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(ナイジェリア)140万人のこどもの新規HIV感染を回避

【2018年8月14日 カドゥナ(ナイジェリア)発】西アフリカに位置するナイジェリアの北西地域 North Westに属するカドゥナ州における母子感染予防サポート Prevention of Mother to Child Transmission:PMTCT と思春期・若年成年サポート Adolescents and Young Persons:AYP に関する記者会見で、国連児童基金(ユニセフ)のカドゥナ事務所でHIV/AIDSスペシャリストを務めるイドリス・ババ博士 Dr. Idris Baba は、「15歳以下の子どもにおいて、2010年から140万人の新規HIV感染が回避されるという、きわめて大きな進歩が実現した」と述べた。

ババ博士は続けて、「HIV陽性の妊婦の80%がいまや効果的な治療を受けており、結果として子どものHIV新規感染数は、2010年270,000人から2017年180,000人に減少した。また、抗レトロウイルス治療 Anti-Retro Viral Therapy:ART を受けている子どもの割合は2010年22%から2017年52%と約2倍となっているが、残念なことにまだ多くの女性、子ども、若者には届いてない。しかし、思春期女性は3分間に1人がHIVに新規感染しており、また、2017年には全世界で15歳以下の子ども18万人がHIVに感染したが、その91%がサハラ以南アフリカ地域での感染である。2017年、世界全体の10〜19歳の青年の中で、推定180万人がHIV陽性者といわれており、HIV感染のリスクにさらされた乳児のうち半数しか推奨された期間にHIV検査を受けられていない。世界には、19歳以下のHIV陽性者が300万人いるが、そのうち、15歳以下のHIV陽性者の半分しか抗レトロウイルス薬にアクセスできていない」と述べた。

ババ博士は、「ナイジェリアにおける若者の間での流行の要因として、社会・経済的、伝統的、宗教的、文化的なファクターなどがある。0歳から19歳までの世界の子どもの人口は25億人にまで増加するといわれているが、それと相まって、AIDSに起因する思春期の死亡者数が確実に増加することから、予防のための投資を倍額にし、思春期および成人したばかりの若者のHIV対策のパートナーとともに、HIV対策に再度注力することが必要である」と述べた。

原題:1.4 Million New HIV Infections Averted Among Children in Nigeria
出典 :DAILY TRUST
日付:2018年8月14日
URL: https://www.dailytrust.com.ng/1-4m-new-hiv-infections-averted-among-children-in-nigeria-265636.html

(ジンバブェ)HIV患者、政府無料提供のHIV治療薬を入手できず

【2018年6月7日ゴロモンジ(ジンバブウェ)発】アフリカ南部の内陸国ジンバブウェの北東部に位置する東マショナランド州のゴロモンジでは、政府が無料提供する抗レトロウイルス薬治療(Anti-Retro Viral Therapy:ART)を多くのHIV患者が入手できない状況になっている。これは治療薬を配布するヘルスセンターが患者に治療毎に1ドルを支払うよう要求しているためである。

ムワンザ村の住民らは、経済的理由から1ドルを支払うことができずに治療を受けられない者もおり、「1ドルはわずかかもしれないが、ここでは経済的困窮により支払うことができず、結果として治療薬が服用できずにいる」と話している。

ART治療は毎日薬を服用する必要がある。あるHIV陽性者のある女性は他のヘルスセンターでは無料で提供されているのに、なぜこの村では1ドルを要求されるのか疑問に思ったという。女性は、「昨年まで住んでいたチトゥンギザ村では無料だった。ムワンザ村のクリニックを受診したときに、受診毎に1ドル払う必要があると言われ驚いた。クリニックに行くまでの交通費を払うお金がないために長い距離を歩き、さらに政府が無料提供している薬にお金を払うよう強要されるのは不公平だ」と話す。また、「結果としてART治療が必要な患者はお金を払えないために引き返し、期日どおりに薬を受け取ることができずに命が危険にさらされることになる」と付け加えた。

ムワンザ・クリニック Mwanza Clinicの看護師は、「薬が必要な患者すべてに業務管理費として毎回1ドル払ってもらうことになっている。本来無料で提供されるべきであるが、クリニックの運営費などを政府が十分に援助してくれないためコストがかかる。クリニックで清掃や洗濯を手伝ってくれるボランティアに支払う手当も政府は負担してくれない」と話した。

政府は国家エイズ委員会(NAC)を通じて現在100万人のHIV陽性者にARTを提供している。国連開発計画(UNDP)によると、ARTが受けられることにより2006年以降、ジンバブェでは合計393,000人が命を永らえることができ、2016年一年間でも49,000人が死を免れることができた。

原題:Zimbabwe: HIV/Aids Patients Fail to Access Drugs As Clinic Demand $1 per Visit
出典:NewZimbabwe.com
日付:2018/06/07
URL:http://allafrica.com/stories/201806070732.html

