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スーダン

★スーダン:ジュバで少女が性的搾取のリスクにさらされる

スーダン共和国のうち、南スーダン自治政府が統治する南部地域の首都ジュバ Jubaでは、少女たちに対する性的搾取が常態化している。地元のNGO、「紛争を抜け出た尊厳ある子どもたち」Confident Children Out of Conflict (CCC) のディレクター、キャシー・フルーネンダイクCathy Groenendijk は、この課題に取り組んでいる。CCCは、2年半前からジュバの貧しい子どもたちやストリート・チルドレンのためのドロップ・イン・センターを運営している。続きを読む

スーダン:ダルフール紛争下で続く性暴力への対応

民族間紛争が今なお続くスーダン西部のダルフールで、女性や少女に対する性暴力が深刻化している。
北ダルフール州の州都エル・ファーシェルで活動するあるNGO職員によれば、女性への性的虐待は非常に一般的になっており、実際、現地では女性たちの安全確保が最も深刻な課題となっているという。

国民難民高等弁務官事務所 UNHCR のルイーズ・アルボア氏(Louise Arbour )は、2007年4月のスーダン政府軍による攻撃時にレイプなどの性暴力が少なくとも15件あったことを受けて、性暴力に関する、より広域な実態調査の実施を呼びかけた。

ダルフールの女性や少女たちは、薪拾いや水汲みのために長距離を一人で出歩くことがあり、この時が最も狙われやすい。加害者は、たいがい制服を着た政府軍や警察、または地域の武装グループだという。しかし、NGOがこのような性暴力の実態を報告しても、政府は否定し続けるという。

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南スーダン: エイズに取り組むかつての反政府勢力

2005年1月、21年に及んだ長い内戦の後、北部地域に基盤をおくスーダン共和国バシール政権と、南部の解放運動勢力であるスーダン人民解放運動・軍 Sudan People's Liberation Movement/ Army: SPLM/Aの間で包括的和平合意 Comprehensive Peace Agreement が結ばれた。南部スーダンを統治するSPLAが率いる南スーダン自治政府(Government of Southern Sudan: GOSS) は、現在エイズ対策に注力をしている。米国ノースカロライナ州立大学に本拠を構えるNGO イントラヘルス・インターナショナル IntraHealth Internationalによれば、優先課題は、性暴力やアルコール依存によって、HIV感染のリスクが高まることについて意識を喚起していくことである。いまだ軍の中では、そうしたリスク行動が、HIV感染に関連があるという認識が低いため、大きな問題として捉えられている。

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南スーダン:HIV/AIDS対策を阻むスティグマ

南スーダンの北部、上ナイル州 Upper Nile Stateの州都マラカル MalakalでHIV/AIDsに取り組む医療関係者は、近年、国民のHIV/AIDSに対する無関心とスティグマによって大きな壁にぶちあたっている。

スーダン国内では、もともとHIVについての認知度は高くない。例えば、マラカル市内で母親の飲食店を手伝うレジーナ・ジョン Regina John (18)は、自宅からわずか100mのところに、政府が運営する自発的カウンセリング・検査(VCT)センターがあるという事実を全く知らなかったという。また、2005年に国連とスーダン・エイズ管理プログラムthe Sudanese National AIDS Control Programmeによって実施された調査では、スーダンの若者の90%以上がHIVの予防法やコンドームの存在について知らない事が分かったのである。その原因を、スーダンでHIV予防医学において有名なオヌアール・オバトゥール医師Dr.Onuar Obathurは次のように指摘している。「スーダンではHIV/AIDSに対するスティグマはとても強く、国民はHIV検査を受けることを拒んでいる。もし、HIV陽性であることが分かれば、その情報が一気に周囲に伝わり、そのコミュニティーで生きていくのが困難になると考えている。」

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スーダン:内戦終結後HIV/AIDS問題に直面している南部スーダン

