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ナイジェリア

(ナイジェリア)UNAIDS報告-推定940万人がHIV陽性者であることに気づいていない

【2018年11月23日ナイジェリア発】国連合同エイズ計画 UNAIDSが発行した 『知識は力 Knowledge is Power 』という新しい報告書によると、世界のHIV陽性者のうち940万人が、自身がHIVに感染していることに気づいていないという。一方、陽性者の75%にあたる2700万人は自身がHIVに感染していることを認知しているとされる。報告は、現在HIV陽性に気づいていない940万人や、ウイルス量が検出限界以下まで制御しきれていない1940万人への対策強化を呼びかけた。

UNAIDSによる新たな報告書は、HIV検査や治療を強化することで、より多くのHIV陽性者へ到達できると示している。

健康を保ち、他者への感染を予防するには、継続的な抗レトロウイルス治療で、HIVを検出限界以下に持ち込むか、非常に低い水準まで抑え込む必要がある。UNAIDSのミシェル・ シディベ事務局長 Michel Sidibe によると、ウイルス量を効率的に管理するためには、12ヶ月ごとにウイルス量検査をする必要があるという。ウイルス量検査は、HIV治療の経過観察の最適の方法であり、治療が効果的であることや、ウイルスをしっかり制御し人々を健康的に生き永らえさせているということを示すものであるという。

ウイルス量検査の普及度合いは地域差が大きく、ある地域ではウイルス量検査がHIV治療に標準的に組み込まれていて簡単に受けることができるが、別の地域では国内にウイルス量検査機械が1つしかないということもあるという。シディベ事務局長は、「HIV検査とウイルス量検査は、ロンドンでも、アフリカ南東部マラウイ共和国の首都、最貧国の一つであるリロングウェでも、全てのHIV陽性者が例外なく同じようにアクセスできるべきである」と強調した。

また同報告書は、HIV検査への最大の障害は、差別と偏見であると示した。女性・男性・若者や鍵となる人口集団 key populationに関する研究によると、HIV関連の医療サービスを利用しているところを見られることに対する恐れや、陽性だった場合、家族や友達、性的パートナーや地域の人々に知れ渡ることに対する恐怖が、検査を含めたHIV関連サービス利用の妨げとなっているという。

UNAIDS は、HIV検査は基本的人権のひとつであるとしており、国連のHIV/AIDS 関連機関は世界に対し、HIV検査に対する障害をなくすよう呼びかけている。障害をなくすとは、HIV関する差別や偏見をなくすこと、HIV検査や治療の匿名性を確保すること、一番必要としている人たちへ届けるためHIV検査戦略を最大限に展開すること、などが含まれる。また、別の医療サービスとの連携することや、HIV検査や治療を妨害する法的障害をなくすこと、低・中所得国へウイルス量検査を普及させること、新生児に対するHIV早期診断を徹底することなども挙げられる。

上記の方法を実践することで、HIV陽性者やHIVに影響を受けている人々が、必要としている命を救う医療サービス(=HIV関連サービス)を利用できることを保証し、大いに推進することができると明らかにした。

原題: Nigeria: 9.4 Million People Living With HIV Unaware - UNAIDS Report
出典:All Africa (PREMIUM TIMES)
日付:2018/11/23
URL: https://allafrica.com/stories/201811230135.html

(ナイジェリア)140万人のこどもの新規HIV感染を回避

【2018年8月14日 カドゥナ(ナイジェリア)発】西アフリカに位置するナイジェリアの北西地域 North Westに属するカドゥナ州における母子感染予防サポート Prevention of Mother to Child Transmission:PMTCT と思春期・若年成年サポート Adolescents and Young Persons:AYP に関する記者会見で、国連児童基金(ユニセフ)のカドゥナ事務所でHIV/AIDSスペシャリストを務めるイドリス・ババ博士 Dr. Idris Baba は、「15歳以下の子どもにおいて、2010年から140万人の新規HIV感染が回避されるという、きわめて大きな進歩が実現した」と述べた。

