(編集部注)本記事は、世界基金の第27回理事会に向けて、上記記事のうち「C案」を支持する先進国市民社会の立場から書かれたものです。市民社会が「A案」について、どのような懸念を持っているかについて理解する手がかりとなるかと思います。

【2012年8月20日】HIV/AIDSに取り組むラディカルな市民活動家のネットワークである「保健への世界的行動プロジェクト」 Health Global Action Project (Health GAP)は、世界基金が提案する新資金メカニズムに対して以下のような緊急声明を出した。


現在、世界エイズ・結核・マラリア対策基金(世界基金)は事務局統括代表 General Manager を務めるガブリエル・ハラミーヨ氏 Gabriel Jaramillo によって率いられているが、第27回理事会において、世界基金の基本的原則を放棄しかねない憂慮すべき事態が起きている。

昨年11月にガーナで開催された世界基金の理事会で、市民社会を代表する理事会メンバーの中から反対や対案があったにもかかわらず、第11次新規案件募集(ラウンド11)の中止が決定した。これにより、プログラム規模拡大のため追加の資金を供給する新しい「補充サイクルReplenishment Cycle」(援助国や援助機関が世界基金に対して新たな資金を拠出する仕組み)が開始されることになった。しかしエイズや結核、マラリアの予防や治療を緊急に必要としている被援助国側は、なぜラウンド11を中止しなければならなかったのかと困惑している。

世界基金はこれまで、三大感染症を食い止めるのに必要な資金を、被援助国の需要主導で拠出してきた。事務局は、「新規資金拠出モデル」が三大感染症を終わらせるのに必要な思い切った戦略だとしている。しかし、今回事務局が推奨している提案では、被援助国の需要主導でやってきた要求額が削減され、感染症対策の規模が縮小される可能性が高い。また、各国の対策プログラム策定を強化する動機づけを阻害すると同時に、資源動員の努力が損なわれることになるだろう。

市民社会は、この不完全な新資金メカニズムによって、三大感染症の闘いが失敗に終わる可能性を憂慮している。実際、市民社会は、7月にワシントンD.C.で開催された国際エイズ会議のなかで、ハラミーヨ氏から被援助国への拠出額に制限を加える趣旨の発言があったことに、非常に懸念を抱いている。

三大感染症による死や病気の進行、感染を予防するのに必要な資金レベルを基準にコミットするよう援助国や援助機関に訴えることが重要である。


出典:Health GAP (Global Access Project)
原題:Stop Global Fund "caps"--Fight for a Demand Driven Global Fund to Help End the Pandemics
日付:2012年8月20日
URL:http://lists.critpath.org/pipermail/healthgap/2012-August/003771.html