【2017年10月3日】米国の連邦上下両院の予算委員会は、米国の2018年度のグローバル・ヘルス・プログラムへの予算を前年度と同じレベルで提出した。これにより、予算委員会はトランプ大統領President Donald Trumpが提出した、途上国のエイズ・結核・マラリア対策に資金を供給するメカニズムである「グローバルファンド」(世界エイズ・結核・マラリア対策基金)への2億2500万ドル減、および米大統領エイズ救済緊急計画PEPFARへの10億ドル減を含む25億ドルの減額する予算案を無視したことになる。米国の会計年度は2017年10月1日から2018年9月30日までである。
予算委員会が承認したのは、グローバルファンドへの13億5千万ドル、PEPFARへの46憶ドル、米国マラリア制圧推進プログラムである大統領マラリア・イニシアチブPMI(President’s Malaria Initiative)への7億5500万ドル、そして低所得国でのワクチン接種の公平性を高めることを目的とするGaviワクチンアライアンスGavi(the Vaccine Alliance)への2億9千万ドルである。

予算委員会からの承認を得て、この予算案は上下両院それぞれの院内全体での投票へと移される。もしグローバル・ファンドへの13億5千万ドルが議会で承認されれば、アメリカが2017〜2019年度で宣言した資金である43億ドルの一部を今回初めて拠出したことになる。2014〜2016年度は41億ドルであった。予算委員会は、アメリカ国立衛生研究所NIH(the National Institute of Health)の傘下であるフォガーティ国際センターFIC(The Forgarty International Center)への7400万ドルの資金拠出についても承認している。FICはグローバルヘルスにおける格差を縮小するための科学的調査や研修に対して国際的な支援をしている。しかし、トランプ政権はこのセンターの廃止をもとめている。予算案に含まれる政策上の対策に関しては、上下院は正反対の意向を示している。

なお、上院の予算委員会は国連人口基金UNFPA(the United Nations Population Fund)への米国からの資金拠出の回復を意味する、「グローバル・ギャグ・ルールthe global gag ruleの廃止」に一票を投じている。「グローバル・ギャグ・ルール」とは、共和党政権下において人工中絶に関するサービスや議論を展開する国際保健団体への米国の支援を封じるものとして打ち出された。メキシコシティで1984年に開催された「世界人口会議」に向けてレーガン政権が打ち出したので、正式には「メキシコシティ政策」The Mexico City Policyと呼ばれる。その後クリントン、オバマ民主党政権下では廃止され、ブッシュ、トランプ共和党政権の開始により再導入される歴史が続いている。一方、下院予算委員会はグローバル・ギャグ・ルールの維持を支持し、UNFPAへの資金拠出に反対している。

原題:Appropriations Committees in U.S. Congress Vote to Maintain Funding for Global Fund and PEPFAR
出典:Aidspan
日付:2017/10/3
URL: http://www.aidspan.org/gfo_article/appropriations-committees-us-congress-vote-maintain-funding-global-fund-and-pepfar