4月8日、南アフリカ共和国のジェイコブ・ズマ大統領 Jacob Zuma は、4月15日から実施予定だった大規模なHIV検査キャンペーンの延期に伴い、声明を発表した。延期の理由は、当日が大統領自身のブラジル・アメリカ出張と重なったためであり、結局、キャンペーン自体は4月22日から開始された。ズマ大統領の声明は以下の通り。

(以下、声明)

2009年12月1日、南アフリカ政府はHIV/AIDS問題への新たな国内対策を発表しました。2010年4月1日から様々な治療・感染予防策をスタートさせることを発表しました。開始されたプログラムのうちの新たな対策の1つとして、全国民に対する大規模なHIV検査キャンペーンを企画し、昨年12月には、国民の皆さんへこの検査を受けるよう呼びかけました。

政府はこの大規模検査キャンペーンを4月15日から開始しようと計画していましたが、当日私がアメリカ・ブラジルに出張し、国内にいないため、このキャンペーンを延期することになりました。新たなキャンペーンの実施日は、近日中に発表いたします。

しかし、私自身は本日2010年4月8日、HIV検査を受けることを決意しました。これは国民のできるだけ多くの皆さんにも同じように検査を受けていただきたいからです。

昨年の世界エイズデーでこのキャンペーンを発表した際、私は以下のようにお話しました。「HIV検査は自発的意思のもと、秘密厳守で行われます。自発的に検査を受けることが、容易でないことは承知していますし、検査を受けようと決意することは難しいことです。しかしその決断は、職業・民族・階級・社会的立場に関わらず全ての人々にしていただかなくてはならないものです。HIVは差別しません。私自身も、検査を受けるよう準備を整えています。私は以前に検査を受け自身のステータスは知っていますが、今回の新キャンペーンの一環として再度検査を受ける予定です。皆さんにも、検査を受けるよう計画し始めていただきたいと思っています。」

今回のキャンペーンにあたっては、以下の原則を強調したいと思っています。

・検査は秘密厳守・非公開で行われます。どの人も、望まなければ、検査を公開で受けたり、結果を発表したりする必要はありません。検査にあたる保健従事者や公的機関の担当者は、検査を受ける全員のプライバシーや尊厳を守ります。また結果が陽性であれ、陰性であれ、全国民のHIVステータスを尊重し、今後この病気と闘うためにお互い助け合っていかなければなりません。

・もし結果が陽性であったとしても、HIVは犯罪ではありませんし、もはや死に至る病気でもありません。だからこそわれわれは、検査結果が陽性だったとしても国民の皆さんに自身の健康や生活のことを生産的に管理していただけるようになってほしいと思い、この新しい対策を12月に発表したのです。

・この病気に対する差別や偏見に対しては、今後もともに取り組んでいく必要があります。われわれは、このウイルスと病気と結びついている沈黙や羞恥に目を向けることを通して差別に対処していかなければなりません。

われわれはそれぞれの立場で、この病気と戦っていかなければなりません。新たな治療の開始スケジュールや、検査キャンペーンの実施日は、保健相から近日中に発表します。

原題:Statement from Jacob Zuma on undertaking an HIV test
出典:Health-eウェブサイト
日付:April 09, 2010
URL:http://www.health-e.org.za/news/article.php?uid=20032731