グローバル・エイズ・アップデート

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2018年06月

第344号(第18巻第19号)2018年(平成30年)6月23日

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グローバル・エイズ・アップデート
GLOBAL AIDS UPDATE
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第344号(第18巻第19号)2018年(平成30年)6月23日
No. 344(Vol.18-No.19) Date:2018/6/23
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★「第344号」目次

●対策・課題別記事、アフリカ以外の地域別記事
・ゲイ・バイセクシュアルにおける未診断が新たなHIV感染に結びつく
・グローバルファンド、北朝鮮案件の更新には進まず、しかし引き続き資金拠出対象国として位置づけ

●アフリカの地域別記事
・(レソト、南アフリカ共和国、ザンビア)UNAIDS事務総長、HIVレスポンスに注目
・(ナイジェリア)HIV/AIDS対策、政府から州管理へ
・(ナミビア)若い男性がHIV検査を恐れる理由

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ゲイ・バイセクシュアル男性の未検査の養成事例が新たなHIV感染に結びつく

【2018年4月11日】HIV検査と治療のカバー率をどう改善するかが焦点となっているオーストラリアにおいて、過去12年間、ゲイおよびバイセクシュアル男性の未検査のHIV陽性のケースがどの程度、新規感染に影響を及ぼしてきたかについて、ニューサウスウェールズ大学を中心とするチームが調査を行った。

調査方法としては、2004年から2015年の12年間、オーストラリアにおいてゲイおよびバイセクシュアル男性の各段階におけるHIV診断率(「HIVカスケード」と呼ぶ:編集部注)と新規HIV感染の各ステップでの年間の評価を、信頼できる国のデータを使用して実施した。ベイズモデルにより定量的なモデルをカスケードにフィッテングし、未診断群、診断されているが抗レトロウイルス治療(Anti-Retro Viral Therapy:ART)が開始されていない群、ARTが開始されているがウイルス増殖抑制がみられない群、ARTを受けていてウイルス増殖抑制があるという群に関連する係数を推定した。

結果は以下のとおりである。12年間オーストラリアにおいて、HIVに感染したゲイおよびバイセクシュアル男性で、自身のHIVステータスに気づいていない人の割合は14.5%から7.5%へ減少していた。同じ期間、治療を受けていてウイルス増殖が抑制されているゲイおよびバイセクシュアル男性の数と割合がかなり増加しており、ウイルス増殖が抑制されているゲイおよびバイセクシュアル男性は2004年の約3900人(HIV感染GBMのうちの30.2%に相当)から2015年の約1400人(HIV感染GBMのうちの73.7%に相当)と上昇していた。ウイルス増殖抑制にも関わらず、年間の新規感染は期間を通じて約660人から約760人へ増加した。我々の結果は評価するカスケードと伝達係数が不確実であるため広範となっている。それにも関わらず、未診断のゲイおよびバイセクシュアル男性は新規感染へ影響しているようだ。未診断のゲイおよびバイセクシュアル男性群に起因する新規感染の割合は2004年の33%から2015年の59%と約2倍になっている。ほんのわずかの割合(7%未満)だけがウイルス増殖抑制のGBM群に由来する。

研究チームによる調査は結論として、オーストラリアにおけるHIV治療率の上昇はHIV伝播のリスクを減少させることを示している。しかし、感染者の割合と未診断のゲイおよびバイセクシュアル男性からの感染の割合は実質的には増加している。これらの知見はオーストラリアにおけるゲイおよびバイセクシュアル男性のHIV検査と予防の重要性を示している。

*カスケード:診断率、医療機関へ紹介された率、定期受診率・・・診療の段階ごとにその数字がカスケード(階段状の滝)のように落ち込むことにちなんで「HIVケアカスケード」などと使われている

原題:Undiagnosed HIV Infection Among Gay and Bisexual Men Increasingly Contribute to New Infections in Australia
出典:Journal of the International AIDS Society
日付:2018/4/3
URL:https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/jia2.25104

グローバルファンド、朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)の結核・マラリア案件の更新には進まず、しかし引き続き資金拠出対象国として位置づけ

