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(スイス)薬物使用とHIV/AIDS:地域による取り組みの在り方
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【2018年10月22日ジュネーブ(スイス)発】薬物使用者 People who inject drugs:PWID におけるHIV陽性率は高いが、HIVケアと薬物治療を利用することに大きな問題を抱えている。薬物使用者は地域ごとにその特徴が異なることから、予防としてのHIV治療に関する介入戦略を開発し効果的に実行するためには、彼らにおいて特徴的なHIV感染と病気の進行経過について理解することが必要不可欠である。

そこで、HIVの研究者らは薬物使用者を対象としたHIV予防治療改善を目的とした二重ランダム化比較試験であるHIV予防治験ネットワーク HIV Prevention Trials Network:HPTN 074 に参加している薬物使用者を対象とした基礎データを分析した。その内訳は、インドネシア258人、ウクライナ457人、ベトナム439人であり、またHIV陽性者は502人、HIV陰性の薬物使用者は652人であり、彼らを対象に社会人口的背景やHIV薬物治療利用歴、薬物使用歴や危険を伴う性行動等のリスク要因についてその地域差を検討した。

その結果、分析対象者の87%は男性で、女性の80%以上がウクライナ出身者であり、対象者全体の平均年齢は34歳であった。主な使用薬物は、ウクライナでは違法に製造されたメサドン、インドネシアとベトナムではヘロインであり、いずれの国も複数の仲間とともに薬物を利用していたが、ウクライナでは最も高くその平均は5人であった。アルコール利用障害特定テスト(AUDIT-C)による危険なアルコール利用はウクライナで最も高く57.4%、ベトナムでは26.4%と低かった。最近1か月間での複数のパートナーとの性行為や金品または薬物の授受による性行為を含む性感染症の感染可能性の高い性行動についてはいずれの国でもほとんど報告されなかった。

以上より、上記3か国でのリスク要因の違いは認められ、とくにウクライナ在住の薬物使用者に対して感染リスク低減に向けた対策が急務であることが判明した。この様に、薬物使用者においては各地域のHIV感染リスク要因を考慮した治療及び予防対策が必要である。

原題:Regional Differences Between People Who Inject Drugs In An HIV Prevention Trial Integrating Treatment And Prevention (HPTN 074): A Baseline Analysis
出典:International AIDS Society
日付:2018/10/22
URL:https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/jia2.25195