米国では、オバマ政権で世界のエイズ政策を務める最高責任者である「世界エイズ調整官」Global AIDS Coordinator にエリック・グーズビー Eric Goosby 氏が就任している。米国のNGO「世界エイズ連合」(Global AIDS Alliance, GAA)事務局長のポール・ゼイツ Dr. Paul Zeitz 氏は新調整官の就任を歓迎し様々な保健問題に対して一緒に取り組む意向を示す一方、米国大統領エイズ救済緊急計画(PEPFER)を含むオバマ政権の不明瞭なエイズ政策に懸念も示している。
ゼイツ氏は「オバマ政権のエイズ対策が明確でない重要な時期にグーズビー調整官は就任しており、彼の言動は10月発表予定の大統領新国際保健イニシアチブへも影響を与えるであろう。」と述べる。グーズビー調整官は、9月12日にジンバブウェで行われたインタビューで、米国が南アフリカ地域における全患者への抗HIV薬の配布について、2015年までの達成は難しいだろうと述べている。

エイズや国際保健の活動家らはエイズ対策に関するオバマ政権の迷走に苦慮している。ゼイツ氏は、米国から資金援助を受けたアフリカ諸国を訪問した時にオバマ政権の新方針、特にエイズ予防と治療に対する予算を減らしているのを目の当たりにした。またエイズ患者は現在の米政権の予算・政策変更が不要な死を増やすことになることを理解しているため方針変換で彼らの気力を失わせることになるのではないかと懸念している。

オバマ政権はこれまでのPEPFARをとりやめ、大統領主導の新国際保健プログラムを導入しようとしている。これは国際保健分野のコミュニティーにおける大きな変化である。ゼイツ氏は「GAAはオバマ政権の新国際保健イニシアチブに協力する。しかし今まで米国が投資してきた国際エイズ対策に逆行するのではなく、前向きな要素をイニシアチブに盛り込むべきだ」とし、また、「予算のメカニズムにかかわらず、現在のプログラムを逆行させることは最悪の結果を生む。医師であるグーズビー大使もこれらの問題を理解しており、オバマ政権への働きかけを期待する。」と述べる。

米議会も世界のエイズ問題には重要な役割を果たす。ゼイツ氏は米議会にもPEPFERの内容をオバマ政権の新国際保健イニシアチブにも引き継ぐよう働きかけるとしている。

原題:Are Obama Administration Policies Undermining Global AIDS and Health Responses?
日付:September 17, 2009
出典:globalaidsalliance.org website
URL:http://www.globalaidsalliance.org/page/-/PDFs/Broken_Promises_Factsheet_May_2009.pdf