【2018年 11月 19日リロングウェ(マラウイ)発】南部アフリカの内陸国マラウイでは、HIVの母子感染予防 PMTCT: Prevention of Mother to Child Transmission プログラムのうち、HIVに感染した妊婦に、その免疫の状況を測るCD4値の如何に関わらず、生涯にわたる抗レトロウイルス治療 ART: anti-Retroviral Therapyを提供する「オプションBプラス」 Option B+という取り組みを実施してきた。このプログラムから得られるデータからは、妊婦が抗レトロウイルス治療を受ける割合が高いことが示唆されている。 マラウイ保健省は、PMTCTプログラムの全国評価を行い、妊産婦におけるARTの受診率と母子感染予防の有効性に関する全国的なデータを入手した。 ここでは、4〜12週齢の乳児のデータを提示する。

本研究では、多段階のクラスターデザインを用いて、マラウイでHIVに暴露された乳児およびその母親のサンプルを募集した。 2014年10月16日から2016年5月17日まで、10地区と4地域のサンプリングゾーンから選択した54の保健施設で、4〜26週齢の乳児を対象にワクチン接種または外来の病院に通院しているすべての母親のHIV検査を実施した。 HIVに感染していると特定された母親と乳児はコホートに登録された。 スクリーニング時に4〜12週齢の乳児のサブセットのみ加重MTCT率を計算し、それにより妊娠初期から出産、授乳初期までの母子感染予防に関するデータを取得した。 妊産婦および乳児の人口統計およびHIVサービス、ART、およびマタニティクリニックの利用に関するデータを収集した。 HIVに曝露された乳児を検査し、乳児のHIV状態との関連を評価した。

結果は以下のとおりである。まず、33,980人の母親(保護者)と4〜26週齢の乳児のペアのうち3,542人(10.4%)がHIV陽性であることを確認した。そのうち2,530人(2514人の母親と16人の保護者)はスクリーニング時に4〜12週齢の乳児がいた(双子の32人を含む)。HIV感染状況に関する情報が入手できなかったため、25人の乳児を分析から除外した。 91.3%(95%信頼区間 85.6〜96.9)の母親が妊娠中からARTを服用していた。 MTCT率は全体で3.7%であり、その幅は、妊娠前からARTを開始した女性が1.4%であったのに対し、現在もARTを服用していない女性が19.9%である。多変量ロジスティック回帰分析では、早期の母子感染のオッズは、妊娠前からARTを服用していた母親より、産後にARTを開始した母親および妊娠中にHIVステータスが不明でARTを服用していない母親で高かった。HIVに曝露された乳児のうち、98.0%がネビラピンを受けたと母親から報告され、試験時にHIVケアクリニックに登録されていた乳児は、わずか45.6%であった。

これらのデータは、マラウイのARTサービスの地方分権化がARTの適用範囲を拡大し、早期の母子感染予防を低下させることを示唆している。 しかし、HIVに曝露された乳児のためのサービスは、最善とはいえないままである。

原題:National estimates and risk factors associated with early mother-to-child transmission of HIV after implementation of option B+: a cross-sectional analysis
出典 :THE LANCET HIV
日付:2018年11月19日
URL: https://doi.org/10.1016/S2352-3018(18)30316-3