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資金援助/ドナー関連

グローバルファンド理事会、危機に見舞われたグローバルファンド拠出非対象国への資金拠出に道を開く

【2018年5月12日ジュネーブ(スイス)発】途上国の三大感染症対策に資金を拠出する国際機関、グローバルファンド(世界エイズ・結核・マラリア対策基金)は、5月に開催された第39回理事会において、現在、国民の保健において大きな危機に見舞われdddているベネズエラ・ボリバル共和国や、今後保健上の危機に見舞われる可能性のある、旧来の基準ではグローバルファンドの支援対象外となっている非高所得国に対して、三大感染症による影響を受けそうな事態について例外的に支援を行うことを考慮すべきだと決定した。理事会は、こうした場合に支援する判断基準に当てはまりそうな「投資例」、および供給方法の報告を要求した。報告書は、支援非対象国の健康危機に由来する、三大疾病に対する負の影響が、周辺の対象国への悪影響を及ぼしうる場合、迅速かつ適切な時期に支援を行うことで、将来的なコストや公衆衛生危機を減らし、三大疾病対策の進捗を守ることになるだろうとしている。ただ、追加資金がない場合には、グローバルファンド内の援助能力は制限されることになる。

資金援助は基本12ヶ月限定、また2017〜2019年の緊急支援用資金2億ドルという枠を超えないようにすべきだとした。なお高所得国や経済協力開発機構(OECD)の開発援助委員会(DAC)のメンバー国は引き続き除外される。また「危機」の基準として、国連機関などからなる緊急人道支援に関する機関間常設委員会(IASC)の危機レベル3、または世界保健機関(WHO)のグレード2か3と評価された場合とした。また市民団体などと世界保健機関の合同外部評価組織などからの評価も参考にする。グローバルファンド、あるいは市民団体などの技術パートナーと共に対象国の疫学的状況、経済的状況、潜在的な計画実効性などを調査するとした。特別支援を提供するために、グローバルファンドは適切な計画実行の仕組みが責任を持って届けられ、その国の危機へきちんと効果があるか、また現存する資金内で戦略的・経済的・機能的コストをまかなえるかを検討しなくてはならない。

特別支援の場合、危機の独自性や、過去に提携した団体が存在する可能性の低さ、そして緊急性などから、従来の資金提供の手順を踏むことは難しいだろうとされる。特有の政治情勢や危機状況、例えば自国政府が三大感染症を認知していないような場合、市民社会組織CSOや非政府組織NGOなどを主要な資金ルートとして考慮する予定だ。その他、組織の運営・監視能力や、グローバルファンドが対象としている範囲内での活動かなど、考慮するべき6項目が挙げられた。個別のケースは委員会へあげられ、要望や時期に基づいて、現存の支援への影響を含む資金源や妥協案などを詳しく検討されることとなる。

◆失望の表明
報告書は、事務局が未だにベネズエラの件に対して結論を出していないことに明白な失望を表明している。事務局は、委員会が支援非対象国の危機に対してどこまでを支援の範囲とするかなど含む明瞭な判断や指示なしでは、資金を団体に託しても何も結果が出ないなどという状況に陥りかねないとしている。

また事務局は、危機発生国への対応と、疾病の高まん延国などを対象とした質の高い資金未拠出案件との間で、非常に難しい資金調節が求められるだろう。さらに、緊急支援基金では、ほぼ確実に特別支援の必要額には足りないと試算されている。このような事実を鑑みるに、危機国への対応をすることで、本来の支援対象国への使用される資金へ影響を及ぼすだろうと考えられる。この取り組みに対する前向きな決断は、内部調節を承認する委員会側の意欲を引き出すきっかけとなるだろうとしている。また関係者は、この取り組みの承認は、例外的な資金提供への前向きな決断につながるだろうと期待している。事務局は委員会に、特に従来とは違う計画実行の手配、支援非対象国への支援と質の高い資金未拠出案件との調節などに対して、どのように選択するべきかを投票前に熟慮するように要請した。

●原題: Global Fund Board Gives the Secretariat the Green Light to Prepare Proposals for Investing in Non-Eligible Countries in Crisis
●出典:Aidspan
●日付:12 May 2018
●URL: http://www.aidspan.org/node/4614

