オバマ政権は、新たな米国大統領エイズ救済緊急計画 President's Emergency Plan for AIDS Relief ( PEPFAR)を発表した。オバマ政権は、ブッシュ政権から受け継いだこの計画の名称から、「緊急」の二文字を外すことを検討している。

ブッシュ前政権時代の2003年に始まったPEPFARは、エイズ治療薬、カウンセリングや検査、予防アドバイスやコンドーム、緩和治療、エイズ遺児へのサポートを行っている。また米国の大学、国際NGO、保健省等を含めた複雑な制度を通して実施されてきた。
さらに、ブッシュ前大統領は2008年に、世界エイズ・結核・マラリア対策基金(世界基金)に480億ドル(うちエイズ対策は390億)を投じるとした法案に署名した。オバマ政権は、PEPFARについて、エイズ予防・治療計画の運営を、2004年以来190億ドルを投資してきた15カ国(サハラ以南の12カ国およびハイチ、ガイアナ、ベトナム)に引き渡したいと考えている。今回の計画では、これらの国々が自らエイズ予防・治療計画の実施をできるようにすることが主眼におかれている。

2009年12月7日に発表された資料によれば、各国保健省は、サービスの提供(既に多くの国で実施されている)の他、計画の管理や評価といった役割を担う。しかし、資金の大半は、アメリカ、海外ドナー、世界基金から継続して提供される。 PEPFARを統括する米国務省の大使級ポストにある地球規模エイズ調整官、エリック・グーズビー氏 Eric Goosby は「この計画は不安定な時期にあり、この計画を各国のインフラにもっと多く組み込む必要がある。」と語った。

PEPFARはこれまでに、200万人に抗レトロウイルス治療薬を届け、1,000万人を治療し、24万人の赤ん坊の母子感染予防に寄与してきた。国連エイズ合同計画によれば、2008年、世界中で3,340万人がHIVに感染(2008年は270万人が新規に感染)しており、200万人が死亡した。オバマ政権は、予算は未定であるが、今後5年間でPEPFARが400万人のHIV感染者を治療、1,200万人をケアし、母子感染予防の数を倍増することを期待している。

前述の15カ国の他、何十カ国もがPEPFARの資金援助を受けてきたが、同氏によれば、「ルワンダとナミビアを除けば、計画を監督、管理する能力を完全に有している国はない」。計画の移行には、エイズ治療薬の供給管理だけでなく、それらの計画および実施、評価方法等を教えることが必要であり、PEPFARの支援国のいくつかは既に自分たちで対策の計画や運営を開始している。

原題:Administration wants global AIDS program's services to be routine for nations
出典:Washington post
日付:Wednesday, December 9, 2009
URL:http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/12/08/AR2009120801609.html