経済のグローバル化により、私たちはたとえばブタペストのバーでインドのクリケット試合を観戦したり、コロンビアの摘みたての花をアイオワ州に住む親戚に贈ることが可能になった。しかし、グローバル化は恩恵をもたらしたばかりではない。ドキュメンタリー映画監督、ティム・サミュエル氏 Tim Samuels は、ポルノのグローバル化について調査を行ってきた。
彼の調査結果は、BBCテレビの「ハードコア・プロフィット」というシリーズとして放映される予定だ。サミュエル氏によれば、ポルノのプロデューサー陣は、自身の製作する映画が遠く離れた西アフリカに及ぼす影響を知らないのではないかという。

「ガーナでは、主にロサンゼルスで製作され、コンドームを用いないのが主流の西欧のポルノが、非常に深刻な影響を与えている状況を目の当たりにします。電気も通っておらず、村人が泥壁の小屋に住んでいるような村で、発電機がその村に運び込まれ、泥壁の小屋が即席のポルノ映画館となります。ロサンゼルスからの映画が上映されるとは、身も凍るようです。」

「先ほども述べたように、映画の中でコンドームは使用されません。彼らは観た内容をそのまま模倣します。模倣した直接的な結果、HIVに感染したというんです。」

「映画を観て興奮した若年男性による、性的暴力の件数も増加しています。村の女性が、映画を観た直後にレイプされているのです。このように、急激なグローバル化の結果、ロサンゼルスの産業がアフリカに悪影響を及ぼしているのです。」

「我々はガーナ以外の発展途上国でも、更なる証拠をつかみ、保健局に報告をしようと試みています。タンザニアでも、遠隔地でビデオが上映され、上映直後に女性が被害に遭うという状況が報告されています。」

インドでは、アメリカから輸入されたハードコアポルノに依存するあまり、子供が学校を退学するケースが発生している。ガーナの田舎では、ヘルスケアはもちろん、フェミニズムの思想も入ってきていない。当局はこの事態を憂慮している。

「私の会った人々の中には、唯一受けたことのある性教育が、このような映画を観たことだという人もいます。20代の若い男性に、『誰も何も教えてくれませんでした。コンドームをつけない、ロサンゼルスで製作されたあのビデオの内容が、私の受けた性教育の全てです。あれを真似しただけです。あのせいでHIVに感染したんです。』と言われたら、あなたはどうしますか。」

西アフリカで観られている全てのポルノ映画が、アメリカで製作されたわけではない。
「ナイジェリアにはポルノ映画産業が存在し、ガーナの首都、アクラの街では、アフリカのポルノや、密造されたアメリカのポルノ、海賊版のコピーなどを購入できます。」

ガーナの国家エイズ委員会の代表、サクイ・アウク・アモア教授は、主にロサンゼルスを基盤とするアメリカのポルノ産業は、責任を持って援助を行うべきだと話す。「植民地化や西洋化により、アフリカ人は多かれ少なかれ、西洋から流入するものが一番であり、西洋で行われること全てがスタンダードであると考えるようになってしまいました。そのため、ポルノ映画を観たアフリカ人は、西洋ではこうなのだから、私たちも同じようにやってみよう、と考えてしまうのです。」

ロサンゼルスのポルノ産業は、ガーナでのこの問題に関し、何かアクションを起こすべきだ。
「ポルノ産業での収益を見れば、我々のビジネスの異常なほどの重大性がよくわかります。このような国々での性教育を広める基金を設立するというのも一案ですね。」サミュエル氏は、映画を作り出した産業がAIDSの拡大を食い止める努力をするべきだと話す。「ポルノが少なくともセーフ・セックスを促進するものであればと思います。」

原題: Globalization, AIDS, and the Pornography Industry
日付:02 September, 2009
出典:Public Radio International website
URL:http://www.pri.org/world/globalization-aids-pornography1578.html