【2014年8月1日】エイズという疾患が発見されたのは1980年代のことであり、その後、エイズの原因がHIVであることがわかった。当時は、エイズに治療法がなく、健康に重篤な影響を与える疾患であるということで、社会に大きな衝撃を与えた。抗レトロウイルス治療が導入される前は、エイズは死に至る感染症であった。さらに、最も衝撃的だったのは、これが世代を超えて感染すること、つまり新生児がHIVに感染して生まれてくる、ということだった。


医学的、公衆衛生学的な観点、そして社会的、人道的な角度を繰り合わせて考えてみると、これは医療が直面した最悪の難題であった。そして当時から30年経った現在も、この難題への挑戦は続いている。小児におけるHIVの問題は、HIV感染の危機がもたらすさまざまな問題の中で、もっとも深刻である。

HIVの母子感染予防をめぐっては、驚くべき進歩があり、流行の勢いを食い止めることにつながった。しかし母子感染により感染して出生する子どもの数は未だ非常に多い。UNAIDSの推計によると2012年時点で、330万人の子どもたちが今もHIVとともに生きている。毎日700人の子どもがHIVに感染しており、治療を受けなければこの半分の子どもたちが2才までに、そして半数以上が5才までに命を落とすことになる。

さらに、国連合同エイズ計画UNAIDSによると、2011年にHIVからに感染した子どもの90%がサハラ以南のアフリカ地域にいる。この地域では、HIVにより多くの命が犠牲になってきた。2012年だけで、21万人の子どもがエイズ関連の病気で亡くなった。

今月、オーストラリアのメルボルンで開かれた第20回国際エイズ会議AIDS2014にて、米国のビル・クリントン元大統領Bill Clintonは、サハラ以南のアフリカ地域を含めて、世界のもっとも貧しい地域で、クリントン保健アクセス・イニシアティブ Clinton Health Access Initiative (CHAI)をはじめとする団体が、母子感染や子どもの抗レトロウイルス治療を支援している例を紹介した上で、「大幅な進歩が見られるが、まだやらなければならないことは多い」と言及した。

小児エイズにおいては、予防と治療双方における研究を、更に進めなければならない。「小児HIV教育・研究協力イニシアティブ」 The Collaborative Initiative for Paediatric HIV Education and Research (CIPHER) は、国際エイズ学会 the International AIDS Societyが始めた新たなイニシアティブで、資金が限られた環境下でHIVの影響を受けた新生児から青少年までの医療臨床管理とサービスの提供に関連した研究課題のうち、研究が進んでいない分野に焦点をあてている。2012年に始まったこのイニシアティブでは、すでに何人もの医学研究者たちが、研究資金を受けることができた。今回の会議におけるシンポジウムで発表されたこれらの研究状況は、子どもとエイズに関する重大な課題の解決に向けた希望の光であると言える。

●原題:Africa: Children Living With HIV, That's Where It Hurts the Most
●出典:allAfrica
●日付:2014/08/01
●URL:  http://allafrica.com/stories/201408030001.html