【2018年5月12日ナイロビ(ケニア)発】途上国の三大感染症対策に資金を供給する国際機関である「世界エイズ・結核・マラリア対策基金」(グローバルファンド)は、5月9日から10日にかけて、東ヨーロッパ・マケドニアの首都スコピエで理事会を開催した。この理事会において、2月に事務局レベルで行った、朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)の案件を更新しない決定について討議した。討議結果として、理事会はその決定内容を変更することはしなかった。2月に行われた、案件の更新を行わない決定の理由は、DPRKにおけるグローバルファンドからの拠出金の活用におけるリスク・マネジメントの問題や、拠出金が有効に活用されるかどうかにおいて不安があるということであった。

5月10日、グローバルファンドはウェブサイトに見解を公表した。その中で、理事会は「DRPKにおいて結核やマラリアに影響を受けている人々について、引き続き懸念を表明する」と述べている。また、理事会は、更新をしないことによるグローバルファンド資金の拠出停止は、漸次行うとともに、2018年における結核・マラリア対策として、蚊帳と十分な結核の治療薬を提供し、現在の拠出金が有効な間に患者が治療を完了できるようにすると述べた。

理事会は、引き続きDPRKの人々の健康をサポートしていくし、また、DPRKはグローバルファンドの資金拠出の対象となりうる elivible国としてとどまり続ける、と述べている。

原題: Global Fund Board Discusses Decision Not to Proceed With Grants to the DPRK, But Makes No Changes
出典:Aidspan
日付:2018/05/12
URL:http://www.aidspan.org/gfo_article/global-fund-board-discusses-decision-not-proceed-grants-dprk-makes-no-changes

(レソト、南アフリカ共和国、ザンビア)UNAIDS事務総長、HIVへの対応に注目

【2018年5月11日ジュネーブ発】国連合同エイズ計画(United Nations AIDS : UNAIDS)のミシェル・シディベ事務総長 Michel Sidibe は南部アフリカのレソト、南アフリカ共和国、ザンビアの3カ国を歴訪し、5日間の日程で各国の閣僚とのハイレベル対話やレソトのHIV健康・状況室開設式への出席などを行うとともに、地域の女性活動家と、どのようにセクシュアル・ハラスメントや性的虐待の問題に対処するかについて、公開された率直な対話を行った。

最初の訪問国レソトでは、同国のモンヤネ・モレレキ副首相 Monyane Moleleki とともにHIV健康・状況室の開設式に出席した。式典にはスペシャルゲストとして女優のナオミ・キャンベル氏 Naomi Campbell も同席した。

レソトの「HIV健康・状況室」では、サービスの提供に関するデータをリアルタイムで表示し、同国におけるHIV流行状況を把握することができる。それより、国家またはコミュニティレベルでのデータ分析結果に対する早急なフィードバックが可能となるほか、ヘルスケアサービスへのアクセスにかかる問題を特定することができる。

シディベ事務総長は、「レソトの『HIV健康・状況室』の開設によってインパクトがあり効率的な保健プログラムを実施することができる。そして、最も必要としている人々へサービスを提供し、HIV対策において誰も取り残されることのない革新的な取り組みだ。」と述べている。式の前日、シディベ事務総長とキャンベル氏は、レソトの首都マセル市の「クイーン2世病院」Queen II Hospitalを訪問しHIVと共に生きる若い女性たちや、HIVの流行に影響を受けている人々と面会をした。キャンベル氏は、「私はレソト政府とパートナーが成果を上げてきたこれまでのHIV対策に対して敬意を表する。しかし、闘いはまだ終わっていない。10代20代という若年女性への対策が遅れているという現実がある。この重要な問題を提起するためにできることを行っていきたい」と述べた。

2カ国目の南アフリカ共和国では、シディベ事務局長はアフリカ大陸全体の立法府の役割を果たしている「パン・アフリカ議会」で演説し、「人間中心の保健対策」の重要性を強調した。また、パン・アフリカ議会議員に対し、エイズ対策をより持続し人々の健康改善のための予防対策を強化していくために保健サービスへの国内資金の増加や、女性や弱い人々を守るための法整備を訴えた。