ババ博士は続けて、「HIV陽性の妊婦の80%がいまや効果的な治療を受けており、結果として子どものHIV新規感染数は、2010年270,000人から2017年180,000人に減少した。また、抗レトロウイルス治療 Anti-Retro Viral Therapy:ART を受けている子どもの割合は2010年22%から2017年52%と約2倍となっているが、残念なことにまだ多くの女性、子ども、若者には届いてない。しかし、思春期女性は3分間に1人がHIVに新規感染しており、また、2017年には全世界で15歳以下の子ども18万人がHIVに感染したが、その91%がサハラ以南アフリカ地域での感染である。2017年、世界全体の10〜19歳の青年の中で、推定180万人がHIV陽性者といわれており、HIV感染のリスクにさらされた乳児のうち半数しか推奨された期間にHIV検査を受けられていない。世界には、19歳以下のHIV陽性者が300万人いるが、そのうち、15歳以下のHIV陽性者の半分しか抗レトロウイルス薬にアクセスできていない」と述べた。

ババ博士は、「ナイジェリアにおける若者の間での流行の要因として、社会・経済的、伝統的、宗教的、文化的なファクターなどがある。0歳から19歳までの世界の子どもの人口は25億人にまで増加するといわれているが、それと相まって、AIDSに起因する思春期の死亡者数が確実に増加することから、予防のための投資を倍額にし、思春期および成人したばかりの若者のHIV対策のパートナーとともに、HIV対策に再度注力することが必要である」と述べた。

原題:1.4 Million New HIV Infections Averted Among Children in Nigeria
出典 :DAILY TRUST
日付:2018年8月14日
URL: https://www.dailytrust.com.ng/1-4m-new-hiv-infections-averted-among-children-in-nigeria-265636.html

(ナイジェリア)HIV/AIDS対策、政府から州管理へ

【2018年5月24日ウムアヒア(ナイジェリア)発】西アフリカのナイジェリア連邦共和国政府は、来年にもHIV/AIDS対策の管理を州へ委託する可能性を示唆した。同年5月23日、南東部に位置するアビア州の州都ウムアヒアで開催された「妊産婦・新生児・子どもの健康フォーラム」における政策提言会議が開催された。アビア州のエイズ管理/エイズプログラムのコーディネーターであるロック・ヘムカ博士 Dr. Rock Hemuka は、「2030年までに全てのナイジェリア人がHIV試験キットを持てるようにし、HIV陽性の人々は抗レトロウイルス治療薬(Anti-Retro Viral Drug : ARVs)を入手出来るようにする」と発表した。また、州への介入と指導によりアビア州のHIV感染率を昨年の3.9%から3.3%へ引き下げることを発表した。これは2012年の世界の平均感染率3.0%に迫る数字である。

当会議は、州知事の妻であるケチ・イクピーズ氏 Nkechi Ikpeazu によって設立された非政府組織である「牧師の希望財団 the Vicar Hope Foundation 」によって開催され、「アイシャ・ブハリ財団 Aisha Buhari Foundation 」、国家エイズ戦略委員会(National Agency for the Control of AIDS : NACA)、世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバルファンド)委員会 the Global Fund Board、州のエイズ管理局との共催で行われた。

イクピーズ氏は、「アビア州は会議のプラットフォームを主催していることに胸を踊らせ、『母子・新生児の健康におけるHIVもしくはエイズの母子感染を統合的に予防するための積極的な協働活動』を託されている」と述べた。また、ムハンマドゥ・ブハリ現大統領の妻であるアイーシャ・ブハリ氏が設立した「アイーシャ・ブハリ財団」代表のテシー・マイナ氏 Mrs. Tessy Maina は小児関連疾患の終息に向けて尽力することを表明した。さらに州のエイズ管理局長であるアジク・カルー博士 Dr. Ajike Kalu は、「子どもの新規感染の大部分は母子感染から成る。もし治療をしなければ、HIVの母子感染は15%から45%へと増加していた可能性がある」こう述べる。