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GAVIワクチン・アライアンスとグローバルファンド、インパクトと効率性のために協力
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【2018年6月11日】途上国のワクチン接種プログラムに資金援助を行う国際機関であるGAVIワクチン・アライアンス(以下GAVI、旧:ワクチンと予防接種のための世界同盟GAVI, the Vaccine Alliance)と、三大感染症対策に資金を供給する国際機関であるグローバルファンドは、長年にわたりプログラムレベルで協力してきた。GAVIとグローバルファンドは、保健分野の資金を支援する世界最大規模の機構である。両者は合わせて年間50億ドルを疫病対策のために提供している。グローバルファンドはGAVIよりも多くの国をドナー対象としているが(グローバルファンド:109カ国、GAVI:56カ国)、アフリカの対象国はGAVIと重複している国が多い。そこで、プログラムのインパクトと効率性を高めるべく、GAVIとグローバルファンドは、協力可能な5つの領域を特定した。うち4つ(以下1〜4)はプログラム関連で、1つは運営(5)に関連する。

(1)材料および装置/データ
(2)リスク/監査
(3)保健システム
(4)持続可能性/保健分野の資金提供
(5)本部オペレーション

プログラムの協力(1〜4)には、(1)知識、情報と得られた教訓の共有、(2)グローバルと国レベルでの政策による権利擁護を連携、(3)プログラム関連の方針を提携、(4)共同投資、の4つの領域が含まれる。知識、情報と得られた教訓の共有について、GAVIとグローバルファンドはお互いの年次ミーティングに出席するなどして、定期的に情報、最良の方法と専門知識を共有している。政策の優先順位に関して、GAVIとグローバルファンドは似通っている。両者は、持続可能性を掲げつつ、政治課題の中でも保健分野の優先順位が高くあるよう、国際会談が進行するよう尽力する。G7とG20サミットで世界的な健康問題が議題となるよう働きかけている。

GAVIとグローバルファンドは、プログラム方針を提携できる機会を模索するよう心がけ、提携を通して取引コストを低減、互いの働きかけを強化、最も理想的な方略を実施しているか確認している。近年、GAVIとグローバルファンドは国レベルの取り組みと投資の連携をさらに推進し、提携して、国境なき医師団が使っている患者登録リポジトリ(電子データ貯蔵庫)である「DHS2」を含むデータシステムの強化に努めている。さらに、2018年3月にグローバルファンド事務局が、ジュネーブ郊外にある「グローバル・ヘルス・キャンパス」という建物に移転した。6月末にはGAVIも同じ建物に移転し、物理的にも近くなったことから、協力関係のさらなる強化が期待される。

原題:Gavi and the Global Fund: Collaborating for impact and efficiency
出典:aidspan
日付:2018/06/11
URL:http://www.aidspan.org/node/4635

ネパールのグローバルファンド案件、セーブ・ザ・チルドレンが受注

【2018年4月24日ジュネーブ(スイス)発】グローバルファンド(世界エイズ・結核・マラリア対策基金)理事会に対する、ネパールからのHIV、結核、マラリア対策への資金要請は、同資金の主要受領団体 Principal Recipient (PR) を国際NGOであるセーブ・ザ・チルドレンに拠出する、という方向で、案件承認委員会 Grant Approval Committeeと技術審査パネルTechnical Review Panel から承認された。

ネパールは世界で最も貧しい国の一つで、国民の1/3が貧困ライン以下の生活をしている。ネパールの南部地域、インドとの国境周辺でマラリアが流行しており、炭鉱、森林労働者などの移動労働者が特にハイリスクで、感染者のおよそ半分を占めている。しかしネパールはマラリアの根絶に力を入れており、2026年までにマラリアをなくすという目標を掲げている。

結核は10万人中約150人の罹患率で治療はその76%、治療成功率は92%である。今回の支援では、グローバルファンドは特に鍵となる人口集団である囚人やスラム街の住民などに介入するよう要請した。

HIVの流行はいわゆる「鍵となる人口集団」Key populations に集中しており、2016年には薬物使用者で8.5%、男性とセックスをする男性(MSM)やトランスジェンダーで8.2%などとなっている。しかし、いわゆる「低リスク」と言われている一般女性の夫からの感染、また移動労働者などの新規感染数は減少している。