その後、シディベ事務局長はUNAIDSの組織内で生じたとされるセクシュアル・ハラスメントや性的虐待を告発する女性活動家たちと会合を持った。シディベ事務局長は、「南アフリカ共和国での訪問を通じて、私は皆さんの声に耳を傾けてきました。HIVの流行は性的暴力と密接なつながりがあり、この2つを分けて考えることはできません。我々はこの問題を前に進めていく強い意志を持つ必要があります」と、声明を発表した。南アフリカ共和国の訪問を通じて、シディベ事務局長は同国のシリル・ラマポーザ大統領とデイヴィッド・マブザ副大統領兼国家エイズプログラム長官、アーロン・モツォアレディ保健大臣と個別に会談し、2020年までにHIVの治療を受ける患者を200万人増やすとともに、社会的立場の弱い集団へ向けた治療・予防サービスに関して地域・州当局の権限を強化することについて議論した。

最後に訪問したザンビアでは、エイズに対する対応強化の功績を表して2018年UNAIDSリーダーシップ賞を、ザンビアの初代大統領を務めたケネス・カウンダ氏に授与した。

原題:UNAIDS Executive Director Puts the Spotlight on the HIV Response in Lesotho, South Africa and Zambia during Five-Day Visit
出典:UNAIDS
日付:2018/5/11
URL:http://www.unaids.org/en/resources/presscentre/featurestories/2018/may/HIV_spotlight

(ナイジェリア)HIV/AIDS対策、政府から州管理へ

【2018年5月24日ウムアヒア(ナイジェリア)発】西アフリカのナイジェリア連邦共和国政府は、来年にもHIV/AIDS対策の管理を州へ委託する可能性を示唆した。同年5月23日、南東部に位置するアビア州の州都ウムアヒアで開催された「妊産婦・新生児・子どもの健康フォーラム」における政策提言会議が開催された。アビア州のエイズ管理/エイズプログラムのコーディネーターであるロック・ヘムカ博士 Dr. Rock Hemuka は、「2030年までに全てのナイジェリア人がHIV試験キットを持てるようにし、HIV陽性の人々は抗レトロウイルス治療薬(Anti-Retro Viral Drug : ARVs)を入手出来るようにする」と発表した。また、州への介入と指導によりアビア州のHIV感染率を昨年の3.9%から3.3%へ引き下げることを発表した。これは2012年の世界の平均感染率3.0%に迫る数字である。

当会議は、州知事の妻であるケチ・イクピーズ氏 Nkechi Ikpeazu によって設立された非政府組織である「牧師の希望財団 the Vicar Hope Foundation 」によって開催され、「アイシャ・ブハリ財団 Aisha Buhari Foundation 」、国家エイズ戦略委員会(National Agency for the Control of AIDS : NACA)、世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバルファンド)委員会 the Global Fund Board、州のエイズ管理局との共催で行われた。

イクピーズ氏は、「アビア州は会議のプラットフォームを主催していることに胸を踊らせ、『母子・新生児の健康におけるHIVもしくはエイズの母子感染を統合的に予防するための積極的な協働活動』を託されている」と述べた。また、ムハンマドゥ・ブハリ現大統領の妻であるアイーシャ・ブハリ氏が設立した「アイーシャ・ブハリ財団」代表のテシー・マイナ氏 Mrs. Tessy Maina は小児関連疾患の終息に向けて尽力することを表明した。さらに州のエイズ管理局長であるアジク・カルー博士 Dr. Ajike Kalu は、「子どもの新規感染の大部分は母子感染から成る。もし治療をしなければ、HIVの母子感染は15%から45%へと増加していた可能性がある」こう述べる。

国民議会代議員保健委員長のブレッシング・ンワグバ博士 Dr. Blessing Nwagba はHIV
やエイズの予防・管理に対する政府や関連機関、関連団体の様々な取り組みを称賛した。エイズとの闘いは彼女の「未来のためのプログラム Future Assured Programme」を通じて促進され、より良い生殖・母体・新生児・青少年の健康と栄養(Reproductive Maternal Newborn Child, Adolescent Health and Nutrition RMNCAH+N)をもたらす。

原題:Nigeria: Govt to Hands-Off HIV/Aids Control to States
出典:The Guardian (Nigeria)
日付:2018/5/24
URL:http://allafrica.com/stories/201805240057.html

(ナミビア)若い男性がHIV検査を恐れる理由

【2018年5月21日ウィントフック(ナミビア)発】アフリカ南西部ナミビア共和国で家族計画等に携わっている「ファミリー・ヘルス・ソサエティ」の保健専門家は、最近24歳から29歳の男性がHIV検査を受けるのを恐れている理由について話した。報告書によると、20歳から24歳の年齢グループがHIV検査に対して消極的であると同時に、同じくらいリスクのあるそのグループの女性は、より年配の男性と関係をもつ傾向にある。