国民議会代議員保健委員長のブレッシング・ンワグバ博士 Dr. Blessing Nwagba はHIV
やエイズの予防・管理に対する政府や関連機関、関連団体の様々な取り組みを称賛した。エイズとの闘いは彼女の「未来のためのプログラム Future Assured Programme」を通じて促進され、より良い生殖・母体・新生児・青少年の健康と栄養(Reproductive Maternal Newborn Child, Adolescent Health and Nutrition RMNCAH+N)をもたらす。

原題:Nigeria: Govt to Hands-Off HIV/Aids Control to States
出典:The Guardian (Nigeria)
日付:2018/5/24
URL:http://allafrica.com/stories/201805240057.html

(ナイジェリア)ラゴスにおける67,763人のHIV陽性者の治療ケア 世界初のグローバルファンド資金受入責任機関となった地方行政の成果

【2018年5月5日】ナイジェリアのラゴス州は、HIV陽性者で治療を受けている人が、昨年の6万4千人に対して、今年5月4日には6万7,763人となったと発表した。州の保健局長であるジャイド・イドリス医師 Dr. Jide Idrisは、現在展開中のラゴス州における事業報告書において、州のマラリア・HIV・結核プログラムは成果をあげていると発表した。

イドリス医師は、抗マラリア経口薬を6万4千回分、また抗マラリア経口薬に耐性を持ったマラリア原虫に対しても有効であるアルテスネイト注射を1万本、州全体に配布したと報告した。

さらに、その成果について以下のように述べている。

「このプログラムは州内の6万7863人のHIV陽性者に対して実施されており、そのうち1,989人は、2017年12月にグローバルファンド(世界エイズ・結核・マラリア対策基金)Global Fundの支援を受けた3つの行政区(イコロドゥIkorodu、オショディ−イソロOshodi-Isoro、エペEpe)の住民だ。今回の成果で、この州へのグローバルファンドによるHIV征圧プログラムが18か月の延長期間を得ることができた。さらに、このプログラムによって、112万5,939人に対してカウンセリングやHIV検査、およびその結果を提供することができた。現在ラゴス州は、「サービス提供者主導の検査・カウンセリング」(Provider-Initiated Testing and Counselling:PITC)、および妊娠中の女性に対してオプションBプラス(Option B+*)への拡大と、州が管轄する一次から三次医療施設において検査やプログラムを開始している」

イドリス医師はさらに、ラゴス州は抗ウイルス治療(Anti-Retro Viral Therapy:ART)が可能な医療機関が44か所から65か所に拡大したこと、さらに、母子感染予防プログラム(Prevention of Mother to Child Transmission:PMTCT)が展開されている施設において、提供するサービスをオプションBからオプションBプラスにグレードアップすることで、プログラムの質を10%改善したと述べた。
イドリス医師によると、ラゴス州政府は2017年に地方行政としては世界で初めて、グローバルファンドの資金受入責任機関(Principal Recipient:PR)となり、HIV予防・治療・ケアやサポートなど包括的なプログラムを、前述の3つの行政区にある70の医療施設において展開しているという。この資金の目的は、第一に、HIVの新規感染者を減らし、HIV感染者やその影響を受ける人々の生活の質を改善し、1万337人のHIV感染者(People living with HIV:PLWHIV、うち3,876人が子供)に資金をあてることだ。

そして第二に、これら3つの行政区において、2017年までに質の高い結核・HIVに対する予防・診断・治療サービスを提供すること、そして2020年までに必要な人へのARTの適用が少なくとも80%まで引き上げることを指標とした、HIV蔓延のコントロールである。
* Option B+:新たに簡素化された抗レトロウイルス薬の治療法

原題:Nigeria: 67, 763 HIV Positive Persons on Treatment Care in Lagos
出典:Leadership (Abuja)
日付:2018/5/5
URL: http://allafrica.com/stories/201805050111.html

