アクション・エイドほか4NGOは2004年9月に、国際通貨基金 IMF International Monetary Fund や世界銀行が最貧国のHIV/AIDS活動を妨げていると非難する報告書「BLOCKING PROGRESS」を発表した。IMFは貸付の際にインフレ率を低くすることと厳しい緊縮財政を貧困国に課しているため、HIV/AIDS対策を含む公共部門支出が圧迫されている。HIV/AIDS対策予算はIMFの条件のため限られている上、IMFの事前承認なしでは他ドナーも貸付ができない。
 マクロ経済の安定性が重要であることは報告書も認めているものの、公共対策費用の削減を通じて、インフレ率の低下を図るのはIMFの先入主だとしている。事実、経済学者の間では、何%のインフレ率が経済成長を妨げるかについては合意が得られていない。
 IMFは政府支出の増加が高インフレを引起こすとしているが、開発途上国では20%程度のインフレは長期的には経済成長に影響がないとされている。ラテンアメリカや韓国、日本でも過去の発展過程に2桁インフレ率があった。
 一方で、IMF財政局次長のピーター・ヘラー Peter Heller は、報告書の批判が論理的なものではないと反論している。IMFの使命はマクロ経済の安定化支援であり、あるレベルを超えるインフレは実経済成長に悪影響を及ぼすと繰り返している。
 報告書はG7に対して、インフレ率に対し柔軟に対応し、最貧国の公共部門の支出増加を認めること、マクロ経済政策の方針決定力を与え、アドバイスだけにとどめること、IMF理事会はHIV/AIDSや保健分野対策を疎かにしないことを提案して締めくくられている。
 なお、アクション・エイドが発表した報告書は 原文表題:Fund irate over NGO claims that it blocks progress on AIDS
日付:22nd November 2004
出典:Brettonwoodsproject website
URL:http://www.brettonwoodsproject.org/article.shtml?cmd%5B126%5D=x-126-82984