ネパールは2017〜2019年分としてグローバルファンドからマラリア、結核、HIV対策費として合計で4230万ドルの支援を得ており、受け取り先はセーブ・ザ・チルドレンとなっている。またネパールは、それぞれの疾病に対する優先的資金手当の要望として合計2290万ドルを申請した。技術審査パネルはHIVには満額、結核とマラリアには8割程度の支援額が妥当だとみなした。

◆特筆すべき強み
3つの資金要請を検討したところ、全て技術的に堅実で、それぞれ戦略的に考えられていた。
マラリアは、鍵となる人口集団である移民や難民、ヒンズー教の月経中や産後の女性に焦点を当てており、マラリアをなくすための基礎となる準備に必要なものである。結核は、疫学を基礎とし地理的に結核が流行している地域に焦点を当てており、国家計画にもきちんと沿っている。HIVも国家計画や健康セクターの計画に沿っており、また母子感染の根絶のための抗レトロウイルス薬の国内供給の増加や、移動労働者など鍵となる人口集団への対策など、疫学的に必要とされているところへきちんと対応できている。

◆問題と行動
技術審査パネルは、資金が拠出されるまでに解決されるべき問題点をあげた。
HIV、結核、マラリア共通の問題として、経済状況が不安定な中で国内投資をいかに確保するかが挙げられ、特にマラリアに関しては、効率的・効果的・公平な健康ケアシステムをいかに強化するか、長期的な公共経済管理システム計画を作成するよう推奨した。
また効率を上げるため、三大感染症の対策助成金でいかに相乗効果を狙えるかを検討するよう、研修や技術支援などで継続的に技術移転が行われるよう要請した。
それぞれに特化した問題としては、マラリアは移動労働者へ対策としてインドと政治的にいかに協力するかという点、またジェンダー的な視点、つまりセックスワーカーなど女性の移動労働者への対策が欠如している点が指摘された。結核は、検査から治療、治療成功率に至る治療の流れにおける推測データが不十分だと指摘された。HIVは、国家計画には鍵となる人口集団として記されている女性のセックスワーカーに対する対策の欠如が指摘された。

◆「マッチングファンド」
技術審査パネルはすべての活動において、例えば医療従事者を対象に差別や偏見をなくす研修をするなど、人権の面における障害を排除するよう要請した。そのためにグローバルファンドは、拠出額と同額を政府側からも出すよう要請するものであり「マッチングファンド」と呼ばれる方法で130万ドルの拠出を予定している。

◆資金状況、共同出資と持続性
保健省は今回、国内予算額を大幅に増やし、グローバルファンドなど外部組織からの拠出金を減らしつつも、合計予算を増額することに成功した。次の予算期間までに三大感染症それぞれにおいて今までの2〜3倍となるような大幅な投資の増額が求められている。特に結核やHIVにおいては初期治療薬の予算を全てカバーするよう確約している。
またグローバルファンドと保健省は、鍵となる人口集団への対策の継続を目的にNGOなどからの資金提供を仰げるよう協力している。

●原題: Nepal’s Funding Requests to the Global Fund Yield Three Grants to be Managed by an International NGO
●出典:Aidspan
●日付:24 Apr 2018
●URL: http://www.aidspan.org/gfo_article/nepal’s-funding-requests-global-fund-yield-three-grants-be-managed-international-ngo

(東ヨーロッパ・中央アジア地域)グローバルファンドからの資金移行 東欧地域の進捗状況

【2018年4月3日】東ヨーロッパ・中央アジア地域 Eastern Europe and Central Asia (EECA)の多くの国々は、ラテンアメリカ・カリブ海地域と同様に、エイズ・結核・マラリア対策について、グローバルファンドの資金による実施から、自国の資金による実施への移行プロセスを進めている。グローバルファンドはこれらの国々に「移行準備資金」を提供しているが、これについても、脱却しなければならない時期に差し掛かっている。本記事では、東欧・中央アジア諸国におけるHIV、結核、マラリアの移行準備状況の概況について説明したい。

持続可能性・移行・共同資金拠出政策 Sustainability, Transition and Co-Financing Policy

2016年4月、グローバルファンドの理事会は、持続可能な三大感染症対策の実施に向けて、中所得国における三大感染症の対策費を外部資金から国内資金に移行させていくことを目的に「持続可能性・移行・協働資金拠出政策」Sustainability, Transition and Co-Financing Policy (以下、「STC政策」)を策定した。