(ナイジェリア)15%の若者が15歳までに初めての性交渉を経験している

【2018年2月13日 (アブジャ)発】
国家エイズ戦略委員会(National Agency for the control of AIDS:NACA)の長官であるサニ・アリユ氏Sani Aliyuによると、ナイジェリアの少なくとも15%の若者が15歳までに初めての性交渉を経験しており、コンドームなしの性行為や複数のパートナーを持つ若者が増えていると危惧した。また、若者の間ではHIV検査の受診率も低く、17%の若者のみがHIV陽性者か否かを知っている。これを受けて2月14日のバレンタインデーに先立って、若者へ「HIVではなく愛を共有しよう」というスローガンが掲げられた。バレンタインの時期は特に若者がお互いの愛を表現しようと、コンドームなしの性行為がおこなわれ、無計画な妊娠やHIV/AIDSを含む性感染症(Sexually Transmitted Infections: STIs)に感染する危険がある。
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グローバルファンドによるナイジェリアのマラリア対策プログラム支援に暗雲 「持続性に懸念」と警告

【2018年1月9日】
2017年12月13日、途上国の三大感染症対策に資金を供給する国際機関、グローバルファンドの意思決定機関である理事会Board は、ナイジェリアに対して4回目の資金拠出認可でのマラリア基金を認可した。しかし、それはこの国のマラリア対策プログラムについての資金に関する懸念が表面化する前の話であった。ナイジェリアはHIVや結核に関しても資金拠出が延長されている状況であるが、この記事では特にマラリアについて報告する。
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ナイジェリアにおけるHIV/AIDSとの闘い

【2017年12月20日 ラゴス(ナイジェリア)発】多くの国がHIV/AIDS対策の効果を出し始めている一方、西アフリカの大国ナイジェリアはHIV・AIDSとの闘いで厳しい状況が続いている。世界エイズデーである12月1日、ナイジェリアは南アフリカに次いで世界で2番目にHIV陽性の人が多い国となった。続きを読む

(ナイジェリア)持続可能なHIV・AIDS対策を目指して〜地域研究と医薬品の生産

【2017年11月29日 アブジャ(ナイジェリア)発】ナイジェリアのムハンマド・ブハリ大統領Muhammadu Buhariは地域研究とHIV/AIDSのために必要な医薬品の生産と地域研究と開発を強化していくと表明した。彼はナイジェリアでHIV/AIDS治療への海外からの援助や寄付が減少していることを懸念している。海外からの保健衛生に関する物資の調達は現在、十分ではないため、政府はグローバルスタンダードに見合った物資の製造を促進していくことをステークホルダーと協力している。また、HIV/AIDSを含む感染症に対して財政面での増額も必要不可欠であるため、2018年の予算は増加する予定である。しかしながらこれだけでは不十分であるため、政府は州政府や民間セクターに向けて協力を求めている。更に大統領は女性、青少年、乳幼児のHIVによる負担は未だナイジェリアの発展を妨げる要因となっていると伝えた。続きを読む

(ナイジェリア)青年期の女の子のHIV感染率上昇への警鐘

【2017年11月9日】西アフリカの人口大国ナイジェリアの首都アブジャを拠点に若年層のHIV問題に取り組むNGO、「セーフ・ラブ・インターナショナル」Safe Love Internationalは、新たにHIVに感染する若年女性が増えていることに懸念を示している。国連合同エイズ計画(UNAIDS)が公表した統計によると、青年期の男性よりも女性のほうがHIV陽性者が多く、HIV感染者の22%を占める。世界でHIV陽性者は3,500万人で、15歳から24歳までの若い女性の陽性者は300万人となっている。続きを読む

(ナイジェリア)HIV/AIDSの終結へ、宗教指導者が男性の参加を促す

【2017年9月14日 ジャリンゴ(ナイジェリア)発】 
アフリカ西部に位置する人口大国ナイジェリアの東部に位置するタラバ州 Tarabaにおける二大宗教の指導者たちは、HIV/AIDSの母子感染をなくすために、目下、男性の参加推奨のためのあらゆる手段を講じている。聖職者たちは、自分たちはこの流行を止める重要な役割であると信じ、宗教指導者という地位を有効利用して信者の妊婦たちに出産前ケアを受けるよう促している。続きを読む
おすすめ(AJF関係者の本)
AJF代表・林達雄著作。治療薬アクセス問題を患者の側から描き、真の国際協力とは何かを問う、HIV/AIDS関係者必読の一冊
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