同団体の専門家であるントミゾドワ・マクリラ Ntomizodwa Makurira 氏は、24歳から29歳の男性にとってHIV検査がどのような意味をもつのか彼らの認識にギャップがあるため、HIV検査を受けるのを恐れていると話した。彼女はまた、多くの人々が、一生続くHIV治療に対して恐怖を抱くと述べた。また、多くの人が抗レトロウイルス治療薬(Anti-Retro Viral Drug : ARVs)に副作用があるのではないかと誤解している。差別や偏見を受けるという恐怖も懸念の1つである。特に独身の人にとって自分の陽性状態をパートナーに打ち明けなければならなくなるかもしれない、ということも不安の1つである。また、家族から差別や偏見を受けるかもしれないと心配している。

彼女はまた、最近体験した話を共有してくれた。ある男性はHIV陽性であると判明した後、治療も受けずに何カ月も姿を消してしまった。「彼は彼が恐れていることについて私にメッセージを送ってくれました。彼の懸念の1つは一生治療を受け続ける恐怖でした」彼女は説明した。

原題:Namibia: Why Young Men Fear Testing for HIV
出典:New Era Publication Corporation (NEPC)
日付:2018/05/21
URL:https://www.newera.com.na/2018/05/21/why-young-men-fear-testing-for-hiv/

第343号(第18巻第18号)2018年(平成30年)5月27日

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グローバル・エイズ・アップデート
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第343号(第18巻第18号)2018年(平成30年)5月27日
No. 343(Vol.18-No.17) Date:2018/5/27
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★「第343号」目次

●対策・課題別記事、アフリカ以外の地域別記事
・(スイス)グローバルファンド、保健分野国際機関のジェンダー平等促進において高い水準をマーク
・(ネパール)ネパールのグローバルファンド案件、セーブ・ザ・チルドレンが受注
・(北朝鮮)グローバルファンドの北朝鮮からの撤退で、同国の結核・マラリア問題はどうなる?
・ C型肝炎への世界との闘いと薬物使用問題

●アフリカの地域別記事
・(ナイジェリア)ラゴスにおける67,763人のHIV陽性者の治療ケア−世界初のグローバルファンド資金受入責任機関となった地方行政の成果
・(南アフリカ)髭剃り機の刃によるHIV感染のリスク

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グローバルファンド、保健分野国際機関のジェンダー平等促進政策の評価で高い水準をマーク

【2018年4月3日】国際機関のジェンダーに対する取り組みを評価する独立したイニシアティブである「国際保健50/50」Global Health 50/50が発表した調査結果によると、グローバルファンドはジェンダー平等を推進する取り組みにおいて、世界の保健機関の上位9位に選出された。調査対象となった140の国際機関のうち、ジェンダー平等の理念をプログラムや戦略に盛り込んでいたのはわずか40%であった。

調査では、6つの項目によって各機関のジェンダー平等推進への取り組みが評価対象だった。
1. ジェンダー平等の公約についての公式声明
2. 企業理念におけるジェンダーの定義と国際基準との一貫性
3. ジェンダー平等政策の実施状況
4. 男女別に集計されたデータの公表
5. 職場におけるジェンダー平等を推進する方針と実行
6. 機関運営や上層部の人事におけるジェンダー比率

グローバルファンドは、「機関運営や上層部の人事におけるジェンダー比率」以外の項目で高評価を得た。また、トランスジェンダーの人びとのニーズに対応している数少ない機関の1つだった。

グローバルファンドのほかに上位にランクインした機関には、GAVIワクチンアライアンス(旧:ワクチンと予防接種のための世界同盟The Global Alliance for Vaccines and Immunization:GAVI)、国連合同エイズ計画 UNAIDS、セーブ・ザ・チルドレン・インターナショナルSave the Children InternationalやBRAC(バングラディシュ復興支援委員会Bangladesh Rural Advancement Committee: BRAC)が含まれる。全体的にみると、国際的な保健機関の職員の半数以上(67%)が女性であるにも関わらず、意思決定権は男性の手に委ねられることがわかった。

