【2014年7月24日 カンパラ(ウガンダ)発】アフリカ東部の内陸国、ウガンダで導入された新たな性教育キャンペーンは、10代の妊娠、妊婦死亡率、中絶後の医療ケアにかかる費用を減らすことを目的としているが、これが同国の世論の中で議論を呼んでいる。


「少女は少女のままで」 “Let Girls Be Girls”は、7月13日に保健省と国連人口基金UN Population Fund (UNFPA)が公式に始めたキャンペーンである。少女たちが実際に早過ぎる妊娠や妊娠・出産時の合併症に晒される危険性が増えていることに対処し、15歳から24歳までの若い母親の死亡率を現在の24%から2015年7月までに15%に減らすことを目指している。

このキャンペーンでは、学校に通う若者に避妊具を無料配布したり、地域住民や保護者、生徒、教師に性教育を行ったりする。「我々の運動はすなわち、少女は少女のままであるべきで、幼い妻や母親になるべきではないということ。性教育を行い、結婚前の早過ぎるセックスにたいして少年少女がNOと言えるようにし、それに従わない男性や少年については報告するということに重点を置いている。少女たちには生殖能力を守ってほしいし、中絶はしてほしくない。また、妊娠した少女たちには、後で学校に戻って学業を修了してほしいと思っている」と、保健省家族計画部のザイナブ・アコル主任医療部長Zainab Akolは語った。

2011年に行われたウガンダの人口保健調査によると、10代の女子の24%が妊娠しているか、もしくはすでに出産を経験している。若い女性の約14%、若い男性の約16%が、最初のセックスを15歳までに経験しており、若い女性の57%は、最初のセックスを18歳までに終えている。

米国にある性に関する健康を調査する非営利組織、グットマッハ―研究所Guttmacher Institute による、「ウガンダにおける望まない妊娠と中絶」Uganda Demographic Health Survey (UDHS)と題した2013年の報告書によると、15歳から24歳の女性のうち24%が中絶を経験。しかし、中絶について学んだ者はごくわずかで、毎年29万7千件の中絶が行われるが、合併症の治療を受けたのはそのうち8万5千件だった。

ところが、ウガンダ政府の省庁の一つである倫理・統合省および宗教指導者たちは、若者の性の不道徳や不特定多数とのセックスを助長するとしてこのキャンペーンに反対している。

「若者に避妊具を配布することは、教会における結婚の教えに完全に反している。我々としてはこれを受け入れるわけにはいかない。セックスは結婚前に行うものではない。結婚を伴わないセックスは、如何なる場合も神の教えに背いており、罪である。セックスは生殖のための行為であって、己の快楽のためにあるものではない」と、カンパラのカトリック事務局で異教徒との対話の事務局長を務めるビンセント・カラトゥンガ牧師Vincent Karatungaは言う。

「我々はこのキャンペーンについて何も聞いていない。何の目的で行うのか?どういったモラルを広めようとしているのか?この取り組みは、国内の若者における性的不道徳を広めることになるだろう」と倫理・統合省の高官は話す。

ウガンダは、宗教が根付いており保守的な国である。2002年の人口・住宅センサスによると、人口の85.4%はキリスト教徒である。

しかし、プライマリー・ヘルス・ケア担当国務大臣 State Minister for Primary Health Careのサラ・オペンディ氏Sarah Opendiは、文化施設や宗教施設、一般国民に向けて、この取り組みを受け入れるよう求めている。

UNFPAによると、ウガンダにいる少女たちのほぼ半数が18歳までに結婚する。「早過ぎる結婚は、少女の幼少時代を否定し、教育を中断させ、可能性を制限し、暴力や虐待のリスクを増加させ、健康を脅かす。早過ぎる結婚が、早過ぎる望まない妊娠につながり、少女たちの人生を脅かすリスクを生んでいる」とUNFPAは指摘する。

リプロダクティブ・ヘルスに関するサービス、特に家族計画に関するサービスが不十分であることも、10代の妊娠を引き起こしている。米国でリプロダクティブ・ヘルスに関する研究を行っているガットマチャー研究所Guttmacher Instituteの報告書によると、同国では、15歳から19歳までの少女の31%が、希望にそぐわない出産を行っている。出産の間隔を開けたい、もしくはこれ以上出産をしたくないと思っていても、避妊具を使うことはなく、女性たちの希望は満たされていない。2011年度版のUDHSによると、ウガンダの避妊普及率は26%で、妊娠可能な既婚女性のうち30%しか避妊具を使っていない。その結果、ウガンダ国内の妊娠の半分は望まないものとなり、その3分の1が中絶につながっていると、ガットマチャー研究所は試算する。

しかし、ウガンダでは中絶は法律で制限されているため、多くの女性や少女が危険で違法な中絶や自己中絶を行おうとする。「中絶に対する法律や警察の対応は不明確で一貫性がないため、女性も医療機関も何が法的に正しいのか判断することが難しい」とグットマッカー研究所は指摘している。

10代の妊娠の抑制を目指すキャンペーンによって、依然として高い水準にある妊産婦死亡率も減らせるだろう。

ウガンダは今のところ、ミレニアム開発目標の一つである妊産婦の健康の改善を果たせていない。2011年の死亡率は、出生数100,000人に対し438人で、UDHSによると、毎年6,000人以上の母親が妊娠や妊娠・出産時の合併症により亡くなっており、そのうち24%は10代の少女である。

「ウガンダ政府が妊産婦の健康を改善できていない中、このキャンペーンは非常に時宜を得たものである。しかし、ウガンダにおける10代の妊娠に対する取り組みには、教育スポーツ省、労働省、社会開発省などによる多角的なアプローチが必要であり、キャンペーンを持続的かつ効果的に行うためには、宗教組織の参加も求められる」と、人権の明文化や政策提言を行う団体、「健康・人権・政策提言活動センター」 Center for Health, Human Rights and Advocacy Development (CEHURD)のジョイ・アサシラ氏は語った。

●原題:Uganda Teen Pregnancies’ Plan under Fire
●出典:IRIN
●日付:2014/7/24
●URL:http://www.irinnews.org/report/100399/uganda-teen-pregnancies-plan-under-fire