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ケニア

(ケニア)HIV陽性の若者の人口が30万人に

【2018年8月15日 モンバサ(ケニア)発】東アフリカに位置するケニアの国家エイズ対策委員会 National AIDS Control Council : NACCのコースト州現地事務所は、ケニアにおける若者と子どもたちの間でHIV陽性者数が増加していることについて、懸念を示した。

NACCの理事を務めるンドゥク・キロンゾ博士Dr. Nduku Kilinzo は、ケニアの海岸部の主要都市であるモンバサで開催された第14回ケニア小学校長協会の会合において、「ケニアは、24歳以下の若者のうち約30万人がHIV陽性者である。内訳は、10〜24歳が約18万4千人、10歳以下が約10万人である。10-24歳の若者の間では毎日48人ものHIV新規感染が起こっており、2017年、ケニアでは思春期の若者の間で一万八千件の新規HIV感染が記録された」と述べた。

キロンゾ博士は、HIV新規感染者の増加の要因として、若者の間でのHIV/AIDSに対する情報の不足、性的暴力、仲間たちによる強制、HIVに脆弱な人口集団に対する社会の偏見などがあるとした。

「ケニアの若者の約20%にあたる5人に一人が、15歳になる前に性交渉をもっている。同時に、ケニアの若者の多くはインターネットでセックスについての情報を入手しているが、それらの多くは若い世代に誤解を与えるものである。しかしながら、親や教師の立場にある我々は、インターネットに背を向けている。若者がインターネットから得ている情報は誤解を招くものである」とキロンゾ博士は続けた。NACCのデータによると、仲間たちからの強制によってケニアの若者のうち20%は15歳の誕生日以前に性交渉をもっている。

キロンゾ博士はさらに、「15〜19歳の女性のうち約46%はHIV検査を受けたことがなく、同じ年代の男性のうち58%はHIV検査に一度も行ったことがない」と述べ、若い世代にHIV/AIDSについて教育するため、教師や両親に国家エイズ対策委員会または他のHIV/AIDSサポートグループに協力するように求めている。

原題:About 300,000 Young People are Living with HIV/Aids
出典 : Capital FM
日付:2018年8月15日
URL: https://www.capitalfm.co.ke/news/2018/08/about-300000-young-people-in-kenya-are-living-with-hiv-aids/

(ケニア)HIVの母子感染をなくすためのリーダーシップとイノベーション

【2018年7月26日 ケニア発】オランダのアムステルダムで開催された第22回国際エイズ会議(AIDS2018)(2018年7月23日〜27日)で、ケニアが行っている「HIV母子感染ゼロ」目標に向けた真剣な取り組みについて紹介された。

「非感染で(人生を)スタートし、エイズから自由でいよう」(Start Free, Stay Free, AIDS Free)というスローガンに基づき、ケニアでは子どもと青少年の治療へのアクセスに焦点が当てられている。とりわけ思春期の少女や若年層の女性が治療へアクセスしやすくなるよう留意していく必要がある。

会議の参加者は、確かなデータに基づき、コミュニティのリーダー、両親、宗教的リーダーや関連するステークホルダーを含む役割について、あらゆるレベルでの行動が必要であると強調した。

ケニアでは、子どものHIV新規感染が、2010年の推定13,000件から2017年には8千件に減少するなど、予防において重要な進歩があった。これは、HIVに感染した女性を支援するメンター・マザー・イニシアティブ、保健施設での母子支援、保健施設にアクセス際の障壁を特定するためのプログラムの推進などをずっと積極的に行っていることによるものである。ケニアのマーガレット・ケニヤッタ・大統領夫人Margaret Kenyattaのリーダーシップと彼女の「ビヨンド・ゼロ・キャンペーン(Beyond Zero Campaign)」により、HIV予防を含む母子の健康増進サービスがいかに重要であるかについて認識されるようになってきた。

しかし、同会議では、このような進展が国内で幅広くみられるためには、さらなる努力が必要であることも確認された。例えば、医療従事者によるストライキが、エイズ対策の進展を脅かすという意見がある。これは、妊婦のケアや検査に影響を与え、コミュニティの支援を減退させ、HIVサービスそのものにも影響を与えるようになる。

会議において、HIVプログラムの規模拡大を急ぐ必要性があることが確認された。子どもと青少年をHIV感染から守り、またすべての母子感染をモニタできるような新しいイノベーションによってヘルスシステムを強固なものにする必要もある。

(編集部注)Start Free, Stay Free, AIDS Free:「持続可能な開発目標」(SDGs)のなかで、2030年までにHIV/AIDSの蔓延を終わらせるという世界的な合意の一環として、とりわけ子ども、青少年、若い女性のHIV/AIDS蔓延を2020年までに終わらせるとする目標についてキャッチーに説明するスローガンの一つ。

原題:Kenya: Leadership And Innovation for Results in Eliminating Mother-to-child Transmission of HIV
出典:UNAIDS
日付:2018/07/26
URL:
http://www.unaids.org/en/resources/presscentre/featurestories/2018/july/kenya-eliminating-mother-to-child-transmission-of-hiv