これはグローバルファンドを長期的に持続させるとともに、各国にグローバルファンドからの自立のための移行を約束させるという政策である。STC政策は、疾病負荷や経済力に関わらず、すべての国は、国の対策、プログラム、グローバルファンドからの拠出金の使い方や実施について持続可能かどうかをよく考慮して計画を立てるべきであると述べている。また、疾病負荷が大きく、資金が不足している国についても、より多くの国内資金を保健分野に投資する必要性を強調している。グローバルファンドの「支援適格政策」Eligibility Policyでは、各国において、次期支払時期において「資金適格外」ineligibleになる案件について、「優先的な資金移行の必要性」priority transition needsがある場合には、「移行準備資金」を得られる、ということになっている。しかし、之には例外があり、以下の国の場合は移行準備資金を受け取ることができない。

・高所得国に分類される国
・G20のメンバーであり、上位中所得に移行しつつあり、重度の疾病負担ではない国
・経済協力開発機構Organization for Economic Cooperation and Development (OECD)の開発援助委員会Development Assistance Committee(DAC)のメンバーである国

STC政策においては、移行資金は、当該国の移行計画にふくまれている事業にのみ使い、移行資金の期間内に、現在グローバルファンドの資金で行われているすべての事業を自国資金で賄うことを達成しなければならないとされている。

本記事では、移行の概要説明のために、以下の分類を用いている。

・移行準備資金政策が採用された時点ですでに不適格であったため資金を受け取れなかった事例
・2017年から2019年の資金受け取り期間において、移行準備資金を受け取れた事例
・2025年までにグローバルファンドのサポートから離脱することが予定されている事例
・移行準備を始めた事例
・長期の移行に向けてまだ一定の時間がある事例

移行準備資金政策が採用された時点ですでに不適格であったため資金を受け取れなかった事例としては、2015年の段階で以下のケースがある。

―ブルガリアHIV対策
ブルガリアのグローバルファンドからの拠出によるHIV/AIDS対策費の最後のものは、以前、グローバルファンドの案件が「案件募集」ベースで行われていた時期のもので、2015年12月31日に終了する予定であったものである。対策の鍵となる人口層 key populations のためのHIV対策を支援するために資金拠出は延長され、2017年の9月に終了した。2016年、2017年についても、「NGOルール」(特定の政治的条件下において、NGOが対策の鍵となる人口層向けに対策を行う場合にのみグローバルファンドへの資金申請を認める枠組み)の下で資金を受け取れる可能性はあったが、結局、ブルガリアは、「NGOルール」の適用によって資金を提供しなければならないような厳しい政治的障壁がなかったため、結局、対象外となった。同様の事例としては、ボスニア・ヘルツェゴビナのエイズ・結核案件、マケドニアのエイズ・結核案件などがある。

2017年から2019年の支払い期間内に、移行準備資金を受け取れた事例について、以下の案件は、2014年から16年の支払い期間が、通常の案件として資金が受け取れる最後の期間となる。そのため、「移行資金」については、17-19年の支払い期間に受領できる。
―アルバニアHIV対策
2015年に通常の案件を受給する資格がなくなったため、2017年から2019年の支払い期間において、移行準備資金として110万ドルの支援を受けることになった。同様のケースとしては、アルバニアの結核案件、トルクメニスタンの結核案件などがある。

2025年までにグローバルファンドのサポートから離脱することになっている事例としては、以下のものがある。これは、対象国の一人当たり国民所得に基づく分類が変化したり(つまり、低所得国から中所得国に上昇したり)、疾病負荷のカテゴリーが変化したことによるものである。
―コソボHIVと結核対策
HIV、結核ともに、コソボが上位中所得国になると予想されるため、2020から2022年の支払い期間の間に応募対象外となる見込みである。そのため、移行準備資金については、2023年から2025年に受け取れる。

移行計画が始まった事例であるが、グローバルファンドは、資金拠出対象となっている上位中所得国および下位中所得国で、疾病負荷が低いかもしくは中程度である場合、現在の支払い期間(2017-19年)中に移行計画を作るように要求している。東欧・中央アジア地域としては、アゼルバイジャン、ベラルーシ、グルジア、モンテネグロ、セルビア、ルーマニアの6つの国がここに分類される。一方、移行に向けて長期的な計画の対象になりつつある事例としては、キルギスタン、モルドバ、タジキスタンなどの下位中所得国が挙げられる。