南部スーダンは、80年代に入って開始された21年にわたる後期内戦(スーダン人民解放運動/人民解放軍とスーダン政府の内戦)で、最も基本的な社会サービスさえ破壊された。今その内戦から立ち直りつつあるなか、新たにHIV/AIDSのもたらす現実に直面している。HIV/AIDSに対する国民の認識は低く、予防やケアのシステムもほとんど存在していない。

南部スーダンでは、和平交渉が進むにつれ、コンゴ民主共和国、ケニア、ウガンダなどHIV感染率の高い近隣諸国との交易が急速に活発化し、HIV感染増加を危惧する声が拡がっている。南スーダンの首都ジュバに拠点を置くユニセフのHIV/AIDS担当官シェイラ・マンガン氏Sheila Manganは、国民の認識の低さが、爆発的なHIV感染拡大を招くのではないかと危惧している。「識字率の低い地域やラジオ・テレビなど情報伝達手段のない地域での情報頒布は非常に困難だ。誰も自分が感染するとは夢にも思っていない」。医療専門家らは、コンドームの入手すら困難なこの国で、今後予想される感染率の爆発的な増加に対応するには、あまりにも準備が不足していると懸念する。

2005年1月の内戦終結以降、世界保健機関(WHO)により数々の調査が行われてきた。ジュバの北西520キロに位置する町ルンベック Rumbek では驚くべき調査結果が得られた。同地では、HIV感染予防に関する知識を備えた成人は4%に満たず、さらに前回の性交渉においてコンドームを使用したと回答した人は2%に過ぎなかった。ウガンダとの国境から約100キロ離れたイェイYeiでは、HIV感染率は2.7%に上るにも関わらず、コンドーム使用経験があるのはわずか4人に1人であった。
南部スーダン政府は、ウガンダのいわゆるABC政策(Abstinence, Be-faithful, Condom:禁欲、貞操、コンドーム使用を推奨する予防キャンペーン)に注目しているが、禁欲とコンドーム使用のどちらに重きを置くかについては議論が分かれている。南部スーダンのジョングレイ州Jonglei Stateの保健大臣アゴット・アリエル・リーク博士 Agot Alier Leek は禁欲政策を支持する。「我々のコミュニティは20数年も内戦下におかれ、識字率も低い。コンドームという言葉を聞いたことすらない人がほとんどであり、コンドーム政策は時間がかかる」と博士は述べる。これに対し、ユニセフのマンガン氏は、「人々に全く知識がないのなら、コンドーム等の予防教育から始めるべきだ。禁欲は実際に実施するならば確実に感染予防にはつながるが、南部スーダンでは伝統として婚前交渉が一般化しており、文化的価値観を完全に変えるのは不可能だ」と主張する。

一方、感染予防とケアの取り組みが徐々に始まっている。2004年3月に初の自発的カウンセリング・検査(VCT)センターがジュバに開設され、これまでに1000人近い人々が検査を受け、うち216人がHIV陽性と診断された。世界保健機関は、ジュバ、ワウ Wau、マラカル Malakal の3ヶ所でARV治療を始めており、今後8ヶ所まで増やし、2006年12月までに200人の患者にARV治療を行うことを目標としている。さらに、コンゴ民主共和国とウガンダとの国境近くのヤンビオ Yambio、イェイ Yei、ムンドリ Mundriなど、感染率上昇の可能性の高い地域で、今後ARV治療の普及を目指していくという。国際NGO「国境なき医師団」(MSF)も、南東部の町カジョ・ケジ Kajo Keji で同様の活動を行っている。また、世界エイズ・結核・マラリア対策基金(GFATM)は、国連開発計画(UNDP)を通じて南部スーダンに2年間で880万ドルの資金援助を行うことを決定している。

原題:SUDAN: War-scarred south ill-equipped to deal with HIV/AIDS
日付:April 10, 2006
出典:IRIN Plus News
URL:
http://www.plusnews.org/AIDSreport.asp?ReportID=5853&SelectRegion=East_Africa&SelectCountry=SUDAN

