【2014年7月14日ジョハネスバーグ(南アフリカ共和国)発】世界保健機関 World Health Organisation (WHO)は、男性とセックスをする男性 Men who have sex with men(MSM)のHIV感染の予防策として、抗レトロウイルス薬 antiretrovirals (ARVs)の予防薬としての服薬を奨励するという、新たなガイドラインを発表した。

このガイドラインでは、MSM、静脈注射による薬物使用者、獄中者、セックス・ワーカーを含めた、HIV感染の高い可能性に直面する5つのグループの新規HIV感染の防止を目的としている。WHOはHIV陰性のMSMに対して、テノホビルかツルハダ(テノホビルとエムトリシタビンの混合薬)の服薬を、セックスの際のコンドーム使用と併用して行う方法を勧めている。

WHOによると、安全なセックスを求める交渉を相手とやりにくいことや、HIV陽性者への差別が、これらのグループの感染リスクの高さの主な原因ではないかと考えられている。新規HIV感染の過半数は、トランスジェンダーなどを含めた、HIV感染のリスクが高いグループで起きている。

ツルバダは、南アフリカ共和国でもすでに使用されているが、HIV感染予防薬としては正式に認可されていない。南アフリカ共和国西部の西ケープ州に位置し、同国の立法府が置かれている都市、ケープタウン在住のケビン・レーベ医師 Dr Kevin Rebeは、WHOの新たなガイドライン確立に携わった南アフリカ人の1人である。レーベ医師はMSMの患者を受け入れているクリニックを、南アの最大都市でハウテン州にあるジョハネスバーグと、ケープタウン近郊のカエリチャ地区(Khayelitsha)に開院しており、そこでHIV感染予防のための研究も行っている。

レーベ医師は「ツルハダをHIV感染予防薬として早急に認可する必要がある」と述べた。同医師によれば、ツルバダが予防薬として認可されない状況では、母子感染予防プログラム以外には、国はARV対策のお金を支出しないだろうという。

WHOの新たなガイドラインでは、HIV感染が陰性の人たちも、HIV陽性者のパートナーがいる場合は、ツルバダを毎日服用することを奨励している。また、医師たちは、HIV感染予防のために服用している人も定期的にHIV感染の有無についての経過観察をしなければならないと警告している。また、もし、HIV陽性になった場合には、耐性ウイルスの出現を防ぐために、ツルバダの単剤服用をやめ、3剤混合薬のARVsに切り替えるべきだということも示唆している。

一方、WHOの新たなガイドラインでは、静脈注射による薬物使用者を含む、ヘロインやモルヒネの使用者に対して、薬物を過剰摂取することで生じる呼吸困難を防ぐナロキソン静脈注射のトレーニングを受けることも勧めている。

●原題:WHO Recommends Arvs to Prevent HIV in Men Who Have Sex With Men
●出典:Health-e
●日付:2014/07/14
●URL:http://www.health-e.org.za/2014/07/14/recommends-arvs-prevent-hiv-men-sex-men/