【8月22日 ナイロビ(ケニア)発】在ロンドンのアフリカ系の人々 black Africans の間では信仰による癒しが広く信じられているが、そういった信仰がHIV検査や抗レトロウイルス薬治療へのアクセスを妨げることはない。このことを明らかにした論文が医学雑誌『HIV治療研究 HIV Medicine』(2012年6月号)に掲載された。調査では246人のうち97%が、自分はキリスト教徒あるいはイスラム教徒だと答えた。


連合王国健康保護局 the UK Health Protection Agency は、アフリカにルーツをもつ人々は同国で最もHIV感染リスクが高い集団としている。同局の2011年の報告書によれば、同国在住の約4万7,000人の異性愛者のHIV感染者のうち、アフリカ出身者は女性で1万9,300、男性で9,900人だった。

上記論文によれば、HIV感染の発見の遅れ、CD4値(免疫力の単位]の低下、HIV感染の発見後あるいは抗レトロウイルス薬治療開始後6カ月の血液中のHIVウイルス量をみても、宗教性との相関性はみられない。

調査参加者の約5%が、抗レトロウイルス薬の服用は神への不信心のしるしだと信じてはいたが、HIV検査ないし治療を忌避してはいなかった。

以上の調査結果は、アフリカ出身の人々の間ではHIVの治療を受けようという決意は一般的に、信仰の有無ではなく、学歴や抗レトロウイルス薬に関する知識量に比例することを明らかにした先行研究を裏づけるものとなった。
 
「HIV陽性者らには、治療の一環として祈祷会を行うよう説いている。皆で語り合い共に祈り、治療を続けていこうと互いに励まし合っている」とマクドナルド・センベレカ氏 Rev Macdonald Sembereka。氏はHIV陽性宗教指導者国際ネットワークINERELA+ an international, interfaith network of religious leaders living with or personally affected by HIV のマラウイ支部の全国コーディネーターでもある。

「離れていても私たちは絶えず互いのために祈る。薬だけではなく神の恩寵も必要だ。祈りによって“著しい苦痛を伴う副作用のある抗レトロウイルス”薬を飲み続ける力が沸いてくる」と、看護師のフローレンス・ウェケサ氏 Florence Wekesaは述べる。自身もHIV陽性者であるウェケサ氏は、ケニア西部のブシア県 Busia District のHIV陽性者に対する医療従事者の支援団体で活動している。

センベレカ氏の所属団体は、一部の信仰に篤い人々が信じる「奇跡的なエイズ治癒」は、エイズに対するスティグマが生み出したものであるとし、霊性 spiritualityと科学を同時に促進していくことによって、こうしたスティグマが軽減できれば、HIVに関して誤った指導を行う宗教指導者を減らすことも出来るだろう、と考えている。

原題:HIV/AIDS: Religion not a Barrier to HIV Treatment
出典:IRIN Global
日付:2012/08/22
URL:
http://www.irinnews.org/Report/96152/HIV-AIDS-Religion-not-a-barrier-to-HIV-treatment