ブルンジ、ケニア、ルワンダ、タンザニア、ウガンダの5カ国でつくる「東アフリカ共同体」 the East African Community (EAC) は、HIV治療サービスの最低基準を定める、共通のHIV予防・対処法案 HIV Prevention and Management Bill を審議中である。
7月には、この東アフリカの1億2600万もの人々を結びつける、「東アフリカ共同市場」 The East African Common Market が生まれるが、各国のHIV感染率は著しく異なる。国境を越えた移動の増加に備え、HIVに対する地域的な見解が必要であり、また各々の対策を統一しなければならない。

法案の内容を詰めるべく、各国の保健衛生担当者、国会議員、開発パートナー、市民社会組織等、関係者による協議会が開かれた。法令の目的は、HIV法のない国々で基本的な法的枠組みを整備し、地域的なHIV/エイズ対策の格差に対処することにある。東アフリカ共同体条約 the EAC Treaty により、共同体の法は各国の法の上位に位置する。共同体法は指針と原則を定め、各加盟国はその枠内で、独自の法律を案出し採択できる。

法案はHIV陽性者に対する差別を非合法化し、個人情報の流れを制御する権利を保障する。また、どのような症状であれ確実に医療サービスを受けられるようにし、人権保障にアクセントを置いたアプローチを推進する。しかし既に幾つかの点が論争の的になった。

草案最新版にはセックスワーカー、ゲイ・バイセクシュアル男性、静脈注射による薬物使用者といったHIVに感染する可能性が高い人々への言及がなかった。このことは、感染者を刑法で処罰するような人権を侵害する国内法の廃止を求める、人権活動家やHIV対策の計画立案者を失望させた。

一方、東アフリカ共同体条約では、刑法は各国の法体系における協調の対象に入っていない。しかし、法案起草者たちは、ケニアで施行され、ウガンダで起草中となっている、「故意に他人にHIVをうつすことを処罰する」条項を持つ刑法が、加盟国のHIV/AIDS対策をより適切に促進する、という立場に同意した。HIV対策の活動家たちは、HIV陽性者を犯罪者扱いする、こうした条項には反対の立場である。

妥協の結果、法案は東アフリカ議会 the East African Legislative Assembly に提出されることになった。いずれにせよ法案は、域内の医療制度、HIV対策、人権状況を改善してくれたと関係者は述べた。

原題:EAST AFRICA: One region, one HIV law
出典:PlusNews
日付:March 31,2010
URL:http://www.irinnews.org/report.aspx?ReportId=88635