【2018年1月10日 ナイロビ(ケニア)発】HIV陽性者の子どもが抗レトロウイルス治療を利用できるにも関わらず病院で早期に死亡していることが最近の研究で問題として挙げられている。先週の英国の医学誌「ランセット」の論文で明らかになったことは、抗レトロウイルス治療は陽性者の子どもの生存率を増やしていないということである。定期的なHIV検査をしないため、多くの子どもが病院に受診して初めてHIV感染していることを知ることもわかった。さらに、多くのHIV陽性である子どもは、入院している間に深刻な重感染を診断され、高い死亡率を引き起こしていると述べている。
入院中のHIV陽性の子どもへの抗レトロウイルス治療は回復を早めるわけでもなく、免疫力の再生を阻害している。この研究は2013年の4月から2015年の11月までケニアの4つの病院で実施され、病院内の0-12歳の191人の子どもが対象となった。その中で181人の子どもがランダムに抽出され、90人が緊急にARTを開始し(登録から48時間以内)、91人が 少し期間を設けてから抗レトロウイルス治療(登録から7-14日後)を開始した。その結果、21%の子どもが最初の3ヶ月で死亡した。10%は最初の1週間で死亡した。そして緊急の抗レトロウイルス治療開始のグループの子どものうち13%は死亡し、もう一方のグループの子どもの内6%が死亡した。ほとんどの子どもの死亡が最初の1ヶ月で起こり、1ヶ月から3ヶ月にかけてその数は急激に減った。そして抗レトロウイルス治療を始めて3ヶ月から6ヶ月の間には死亡率は0であった。研究では、抗レトロウイルス治療開始後最初の2、3週間が高い死亡率であったことを示している。

研究結果では入院中の早期の抗レトロウイルス治療は生存率の向上には繋がらなかった。登録後48時間以内に治療を開始したとしても治療を7-14日の間に開始した場合と死亡率は変わらない。また以前のケニアでの研究と合わせて21日経過してから治療を開始することは遅すぎるし、7日以内に開始したとしても子どもの生存率を高める効果がないことが分かっている。

また、保護者による抗レトロウイルス治療開始の遅れも目立っている。治療を受けていない1/3以上の子どもは、HIV検査を受けていないか、診断されても治療が開始されていない。またプレARTのフォローアップ離脱者は約100人に付き15人も報告されており、子どもたちが一度病院から退院すると治療のために病院に戻ってこないことも多い。
世界保健機関 World Health Organization (WHO)によるとケニアでは160万人がHIV陽性者であり、その内100万人のみがARTを受けている。120,000人の子どもが陽性者である一方、78,700人がARTにアクセスできていない。2016年には4800人の子どもがHIV/AIDSで死亡している。この研究では早期の抗レトロウイルス開始にも関わらず高い死亡率が確認されているため、代替の対策が必要となっている。

原題:Kenya: Late Diagnosis Causing More Deaths in HIV-Positive Children
出典:DAIRY NATION
日付:2018/01/10
URL: http://allafrica.com/stories/201801110075.html