【2018年10月31日ルサカ(ザンビア)発】アフリカ南部の内陸国の一つであるザンビア共和国は、アフリカのなかでHIV感染の影響を最も受けている国のひとつである。同国では、2030年までにHIV/AIDSの終息を目指し国連エイズ合同計画(UNAIDS)が策定した「90-90-90戦略」のもと、ザンビア国家エイズ戦略枠組み National AIDS Strategic Framework of Zambiaが改訂され、ゲイやトランスジェンダー、男性とセックスをする男性 Men who have sex with men : MSM を含めるよう制度の対象が見直された。UNAIDSの「90-90-90戦略」とは、HIV陽性者の90%が自分の感染状況を知り、その90%がHIV治療にアクセスし、その90%においてHIVウイルス量が検出可能値以下に下がるという状況を意味する

HIV影響の評価 The Zambia Population-Based HIV Impact Assessment : ZAMPHIA は、2016年3月から8月の間のエイズ対策の進捗状況を明らかにした。同調査によると、15歳から59歳までの成人で年間におよそ4万6千件の新規感染があり、成人の感染率は12.3%で、男性が9.5%、女性が14.9%であることが明らかになった。しかし、同調査は、国家エイズ戦略枠組みの改定前に調査されたため、異性間のカップルのみに焦点が当てられ、対策の鍵となるゲイやトランスジェンダー、MSMに焦点が当てられていない。

ザンビアのHIV対策を取りまとめる国家エイズ委員会 National AIDS Council : NAC は、HIV問題を解決するために関係者が一致団結できるよう主導的役割をはたしている。2017年6月、NACは国家エイズ戦略枠組National AIDS Strategic Framework : NASF 会議を開催した。
同会議には、メディアも招待され公開された。メディアは、NACはMSMがHIV感染拡大の元凶であると認識していると報道している。一方で、MSMを含むすべてのHIV陽性者が治療やケアにアクセスできるようHIV対策に取り組むことについても議論したと報道された。

ザンビアの英字紙である「ルサカ・タイムズ」紙は「リビングストンはザンビアのゲイの中心地である」という見出しを掲げ、あるいは「儲けたお金で家を建てた者もいて儲かるようにもみえる」などと、この会議はメディアによって否定的に報道された。このような報道によって地域で活動する当事者や国際援助機関による支援状況に影響を与えた。また、影響を受けた当事者らは、偏見や逮捕を恐れて身を隠すようになった。この問題解決のために、NACと他の協調関係にある組織がメディア機関と一同に会し、正当な事実に基づく客観的報道をすることがHIV対策の改善になることを確認した。今後、メディアとの有効な協力関係は、2030年までにエイズを終息させるための重要な鍵の一つとなる。

原題:The Media and HIV Response in Zambia
出典:Key Correspondents
日付:2018/10/31
URL:http://www.keycorrespondents.org/the-media-and-hiv-response-in-zambia-%E2%80%A8/