スーダン: 青少年向けHIV/AIDSキャンペーンを開始

 2005年12月 スーダン国家エイズ管理プログラム SNAP : The Sudanese National AIDS Control Programme(SNAP)、ユニセフ、UNAIDSなどが共同で、子どもへのHIV/AIDSのインパクトに焦点を絞ったキャンペーンを開始した。

 現在、スーダンでは30万人もの25歳以下の若者がHIVに感染しているという。ユニセフのHIV/AIDS担当官のセベリン・レオナルディ Severine Leonardi は、「スーダンではHIVは全年齢層で感染拡大している。紛争が終結して平和復興に向かっている今、この問題に早急に対処しなければならない。」と話す。今後は女性と子どもを対象に治療薬を配布する計画もあるという。

 キャンペーンは、若者にHIV/AIDSとその感染予防方法を教えることを目的としている。SNAPやユニセフが今年初めに実施した調査によると、19歳から24歳のスーダンの若者の大部分は性体験があると回答したが、HIVの感染防止方法やコンドームを正しく理解してい
ると答えたのはそのうちの10%に満たなかった。同じ調査で、15歳から49歳の女性の75%が、HIVが母子感染することを知らなかったことが明らかになった。

 統計によると、スーダンでは2万3千人がすでにエイズに関連する病気により死亡し、
6万人のエイズ遺児がいると推定されている。UNAIDSによると、スーダンでの15歳以上の人々の間でのHIV感染率は2.6%と、他のアフリカ諸国に比べれば低い。しかし、ユニセフスーダン代表 テッド・チャイバン Ted Chaiban は、同国では、発表されているデータの数値よりも多く、約60万人がHIVに感染していると推定している。「もし、今対処しなければ、エイズがスーダンの全ての発展を遅延させるといっても過言ではない。また、スーダンが発展していくためには、未来を担う子どもたちにエイズ教育をしなければ。」と話す。また、このキャンペーンが成功すれば、内戦を経て復興しようとしているスーダンの保健医療分野以外での発展の見本になるはずだ、と期待している。

原題:SUDAN: Campaign to focus on HIV/AIDS affected children
日付:7 Dec 2005
出典:IRIN Plus News
URL: http://www.irinnews.org/report.asp?ReportID=50522

スーダン:南北和平合意後のHIV/AIDS対策の行方

現在、スーダンには約60万人のHIV陽性者がおり、成人感染率は2.6%とされ、ケニアやチャドなどの周辺国に比べると比較的低い数値にとどまっている。
 今年1月、北部地域に基盤をおくスーダン共和国バシール政権と、南部の解放運動勢力であるスーダン人民解放運動・スーダン人民解放軍 Sudan People's Liberation Movement/Army, SPLM/Aの間で包括的和平合意 Comprehensive Peace Agreement が結ばれた。
 この合意に関して、一部には、HIV感染率の高い近隣国に逃れていた難民が帰還することによって国内のHIV感染率が上昇するのではないかとの危惧が出ている。しかし、国連難民高等弁務官事務所 UNHCR は、帰還民とHIV/AIDSを安易に結びつける考え方に警告を発している。
 実際、紛争地では、性的虐待や保健サービスからの断絶などでHIV感染リスクが高くなることは確かだが、実際の難民の感染率は避難先地域の感染率や滞在期間によって左右され、また難民キャンプ内でHIV/AIDSに関する予防啓発教育を受けることでかえって感染リスクが低まるとも考えられる。難民キャンプで看護師や保健スタッフとしてのトレーニングを受けた難民もおり、こうした人々が帰還し、復興に参加することはスーダンにとってチャンスだとも言える。
 スーダン政府はエイズ予防プログラムに力を入れ始めている。広大な国土、資金不足、保健医療システムの不備など様々な困難を抱えつつも、帰還民や感染者を巻きこんだ包括的な対策の進展が今後いっそう求められている。

原題:SUDAN: Trying to stem the spread of HIV/AIDS
日付:6 September 2005
出典:IRIN PLUS NEWS
URL:
http://www.plusnews.org/AIDSreport.asp?ReportID=5203&SelectRegion=East_Africa&SelectCountry=SUDAN
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