一度資金拠出対象外になったが、対象内に戻った事例としては、カザフスタン、モンテネグロ、セルビアのHIVのケースがある。これらはHIVの疾病負荷が「高レベル」に分類しなおされたので、対象内となった。

原題:EECA is One of Two Regions Where Transition Planning is Most Advanced
出典:aidspan
日付:2018/04/03
URL: http://www.aidspan.org/node/4577

(アフリカ、アジア含む23カ国)23カ国で調査 HIV対策の資金はどのように割り当てられるべきか

【2018年4月13日】国際保健に関する目標を達成するためには、活用できる資金が限られていることに鑑みれば、保健医療に投入する資金を確保し、優先順位をつけて投入することが必要である。この文脈において、各国は最大限の効果を得るためのHIV資金割当ての重要性を認識している。過去6年以上、アフリカ、アジア、東ヨーロッパ、ラテンアメリカの23カ国では、HIVリソース配分の妥当性を評価するために「オプティマ HIVツール」Optima HIV Toolを使用している。

方法
いくつかの研究が、「オプティマHIVツール」を用いて資金配分の効率に関する研究を進めていくうえでの各国の技術協力要請により開始された。研究チームは必要なデータを検証し、HIV流行予測を行うために「オプティマ HIVモデル」を調整し、調査のためのコストへの介入に同意し、国の戦略計画を実行する際に適切な資金配分を計算するためにモデルを使用した。これら23カ国での研究のレビューと分析から、様々な疫学的背景におけるHIV資金の最適な配分に関する共通のテーマを抽出した。

結果と考察
HIVへの資金投入の最適な配分は、活用できる資金額と、各国の流行、対応の在り方などの性質に依存している。モデリングの結果は、治療のカバー率を拡大することが、資金の投入において効果的であることを示している。HIV陽性率が高値の人口集団、地域におけるHIV対策の目標によって効果的な進歩が見込まれる。モデリングの結果は、HIV対策資金の効果的な配分によって、新規HIV感染の累積数を2020年までに平均18%、2030年までに25%減少させ、両者のタイムラインで死亡率を約25%減少させることができるを示している。しかし、これはほとんどの国における戦略計画の目標達成には十分ではなく、予算を185%まで増加させることが必要であることを示している。

まとめ
現在ある資金を適切に配分することを通じて、より大きな疫学的影響を与えることは可能であろう。しかし資金を増額することが目標達成のために必要である。配分効率モデルはHIV計画と資金プロセスの改良に有用であることが証明された。

原題:How Should HIV Resources be Allocated? Lessons Learnt From Applying Optima HIV in 23 Countries
出典 Journal of the International AIDS Society
日付:2018年4月13日
URL: https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/jia2.25097

(スイス)グローバルファンド、ハイネケンとの連携を停止

【2018年3月29日】3月29日、グローバルファンドは、大手ビール会社ハイネケンのキャンペーンガールに対する性的虐待や健康被害を理由に、連携を停止ことを発表した。この発表の約1週間前、オランダ人ジャーナリストのオリヴィエ・ファン=ベーメン氏Olivier van Beemenの取材により、「ハイネケンはキャンペーンガールを宣伝に起用してアフリカの10カ国でビールを販売しており、彼女らは仕事場で望まない親密な関係を迫られたり、虐待や売春行為の被害に遭っていたりしている」という記事が、オランダの新聞「NRC」のウェブサイトに掲載された。グローバルファンドのハイネケンとの関係の停止決定はこれをベースにしたものである。

一方、ハイネケンのキャンペーンガールに対する待遇が問題視されたのは、今回が初めてではない。2007年、ハイネケンは100以上の国で15,000人ものキャンペーンガールを起用していた。ある調査報告では、70のビール宣伝のマーケットにおける、キャンペーンガールの性的虐待、十分な賃金が支払われていないこと、飲酒や露出の多いユニフォーム着用の強制が浮き彫りとなった。しかも、キャンペーンガールの扱いに関する問題は以前より問題視されていたが、ハイネケンはこれまで労働環境の改善を怠ってきた。

