東アフリカ、ケニア共和国の首都ナイロビ Nairobi にあるマザレ Mathare と呼ばれるスラムに住むジュリー・アムンガ Julie Amunga さんは、今から二年前、お酒を飲んでばかりで何もしない夫に愛想を尽かし、家族の生活を支えるためにビジネスを始める決心をした。
「友人も私も、夫の飲酒と暴力に悩んでいました。子どもたちの生活のために、家族に隠れて他の男性と寝て金をもらうこともできましたが、売春をしてHIVに感染し、早く死んでしまうことは、結局、子どもたちのためにならないと気づいたのです。」と彼女は述べる。

同じ境遇にあった彼女と友人の5人は、貯金を集めてビジネスを始める決心をした。彼女たちはさらに、ナイロビのスラムの若者及び女性のエンパワメントに取り組む「ジャミー・ボラ・トラスト」 Jamii Bora Trust からマイクロ・ファイナンス・ローンを借りることにした。

しかし、結果は厳しいものであった。成功したのはアムンガさんともう1人の友人だけで、他の3人は借りたお金を夫に騙し取られてしまったのである。

ケニア西部のニャンザ州 Nyanza 及びナイロビ市でマイクロ・クレジット事業を運営しているNGO、「コミュニティー・エイド・インターナショナル」 Community Aid International (CAI) によると、多くの女性はビジネスを始める前に、借りたお金を食料や衣服などの生活必需品に使ってしまうか、夫に奪われてしまうという。返済できない場合は、債権者によって家族の所有物が運び去られることになり、マイクロ・クレジットが逆効果をもたらすことになることもあるという。

一方で、適切なトレーニングを受け、ビジネスに成功した例もある。

5年前にエイズで夫を失い、一人で8人の子どもを育てているコンセフタ・キムンドゥ Consefta Kimundu さんは、リフト・バレー州 Rift Valleyトランスマラ県 Transmara Districtで、4年前に農協を作ろうとしていた、夫を失った女性たちのグループに加わった。彼らは、地元の銀行から小額の融資を受けると同時に、「国連世界食糧計画」 UN World Food Programme (WFP) から、メイズの水分を計り脱穀するのに必要な技術のトレーニングを受けた。2009年初めには、WFPの「進歩のための食料購入」 Purchase for Progress(食糧支援に用いるための作物を途上国の小規模農家から買い取ることで収入向上を支援する計画)から、メイズ2億5,000万トンの発注を受けるようにまでなった。キムンドゥさんは、「お陰で子どもたちは学校へ行けるようになりました。制服や靴を買ってあげることもできますし、自分が欲しいものを買うこともできるようになりました。」と嬉しそうに話す。

マイクロ・ファイナンスが女性のエンパワメントに役立っていることを示す研究がある一方で、2002年にウガンダで実施された研究のように、不十分な融資額、厳しい返済期間、適切なトレーニング不足等、マイクロ・ファイナンス事業の問題点を指摘する声もある。

原題:KENYA: Cash alone won't make microfinance work
出典:IRIN Plus news
日付:2009/12/23
URL:http://www.irinnews.org/Report.aspx?ReportId=87545