プロダクト『レッド』(PRODUCT)Redキャンペーンの第一号であるレッドTシャツがロンドンのGAPで発売されてから1年が経った。それに引き続き行われた著名人達による大々的なイベントの数々によって、このキャンペーンはかなりの寄付金を集めたと思われていることだろう。だが、その総額は全世界で1800万ドルに留まっている。プロダクト『レッド』キャンペーンとは、世界のトップ企業が、自社の人気商品を赤色に染めて販売し、その収益の一部を世界エイズ・結核・マラリア対策基金(世界基金)に寄付するという、民間資金の動員のための世界的キャンペーンである。

ある統計によると、アップル社やGAPなどは総額で1億ドルを同キャンペーンに出資したとみられ、その中でもGAPは四半期で780万ドルを同キャンペーンの宣伝に費やしたとされる。巨額のキャンペーン費用と集まった寄付総額の間に広がる大きな隔たりは、非営利活動を監視する団体の間で、大きな関心を呼んでいる。

プロダクト『レッド』キャンペーンから資金を受けている、世界基金の元事務局長のリチャード・フィーチャム Richard Feachem 氏は、2006年12月時点で、「クリスマスの終わりまでには寄付金は1億ドルを超えるだろう」と語っていたが、現状を見ると、キャンペーンが予想どおりの成功を納めているとは言い難い。こうした状況について、世界基金の民間協力部門を率いるラジェッシュ・アナンダン氏Rajesh Anandanは、「こういったキャンペーンは開始時に多額の費用を必要とするのが普通であって、レッド・リボン・キャンペーンは期待していた成果を上げている。」と話し、同キャンペーンの成果を援護する。
一部の団体は、「GAPのTシャツを着ることや赤いipodで音楽を聴くことが本当に、アフリカでエイズによって死んでゆく子ども達を助けることになるのか」という、企業の経済的利益と国際支援を直接結びつけたこのキャンペーンに対して疑問の声を上げている。反『レッド』キャンペーンを手がけるプロジェクト『ワード・ピクチャーズ・アイデアズ』 Word Pictures Ideasのベン・デイヴィスBen Davis氏は「このキャンペーンは、消費を促している。なぜ、消費を通さずに直接支援すると行った『真の解決策』に目を向けられないのだろうか。」と同キャンペーンを批判している。実際に、彼らは、プロダクト『レッド』を風刺したサイトも作成している。(参照:Buy(Less)CRAP!! http://buylesscrap.org)

他方、米国オハイオ州のシンシナティにある、ユニオン・インスティテュート大学Union Institute & Universityで公共サービスを研究するマーク・ルーゼンマン教授 Prof. Mark Rosenmanは、「キャンペーン費用と集まった寄付金の大きな乖離は、米国内の非営利団体の懸念を表している。巨大な利益を生み出すビジネスが、慈善活動に取って代ってしまうのではないかという不安が広がっている。」と、現状を分析している。

原題:Costly Red Campaign Reaps Meager $18 Million Bono & Co. Spend up to $100 Million on Marketing, Incur Watchdogs' Wrath
日付:2007年3月5日
出典:@U2
URL:http://www.atu2.com/news/article.src?ID=4578