移行国における「鍵となる人口集団」へのサービスの持続性について調査するツールが開発される

【2017年12月12日】経済成長などにより上位中所得国 Upper Middle Income Countryとなった国などは、グローバルファンドの資金から自国の資金への「移行」が求められている。これら「移行国」の市民社会組織(CSO)において、「鍵となる人口集団」に予防と治療サービスを提供するという役割の持続性について評価するために、CSOのための診断ツール(Diagnostic Tool on Public Financing of CSOs for Health Service Delivery、あるいは“社会契約診断ツール(SCDT)”とも呼ばれる)が開発された。続きを読む

米国食品医薬品局によるHIV治療薬の暫定的認可は世界規模でのHIV対策への一助となる

【2017年12月12日 アメリカ合衆国】
2004年、アメリカ政府は米国食品医薬品局the Food and Drug Administration(USFDA)の暫定的認可プロセスtentative approval process(tFDA)のHIV治療薬への適用を開始した。これは資金が限られた状況で購入できるHIV治療薬を選択するための基盤とされ、この認可プロセスによって、それまで認可されていない、あるいは独占権などによる流通制限や特許期間にある医薬品が、資金の限られた状況でも入手できるようになった。
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男性は女性よりもエイズ治療にアクセスせず、エイズ関連疾病で死亡する人が多い

【2017年12月 1日 オタワ(カナダ)/ジュネーブ(スイス)発】12月1日の「世界エイズデー」に際して、国連合同エイズ計画UNAIDSは、男性は女性に比べHIV検査を受ける人および抗レトロウイルス治療にアクセスする機会が少なく、AIDS関連疾病で死亡する人がより多いという報告を発表した。UNAIDSが発表した報告書「盲点:男性と少年へのアプローチ」Blind Spot: Reaching Out Men and Boys では、世界的にみてHIV感染した女性で治療にアクセスできている人が全体の60%であるのに対し、男性は治療中の人が全体の半分以下であることが示された。男性は女性より治療を開始するのが遅く、治療を中断する率が高く、フォローアップの機会を失っているという研究がある。続きを読む

国連「90-90-90目標」達成に向けて−カナダ、ブリティッシュ・コロンビア州の課題

【2017年11月13日】抗レトロウイルス治療Antiretroviral therapy(ART)を拡大させることは、HIV/AIDSの世界的な感染拡大をコントロールするための世界的な課題の中心にある。AIDSの流行拡大の終息に向けて、この試みを加速させるために、国連合同エイズ計画the Joint United Nations Programme on HIV/AIDSは「90−90−90目標」および「95−95−95目標」を発表し、これらは最近国連によって承認されたところである。この「90−90−90目標」は、2020年までに世界のHIV陽性者の90%が検査を受けて自分が陽性だと知り、そのうち90%がARTの治療を受け、さらにそのうちの90%の体内ウイルス量が検出限界以下になっている状態である。「95−95−95目標」は、2030年までに上記の割合がそれぞれ95%に上昇している状態である。

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クリニックへの訪問回数とARV治療の持続性

【2017年7月21日】抗レトロウイルス治療(ART)を普及し維持するためには、その最良の成果を担保しながら、保健システムや患者へのケア負担を軽減する、簡略化したHIVサービス提供戦略が必要となるかもしれない。今回、クリニックへの訪問頻度や薬をもらいに行く頻度の減少が、患者に及ぼす影響を評価するために、システマティックレビューを行った。

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(ウガンダ)抗レトロウイルス薬の在庫切れが薬剤耐性の懸念を引き起こす

【2017年11月1日カンパラ(ウガンダ)発】国を挙げて薬剤の在庫切れに対処しなければ、多くのウガンダ人が第一選択薬の抗レトロウイルス薬に耐性を示すことが懸念されている。続きを読む

HIVの「治癒」に関する研究の低中所得国での少なさ

【2017年6月5日】HIVの治癒に関する研究は主に高所得国で行われている。低所得国と中所得国 low- and middle-income countries(LMIC)では、HIVに感染しているものの、HIVを複製しない細胞である「休眠HIV保有細胞」 latent HIV reservoir の規模や、感染への免疫学的対応などに大きな具体的影響を与える要素が存在しているかもしれない。HIVに感染している個人すべてに治癒的な戦略が適用できるようになった場合には、こうした要素について理解しておく必要がある。続きを読む

抗レトロウイルス治療を受けている母親の母乳から乳児への感染のリスクはどの程度?

【2017年2月22日】母親が抗レトロウイルス治療を受けている乳児の母乳哺育と母子感染の関係について、世界保健機関 WHO のHIVと抗レトロウイルス治療に関わる乳児哺育ガイドラインを検証する観点から、これまでの実験的・監察的研究をレビューする形で調査を行った。

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AJF代表・林達雄著作。治療薬アクセス問題を患者の側から描き、真の国際協力とは何かを問う、HIV/AIDS関係者必読の一冊
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