ケニアの結核/HIV案件、「カギとなる人口集団」重視で高評価

【2018年1月23日】途上国の三大感染症に資金を提供する国際機関、グローバルファンド(世界エイズ・結核・マラリア対策基金)の技術審査パネル(TRP)は、「カギとなる人口、および、この場合はHIVと結核の複合感染者対策の資金提供を優先させる政策は、高い効果をもたらし、深刻な地域での医療サービスの拡大につながる」と、ケニアの結核/HIV補助金要請を高く評価した。この記事では、ケニアの補助金要請に対するTRPと案件承認委員会(GAC)の評価を総括する。続きを読む

(ケニア)受診の遅れがHIV陽性の子供の致死率を高める

【2018年1月10日 ナイロビ(ケニア)発】HIV陽性者の子どもが抗レトロウイルス治療を利用できるにも関わらず病院で早期に死亡していることが最近の研究で問題として挙げられている。先週の英国の医学誌「ランセット」の論文で明らかになったことは、抗レトロウイルス治療は陽性者の子どもの生存率を増やしていないということである。定期的なHIV検査をしないため、多くの子どもが病院に受診して初めてHIV感染していることを知ることもわかった。さらに、多くのHIV陽性である子どもは、入院している間に深刻な重感染を診断され、高い死亡率を引き起こしていると述べている。続きを読む

(ケニア)大きな進歩と残された課題

【2017年12月27日発】
世界保健機関(WHO)は、世界的なHIV /エイズの感染拡大を終わらせるため、 2020年までに、HIV陽性者のうち90%が自らの感染を知り、そのうち90%が抗レトロウイルス治療を受け、さらに治療を受けている人の90%が体内のウイルス量を検出限界以下にするという、明確な目標を提示している。また2030年までには、新規感染をなくし、エイズ関連死をなくし、そして差別へ偏見をなくす、とも述べている。
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(ケニア・ウガンダ)ケニアとウガンダで注射できるHIV薬の試用が行われる

【2017年12月20日 ナイロビ(ケニア)発】
ウガンダとケニアで性活動が活発な女性に向けて、長期作用のある曝露前予防薬(pre-exposure prophylaxis: PrEP)の注射による投与が試験的に実施されようとしている。HPTN084と呼ばれるこの試験はボツワナ、マラウイ、スワジランド、南アフリカ、ジンバブエでも実施され、抗レトロウイルス薬であるカボテグラビルを8週間に1度注射することでHIV感染のリスクのある女性を守ることができるかどうか調査する。
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(ケニア)グローバルファンドの資金と援助吸収能力の課題:アフリカからの声

【2017年9月5日、ナイロビ(ケニア)発】 
途上国の三大感染症対策に資金を攻究する国際機関、グローバルファンド(世界エイズ・結核・マラリア対策基金)の資金で三大感染症多作案件を実施している国の一部においては、事務局および各国の両方に存在する能力不足によって、その資金が十分に活用されていない事態が続いており、結果としてグローバルファンドの資金によって提供されているサービスの適用範囲が狭くなり、また、プロジェクトの質の低下も招いている。続きを読む

(ケニア)グローバルファンドの案件を実施する4つの国際NGO、厳しい資金管理で優位性

【2017年8月8日、ナイロビ(ケニア)発】
途上国の三大感染症に資金を供給する国際機関、グローバルファンド(世界エイズ・結核・マラリア対策基金)における不正な資金管理などの防止・取締などの役割を果たしている総合監察官事務所Office of Inspector General(OIG)は4つの国際NGO(Catholic Relief Services、Population Services International、Save the Children、World Vision International)に対する資金の不正使用に関するレビューを行った。その結果、4団体すべてにおいて強力な不正使用防止対策が実施されていることが判明した。レビューの報告は7月21日付で公表された。続きを読む

(ケニア) グローバルファンドの資金の現場での不正使用などの通報を促す「私は告発する!」キャンペーンが第2フェーズに移行

【2017年6月27日、ナイロビ(ケニア)発】
途上国の三大感染症に資金を供給する国際機関、グローバルファンド(世界エイズ・結核・マラリア対策基金)の汚職防止キャンペーン「私は告発する!」が第2フェーズに突入しようとしている。本キャンペーンの目的は、グローバルファンドの資金によって運営されているプログラムにおいて資金使用団体や事務局が資金の不正使用や汚職、人権侵害を問題にすることを促進することにある。続きを読む

(ケニア)ケニア人弁護士が権利への戦いで先頭に立つ

【2017年5月23日 (ナイロビ)発】
7年前、アラン・マレーシュ氏 Maleche は、一流法律事務所の弁護士から、人権活動家に転身した。現在マレーシュ氏は、ケニア倫理・法律・問題ネットワーク(KELIN)の事務局長を務めている。KELINは1994年にケニアの法律家グループによって設立され、HIV/エイズとともに暮らす人びと、結核、性と生殖に関する健康、女性の土地の権利と相続権、主要な影響を受けた人びとの権利擁護を目的とした慈善団体である。KELINは、大統領や政府を相手に訴訟を起こし、HIV/エイズを含めた人権擁護のために奮闘している。彼は、ハーバード大学のフェローであり、世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバルファンド)の役員会メンバーでもある。
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おすすめ(AJF関係者の本)
AJF代表・林達雄著作。治療薬アクセス問題を患者の側から描き、真の国際協力とは何かを問う、HIV/AIDS関係者必読の一冊
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