2009年12月18日、米国連邦議会と同国バラク・オバマ大統領は、薬物使用者への注射針交換プログラムに対する、連邦資金の拠出禁止措置を21年ぶりに撤回した。

同氏は、2日前の16日(水)に署名したこの法案は、厚生労働および教育に関する1,635億ドルの歳出予算案に含まれる。注射針交換のための新しい予算はないが、地元警察や保健所の承認で連邦政府の補助金を疾病予防プログラムに使うことが認められる。

ロビー団体 「薬物政策連合」the Drug Policy Alliance のビル・パイパー氏 Bill Piper は、「何十万人ものアメリカ人がHIVやC型肝炎ウイルスからの感染を避けられるようになる。」と述べた。

どの州でも注射針交換プログラムは州政府・地方政府もしくは個人負担により遂行されてきたが、新しい法律は連邦政府の補助金を利用可能にする。

同国カリフォルニア州では、州知事 アーノルド・シュワルツェネッガー氏が、予算不足を理由に、137万5千ドルの注射針交換プログラムを含むエイズ関連のほとんど全てのプログラムの歳出法案に対し、拒否権を発動した。

共和党が提出した注射針交換プログラムへの資金拠出禁止法案は、1988年に初めて成立し、以後、毎年改定されていた。法案支持者は、注射針交換は危険な薬物の使用を促すと考える。前ブッシュ政権時代の麻薬政策長官ロバート・マルティネス氏 Robert Martinez は「政府が注射針交換に資金援助することは、薬物使用が不正であり道徳的に誤っている、と言う社会的メッセージの信憑性を下げる。」と述べる。

しかし、1997年に発表された研究結果によれば、世界で注射針交換プログラムを実施した29都市でHIV感染率が5.8%まで下がった。一方、プログラム未実施の52都市で5.9%増加した。

オバマ大統領は、大統領候補として連邦政府の補助金を是認したが、現政権の2009年〜2010年予算案は補助金を禁止しており、注射針交換プログラムに対する一貫した姿勢がない。また、下院の民主党院内総務は禁止撤回について積極的な姿勢をとらなかった。禁止を継続する共和党議案は7月の下院議会で否決された。最終歳出法案は1週間でほとんど話題になることなく両院で可決された。

パイパー氏は、「政治は変わってきた。人々は次第に薬物使用が健康問題になると認識する。民主党は資金援助を復活してマイナスの政治結果はないと考えているだろう。」と述べた。

原題:U.S. repeals funding ban for needle exchanges
出典:sfgate.com
日付:December 18, 2009
URL:http://articles.sfgate.com/2009-12-18/news/17331688_1_needle-exchange-programs-needle-exchanges-clean-needles