力していないように見えるのは、今回が初めてのことではない。彼のHIV/AIDS対策に関する言動を見てみると、エイズとの戦いからの全面離脱と、保守的なうわべの発言との間で揺れ動いているのがわかる。2007年秋、黒人エイズ協会 Black AIDS Institute が全ての候補者のAIDSに関する発言記録を調査した結果、マケイン上院議員のキャンペーンにはAIDS政策の詳細を取り上げたものはなく、AIDS政策立案に積極的に参加していないことがわかった。

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アメリカ:国際保健活動への480億ドル拠出法が成立

アメリカ合衆国では、ブッシュ大統領の2003年の一般教書演説により開始され、5年間で150億ドルの拠出を目標とした「米国大統領エイズ救済緊急計画」 President’s Emergency plan for AIDS Relief: PEPFAR を継承する第2次PEPFARが検討されていた。上下両院での激しい議論の末、第2次PEPFARは、5年間で480億ドルを拠出する巨額な国際保健分野への投資計画として承認され、その法案がブッシュ大統領の署名を受け、7月30日に法制化された。この法律は亡き2人の連邦議会議員の名にちなみ、「ハイド・ラントス法」と名づけられ、両院圧倒的多数の賛成により可決された。

第2次PEPFARの内容は、ここ5年間の第1次PEPFARで展開されたグローバル・エイズ・プログラムのデータを基に立案された。第2次PEPFARは第1次PEPFARよりも広いスコープを持つものとなっており、特に患者のケアや治療へのアクセス拡大策の妨げとなっている、医師・看護師等の医療関係者不足に取り組む支援をするという面で評価されている。例えば、国民千人当たりの医師・看護師・助産師数を2.3人にすべく奮闘している国々に対し、直接、14万人の医療関係者を新たに育て雇用する援助を提唱している。



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パキスタン:HIV/AIDS対策の鍵となる人口グループが抱える問題点

2008年8月発行のパキスタン医師会誌 the Journal of Pakistan Medical Association の記事「男性とセックスをする男性〜新たなHIV感染拡大の脅威 HIV/AIDSの'Men who have sex with men: New emerging threat of HIV/AIDS…'」 によると、2003年に最初に見られた感染拡大から継続して増加していた、注射薬物使用者 Injecting Drug Users (IDUs) らのHIV感染率がついに31パーセントになった、と報告されている。

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中国:エイズ遺児のキャンプ・イベント開催

今年8月9日から中国で、第5回全国エイズ遺児サマーキャンプが開催され、6省14地方から来た約100人の子どもたちが参加した。参加者の子どもたちの多くは、エイズに関連する病気のため両親を亡くしている。このキャンプは、中国国家子どもケア委員会 the China National Committee on Care for Children (CNCCC)、中国STD/AIDS感染予防・管理協会 the Chinese Association of STD and AIDS Prevention and Control 、UNICEFにより共催された。

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国連・NGO: 若い女性と女児をHIV感染から守るガイド発行

8月初めにメキシコシティで開かれた国際エイズ会議で、国連人口基金(UNFPA)のプルニマ・メイン副代表 Purnima Mane と国際家族計画連盟(IPPF)のジル・グリア代表 Gill Greerは6日、NGO2団体と共同し「Make it Matter(これこそ問題だ)」というタイトルの、少女や若い女性の間でのHIV感染予防を促すためのガイドを発行した。
「毎日およそ7000人の若い女性がHIVに感染しています。われわれは彼女たちの健康を守り、感染を防ぐためにより強くサポートする必要があります。女児と若い女性は、他の人々と比べHIV感染のリスクが倍高く、彼女たちを守るには倍の努力が必要なのです。」とメイン氏は語る。

Make it Matterは、HIV/AIDS対策で重要と考えられている下記の3つのゴールに焦点をあてている。
1. 女児や若い女性が性および生殖の健康へアクセスしやすくなること
2. 女児や若い女性の社会経済的機会を拡大すること
3. 子どもの結婚をなくすこと

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「エイズ対策への国家の責任」を市民社会が問う活動が活発に=メキシコ国際エイズ会議:二つのセッションから=

【2008年8月9日メキシコシティ:グローバル・エイズ・アップデイト編集部】 2001年の国連エイズ特別総会「コミットメント宣言」では、エイズ対策における「国家の政治的コミットメント」の重要性が強調され、その後、国単位でのエイズ対策の促進が積極的に働きかけられるようになっている。しかし、「コミットメント宣言」などで要求されているレベルの活動をしっかり展開している国家は実際には少ない。また、2005-6年にG8サミットや国連などで国際目標として確立した「2010年までのエイズ治療・予防・ケアへの普遍的アクセスの実現」(普遍的アクセス目標)には、先進国が大きな資金醵出をすることが必要であるが、十分に資金を出している先進国はほとんどない状況である。こうした現状に対し、メキシコ国際エイズ会議では、いくつかの新しい動きが登場した。

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おすすめ(AJF関係者の本)
AJF代表・林達雄著作。治療薬アクセス問題を患者の側から描き、真の国際協力とは何かを問う、HIV/AIDS関係者必読の一冊
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