【2016年11月23日ウィントフック(ナミビア)発】
南部アフリカの西部に位置する国ナミビアに住むマリーは、自分が初めて妊娠していると知った時、最大の心配は子どもの父親にどうやって伝えるかと、子どもが生まれた後どうやって世話をするかだった。しかし、彼女がHIV陽性だと知らされた時、それまでの彼女の心配事は、彼女と子どもがHIV感染という「死刑宣告」を受けたことに比べたら些細なことだった、とナミビアの新聞「ナミビアン」The Namibian に語った。
「私は、自分が病気で死ぬかもしれないというだけではなく、私の子どもも死んでしまうかもしれないというショックに呆然とした。その時、私は看護師の話をそれ以上聞くことができなかった」と彼女はいう。

マリーは看護師が、子どもがHIVなしで生まれて来ることができる可能性があるというわずかな希望を彼女に伝えたとき、どうにか気を取り直した。 「それは希望の声だった。私はどのようにそれが可能なのかを聞いたが、本当に知りたかった訳ではなく、ただ子どもを救える方法があると聞き単純に嬉しかった」と彼女は微笑み言った。

ナミビアの国連人口基金 the United Nations Population Fund (Unfpa)の責任者であるデニア・ガイレ氏 Dennia Gayleによると、HIVの母子感染とは、妊娠中・出産時または授乳時母乳を通してHIVに感染した女性から彼女の子どもへのHIV拡大のことをいう。

「治療なしの場合、母子感染率は15~45%。しかし抗レトロウイルス治療 antiretroviral treatment (ART)やその他の予防介入により、このリスクは5%以下まで下げることができる」

「介入は主に、母親へのARTと乳児への抗レトロウイルス薬 antiretroviral drugs (ARVs)の短期投与、母親へのカウンセリングや心理的サポートがある」とガイレ氏はいう。

「ナミビアが母子感染予防組織的かつ戦略的に行ったことで、最近の報告ではナミビアの母子感染率は4%まで下がり、政府が宣言した2025年までに母子感染を根絶するという可能性に近づいた」と彼女はいう。

現在の世界保健機関The World Health Organisationのガイドラインは2つの介入を推奨している。まず一つ目は、CD4数や臨床段階に関係なくすべてのHIV―AIDS陽性妊婦と授乳婦に対してARTを提供することである。

二つ目に、危険性がある期間のHIV―AIDS陽性妊婦と授乳婦へのARVsの提供と、彼女たち自身の健康のためにARTを継続することで、新規の子どもへの感染をなくすために邁進し、母親を生き永らえさせることである。これはすべての女性に対して母子感染予防介入を提供できるよう徹底することで達成できると、世界保健機関の報告は明らかにした。

◆現在の世界的目標は、2つの標的がある。
―新規の子どもの感染を90%減少させること。
―HIVに関連した妊産婦の死亡を50%減少させること。

ガイレ氏は、これは、HIV―AIDSに関する俗説について話し合い、お互いに真実を教えあうことによる母親への啓蒙によって可能であるという。

◆薬はどのようにHIVの母子感染を予防するのか

HIV薬は、体内のHIV量を減らすためにHIVの増殖を防ぐ薬である。これにより、体内のHIV量を減らすことで、妊娠中や出産中に女性が子どもにHIVを移すリスクを減少させる。また体内にHIVが少ないということは、女性の健康を守ることにもなる。いつくかのHIV薬は胎盤を通して母親から胎児に移行する。このHIV薬の移行は、乳児が産道を通るときに、母親の血液や体液などによりHIVに被曝した際にHIV感染から胎児を守る。出産時のHIV感染の危険性を減らすため、帝王切開をすることもある。生まれた子どもは、HIV薬を産後4〜6週間受け取る。その薬は出産時に乳児の体に侵入したかもしれないHIVによる感染の危険性を減少させる。

●原題: Namibia: Understanding Mother-to-Child HIV Transmission
●出典: All Africa (The Namibian)
●日付:2016/11/23
●URL: http://allafrica.com/stories/201611231053.html