また、以下に調査結果の概要を示す。
・国際的に認められた基準に沿ってジェンダー平等について定義している機関は三分の一以下だった。
・プログラムや戦略の資料にジェンダーについて言及していたのは、わずか40%だった。
・三分の二の機関は、プログラム評価のデータを男女別に分析していない。
・機関上層部の男女比が平等であったのは、たったの20%だった。

原題:Global Fund gets high marks in study of efforts of global health organizations to promote gender equality
出典:Aidspan
日付:2018/4/3
URL:http://www.aidspan.org/gfo_article/global-fund-gets-high-marks-study-efforts-global-health-organizations-promote-gender

ネパールのグローバルファンド案件、セーブ・ザ・チルドレンが受注

【2018年4月24日ジュネーブ(スイス)発】グローバルファンド(世界エイズ・結核・マラリア対策基金)理事会に対する、ネパールからのHIV、結核、マラリア対策への資金要請は、同資金の主要受領団体 Principal Recipient (PR) を国際NGOであるセーブ・ザ・チルドレンに拠出する、という方向で、案件承認委員会 Grant Approval Committeeと技術審査パネルTechnical Review Panel から承認された。

ネパールは世界で最も貧しい国の一つで、国民の1/3が貧困ライン以下の生活をしている。ネパールの南部地域、インドとの国境周辺でマラリアが流行しており、炭鉱、森林労働者などの移動労働者が特にハイリスクで、感染者のおよそ半分を占めている。しかしネパールはマラリアの根絶に力を入れており、2026年までにマラリアをなくすという目標を掲げている。

結核は10万人中約150人の罹患率で治療はその76%、治療成功率は92%である。今回の支援では、グローバルファンドは特に鍵となる人口集団である囚人やスラム街の住民などに介入するよう要請した。

HIVの流行はいわゆる「鍵となる人口集団」Key populations に集中しており、2016年には薬物使用者で8.5%、男性とセックスをする男性(MSM)やトランスジェンダーで8.2%などとなっている。しかし、いわゆる「低リスク」と言われている一般女性の夫からの感染、また移動労働者などの新規感染数は減少している。

ネパールは2017〜2019年分としてグローバルファンドからマラリア、結核、HIV対策費として合計で4230万ドルの支援を得ており、受け取り先はセーブ・ザ・チルドレンとなっている。またネパールは、それぞれの疾病に対する優先的資金手当の要望として合計2290万ドルを申請した。技術審査パネルはHIVには満額、結核とマラリアには8割程度の支援額が妥当だとみなした。

◆特筆すべき強み
3つの資金要請を検討したところ、全て技術的に堅実で、それぞれ戦略的に考えられていた。
マラリアは、鍵となる人口集団である移民や難民、ヒンズー教の月経中や産後の女性に焦点を当てており、マラリアをなくすための基礎となる準備に必要なものである。結核は、疫学を基礎とし地理的に結核が流行している地域に焦点を当てており、国家計画にもきちんと沿っている。HIVも国家計画や健康セクターの計画に沿っており、また母子感染の根絶のための抗レトロウイルス薬の国内供給の増加や、移動労働者など鍵となる人口集団への対策など、疫学的に必要とされているところへきちんと対応できている。

◆問題と行動
技術審査パネルは、資金が拠出されるまでに解決されるべき問題点をあげた。
HIV、結核、マラリア共通の問題として、経済状況が不安定な中で国内投資をいかに確保するかが挙げられ、特にマラリアに関しては、効率的・効果的・公平な健康ケアシステムをいかに強化するか、長期的な公共経済管理システム計画を作成するよう推奨した。
また効率を上げるため、三大感染症の対策助成金でいかに相乗効果を狙えるかを検討するよう、研修や技術支援などで継続的に技術移転が行われるよう要請した。
それぞれに特化した問題としては、マラリアは移動労働者へ対策としてインドと政治的にいかに協力するかという点、またジェンダー的な視点、つまりセックスワーカーなど女性の移動労働者への対策が欠如している点が指摘された。結核は、検査から治療、治療成功率に至る治療の流れにおける推測データが不十分だと指摘された。HIVは、国家計画には鍵となる人口集団として記されている女性のセックスワーカーに対する対策の欠如が指摘された。

