アフリカ南西部、ナミビア共和国の北部で3月に洪水が起こった。その洪水により、HIV/AIDSの治療、ケア、予防のためのサービスが中断され、深刻な状況が続いていることが、国連による査察でわかった。
豪雨による洪水は、ナミビアでもHIV感染率の高い北部の6地域で35万人以上の人々に甚大な被害を及ぼした。特に北部は、ナミビアの中で最も貧しく孤立した地域であり、社会サービス、雇用の機会、インフラ設備も乏しい。

政府の要請により、国連は6地域のうち5地域で調査を行い、洪水がHIV陽性者、遺児や脆弱な立場にいる子どもたち、保健施設やAIDS関連のサービス提供者に与えた影響に関するデータを収集した。

抗レトロウイルス薬(ARV)治療を受ける231名のHIV陽性者にインタビューを行ったところ、23%の陽性者がARVを適切に服用できなかったと報告。洪水や資金不足により、保健施設にアクセスできなかったためだ。

この他にも、治療の副作用を和らげるための食料が不足したり、治療を継続させることの重要性を認識していなかったり、治療を支援するシステムが崩壊したことなども影響している。

緊急時は、マラリアや下痢などの病気が蔓延する一方、日和見感染症の治療やHIV母子感染予防のサービスは崩壊する。たった50%のHIV陽性者しか在宅ケアサービスを受けることができなかったという。

また、インタビューを受けた孤児や脆弱な立場の子どもたちにおいては、37%が洪水により通学できなかったと報告した。

洪水により避難した5万5千人以上のうち、1万6千人が避難キャンプへの移動を余儀なくされた。避難キャンプでは、HIV感染リスクが高くなる可能性もある。ほとんどのキャンプでは、水道、下水設備、薪など生活の基本的な物資・設備へのアクセスが確保されていない。コンドームなどHIV予防サービスも同様である。

同調査によると、多くの人と限られたスペースで共同生活をし、コミュニティが混在するキャンプのような状況下では、同時期に複数の相手との性行為が急増しやすい。

同報告書の執筆者は、HIV/AIDSを緊急時の対応計画に盛り込み、AIDS対策要員が緊急時に予防対策を打ち出せるようトレーニングを行うことを提言した。

原題:NAMIBIA: Floods interrupted AIDS services - report
日付:July 8,2009
出典:PlusNews
URL:http://www.irinnews.org/report.aspx?ReportId=85185