<周囲の反応>
ハイネケンとの連携に関するグローバルファンドの対応に対しては、厳しい批判がいくつか挙がっている。2018年1月、グローバルファンドとハイネケンは、ともに感染症と闘うための連携を発表した。グローバルファンドは、公衆保健運動の活動家たちの多くから、アルコールという人々の健康を害する製品から利益を得ている会社との連携に対して非難を受けていた。

グローバルファンドのハイネケンとの連携について、グローバルファンドに抗議文を提出した3つのNGOの一つで、アルコールや薬物の害を減らすための運動をしている「よきテンプル騎士団主義者の国際機構」IOGT International (International Organization of Good Templars)のクリスティーナ・スパーコヴァ氏 Kristina Sperkovaは、今回の発表について、「停止では関係の解消を意味しない」と述べている。スパーコヴァ氏はさらに、この事態は、グローバルファンドがアルコール業界で大企業のハイネケンとの連携を結ぶにあたり、十分な調査を行っていなかった失態を表している、とも指摘した。グローバルファンドは、エビデンスに基づいたHIV・エイズ、結核とマラリア対策を理念として掲げているが、今回の事態やその対処の方法について、疑念は解消されていない。

●原題:Global Fund suspends partnership with Heineken
●出典:Aidspan
●日付:2018/03/29
●URL:http://www.aidspan.org/gfo_article/global-fund-suspends-partnership-heineken-0

ザンビアによる結核とHIV対策への資金要請は野心的な目標を持ち、国家計画と戦略に上手く照準を合わせている

【2018年1月9日】グローバルファンド(世界エイズ・結核・マラリア対策基金)が資金を拠出する、南部アフリカの内陸国、ザンビアの結核/HIV予算を含む保健事業案件が、グローバルファンドの理事会によって承認され、その合計は1億9,400万ドルとなった。この記事では、グローバルファンドの案件審査に当たる独立機関である技術評価パネル(TRP)と案件承認委員会(GAC)の、本資金申請に対するコメントを報告する。続きを読む

グローバルファンド資金動員〜第5回増資会議の教訓を踏まえて

【2017年12月12日 ジュネーブ発】
現在の世界情勢は国際保健や開発に対する資金動員を促すものではない、という陳述が、2017年11月の世界エイズ・結核・マラリア対策基金(世界基金、以下グローバルファンド)the Global Fund役員会議の近況報告より出された。報告では、第5回会議の教訓や第6回に向けての案などを含んだ、資源動員活動計画を取り上げている。

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米国政府がマイクロビサイド研究への資金拠出を大きく削減する可能性

【2017年11月23日発】国連合同エイズ計画(UNAIDS)の2015年統計によると、あなたが今晩寝るまでに、10〜24歳の女性1000人以上がHIVに感染する。このような若い女性たちや HIV感染のリスクが高い男性とセックスする男性 men who have sex with men(MSM)、セックス・ワーカーの人全てに適するHIV予防方法はない。続きを読む

米国両院予算委員会、グローバルヘルスへの資金拠出額の維持を承認

【2017年10月3日】米国の連邦上下両院の予算委員会は、米国の2018年度のグローバル・ヘルス・プログラムへの予算を前年度と同じレベルで提出した。これにより、予算委員会はトランプ大統領President Donald Trumpが提出した、途上国のエイズ・結核・マラリア対策に資金を供給するメカニズムである「グローバルファンド」(世界エイズ・結核・マラリア対策基金)への2億2500万ドル減、および米大統領エイズ救済緊急計画PEPFARへの10億ドル減を含む25億ドルの減額する予算案を無視したことになる。米国の会計年度は2017年10月1日から2018年9月30日までである。続きを読む

パナマのエイズNGOセクターはグローバルファンドが撤退したら生き残れない:報告書で明らかに

【2017年10月3日】中米・パナマのエイズに取り組んでいる市民団体 Civil Society Organizations (CSO)は、途上国の三大感染症対策に資金を供給する国際機関であるグローバルファンド(世界エイズ・結核・マラリア対策基金)が同国のプロジェクトへの資金拠出をやめたら財政面で生き残ることができず、国家エイズプログラムへの全面的な協力は難しくなることが資金移行準備状況調査報告書 Transition Readiness Assessment Report (TRA) で明らかになった。しかしながら、報告書ではCSOの強化を求めている。

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