◆「マッチングファンド」
技術審査パネルはすべての活動において、例えば医療従事者を対象に差別や偏見をなくす研修をするなど、人権の面における障害を排除するよう要請した。そのためにグローバルファンドは、拠出額と同額を政府側からも出すよう要請するものであり「マッチングファンド」と呼ばれる方法で130万ドルの拠出を予定している。

◆資金状況、共同出資と持続性
保健省は今回、国内予算額を大幅に増やし、グローバルファンドなど外部組織からの拠出金を減らしつつも、合計予算を増額することに成功した。次の予算期間までに三大感染症それぞれにおいて今までの2〜3倍となるような大幅な投資の増額が求められている。特に結核やHIVにおいては初期治療薬の予算を全てカバーするよう確約している。
またグローバルファンドと保健省は、鍵となる人口集団への対策の継続を目的にNGOなどからの資金提供を仰げるよう協力している。

●原題: Nepal’s Funding Requests to the Global Fund Yield Three Grants to be Managed by an International NGO
●出典:Aidspan
●日付:24 Apr 2018
●URL: http://www.aidspan.org/gfo_article/nepal’s-funding-requests-global-fund-yield-three-grants-be-managed-international-ngo

グローバルファンドの朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)からの撤退で 同国の結核・マラリア問題はどうなる?

【2018年4月12日 ワシントンポスト】グローバルファンドは、朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)に対する結核・マラリア対策への支援を6月末までで一旦停止すると発表した。グローバルファンドは、2010年から2017年の間に、結核に6,900万ドル超を、マラリアに約3400万ドルの支援を行った。DPRKをめぐって今何が起こっているのだろうか。

1.グローバルファンドがDPRKへの支援を止めた理由
本当の理由は明確でないが、グローバルファンドは、「ゼロ・キャッシュ・ポリシー」、つまり仲介業者による現金取引の禁止の遵守への懸念だと発表しており、DPRK国内での支援物資の正確な運搬記録をとる必要があると述べている。しかし、現在のところ問題は見つかっていない。グローバルファンドは、DPRKが核実験を行っていた昨年の状況でも支援を続けており、このタイミングでの支援停止は予想外との声が一部団体から出ている。

2.グローバルファンドのDPRKへ支援規模
グローバルファンドのDPRKへの支援は、他の国に対するものと比べると規模は小さい。しかし北朝鮮の立場からすると、同基金の支援を失うことが感染症防止に与える影響は大きい。

3.結核・マラリアはDPRKにおいて深刻か
答えはイエスだ。特に結核は深刻である。北朝鮮は、WHOが定める「結核が深刻な30か国」に入っており、感染率はサブサハラアフリカ以外の国の中で最も高い水準にある。

マラリアについては、現在の感染率はピークだった2013年から減ってはいる。しかしWHOによれば、DPRKの人口の40%は現在も感染のリスクにさらされている。DPRKでの結核・マラリアの深刻化は、近隣諸国にとっても脅威となりうる。中国政府は、DPRKの結核の波及、つまり中国での感染拡大と東アジア地域の不安定化への懸念を示している。

4.グローバルファンドの支援停止により何が起こるか
支援停止は、DPRK国内での感染拡大のリスクを高めるのみならず、保健拡大の流れにも影響を与えかねない。グローバルファンドはこれまで、米国とDPRKの関係が悪化した中でも同国への支援を行ってきた。

しかし、DPRKをめぐる問題は国際関係と切り離せないのかもしれない。DPRK政府は、今回の支援停止措置が米国との外交関係悪化と同時期だったことに対し、グローバルファンドが米国の外交手段として使われたと批判している。

いずれにしても、DPRKに対する米国の経済制裁が同国の保健分野に与える影響は大きいだろう。事実、2016年に韓国がDPRKに対して経済制裁をした際、分野に例外を設けなかったため結核の薬の供給が滞った。今回も、当時と同様のことが起きると考えられる。経済措置は病人を標的にしている訳ではない。しかし外交関係と人道的問題の利害関係の衝突が起こったとき、命が危険にさらされるのは市民なのだ。

原題:North Korea has a big tuberculosis problem. It’s about getting worse.
出典:The Washington Post
日付:2018/4/12
URL: https://www.washingtonpost.com/news/monkey-cage/wp/2018/04/12/north-korea-has-a-big-tuberculosis-problem-its-about-to-get-worse/?noredirect=on&utm_term=.1e16e56c7285
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