グローバル・エイズ・アップデート

世界のHIV/AIDS情報を日本語で配信中!

リビア

リビア、国連機関が患者へのHIV治療のギャップを埋める

【2017年1月3日】内戦が続く北アフリカのリビアにおいて、医療サービスが崩壊し、命を救う医薬品の提供ができなくなっているため、数週間前から、世界保健機関 WHO がリビア内のHIV陽性者に必要とされる抗レトロウイルス薬(ARV)の配布を開始した。

続きを読む

(リビア)WHOが患者のHIV治療ギャップを埋める

【2017年1月3日】北アフリカのリビアで、数週間前、世界保健機関(WHO)は、長年切望されていた抗レトロウイルス薬 ARV を、リビアのHIV陽性者たちに供給し始めた。内戦開始後、リビアで医療サービスが崩壊し、生命維持の医薬品を患者に提供することができなくなった事後対応である。2011年にリビアで内戦が始まってから、HIV感染率は上昇を続けている。WHOによる最近の分析により、医薬品不足を含め、リビアの医療システムは崩壊していることが示された。

続きを読む

リビア: 裁判所、児童を故意にHIVに感染させたとしてブルガリア人看護師ら6名に死刑宣告=国際エイズ学会が死刑中止を要求する公開状を発表=

12月19日、北アフリカ、エジプトの東あるリビア(正式名称は、大リビア・アラブ社会主義人民ジャマーヒリーヤ)で、ブルガリア人看護師5名、およびパレスチナ人医師1名が、故意に数百人の児童らにHIV感染をさせたとして起訴されていた事件で、リビアの下級裁判所は、2度目の死刑判決を言い渡した。この判決を不服として、国際的な批判が強まっている。

国連人権高等弁務官 The UN High Commissioner for Human Rights は、5人の死刑執行をしないように促し、裁判の公平性に対し「信用性に関する非常に重大な懸念 very serious and credible concerns」 があると指摘している。

リビア当局は、6名が1990年代後半勤務していたリビア北東部のベンガジ病院 Benghazi Hospital 内で426名の児童にHIV感染させたと主張しているが、6名はこれを否定している。リビア政府当局は、50人以上がその後死亡していると述べている。これについて、多くの西側諸国の外交官および科学者たちは、同病院などの貧弱な衛生状態が今回の原因であり、それを隠蔽するために、被疑者らに罪が押しつけられたのではないかとの見解を示している。およそ8年前に彼らは逮捕され、2004年5月、最初の死刑宣告が言い渡された。しかし、国際的圧力によって、リビア最高裁は、再審を命じた。

判決が差し迫った2006年11月、ノーベル賞受賞者ら114人が、注射器の再利用や貧弱な衛生状態によって感染した証拠など、重大な証拠が考慮されていないことに懸念を表明する公開状を発表した。また、科学雑誌「ネイチャー」は、病院内で感染した児童らのHIVとC型肝炎ウイルスを調査し、これらの感染が、看護師らが1998年3月にリビアに到着する以前から生じていたことを発表した。国際看護協議会 the International Council of Nurse および 世界医師会 the World Medical Association も、科学的に立証された点を無視した判決である、と共同声明で指摘した。

ブルガリア政府は、判決を受け「非常に残念である extremely concerned」との声明を発表した。一方、AIDSで児童を失った家族・親類らは、歓喜に沸いた。7歳だった娘、モナさんを亡くした Subhy Abdullah氏は、「公正な判決です。非常にうれしい。」と述べた。リビアのアリー・オマール・ハッサウィ法務大臣(正確には、リビア最高人民会議法務担当書記 Secretary of Justice, General People’s Committee) Ali Omar Hassaoui は、「6名は上告することもできるが、死刑は速やかに実行されるべきだ」と述べた。

リビア政府は現在、西側諸国との関係改善に努めており、この点で、今回の事件は非常に政治的な要素を含んでいる。関係筋の多くは死刑が実際に執行されることはないが、一方で、リビア政府がこれを西側に対する交渉材料として使うであろうと推測している。当局は、感染した子どもたちの家族のために1000万米ドルを要求している。

ブルガリア政府およびブルガリア政府を支持する国は、要求を飲めばそれを事実と認めることになるという理由で、リビア政府の要求を拒否し、その資金を東欧で同じ立場にある子供たちに使いたい、と主張している。北アフリカ情勢に精通している、ケンブリッジ大学のジョージ・ジョフェ氏 George Joffe は、「真の交渉はこれからだ。国際社会が何を支払えるかによって、状況は変わってくるだろう」と述べる。

 国際エイズ学会Internaitonal AIDS Society もハッサウィ法務大臣に対して、死刑の執行差し止めを求める公開状を送付した。国際エイズ学会は、公開状の中で、HIVの共同発見者である リュック・モンタニエ博士 Luc Montagnier とローマ大学のヴィットーリオ・コリィツィ博士 Vittorio Colizzi が、この地域でのHIV感染は、ブルガリア人看護師らが病院に着任する以前から報告されていることを立証し、また、オックスフォード大学の調査で、児童らの血液は、HIVのサブタイプが看護師らの到着以前から存在していることなどを指摘し、リビア司法当局に対して、彼らの無条件釈放を求めた。

英文の公開状はこちら: http://www.iasociety.org/images/upload/1236.pdf

原題: So much for Qadafi's "rehabilitation."
Anger as Libyan retrial hands death sentence to medics
日付: Wednesday December 20, 2006
出典: The Guardian
URL: http://www.guardian.co.uk/libya/story/0,,1975740,00.html

ブルガリア:自国看護師の死刑宣告問題でリビア政府に治療薬・技術を提供

 リビア政府は2004年、リビア人の多くの子供たちをHIVに感染させたとして、ブルガリア人看護師とパレスチナ人医師に銃殺刑を宣告し、さらに100万ドルの罰金を科した。これに対し、看護師らの無罪を主張し、罰金の支払いを拒否してきたブルガリア政府は9月7日、この看護師および医師の釈放を再度要求する一方で、リビアに対してHIV/AIDS治療薬と設備を提供すると発表した。
 この事件について、専門家たちは、子供たちのHIV感染について、この看護師や医師の責任ではなく、血液を十分にスクリーニングしなかったリビア保健省、および滅菌作業を怠ったベンガジ市 Benghazi のアル・ファテ小児病院 Al Fateh Children's Hospital のミスであると分析している。リビア最高裁は11月15日に審理を行う。
 ブルガリアのリュボミール・キュシュカフ外務副大臣 Lyubomir Kyuchukov は9月7日、「ブルガリアは、リビア政府が要求する40項目中24項目には対応する。しかしこれは、看護師の罪を認めたからではなく、あくまでも11月の審理に向けて『友好的な状況』を築くためである。」とコメントした。
 一方、EUもリビアのHIV/AIDS対策のための政策提言・技術援助を開始した。具体的にはベンガジ感染症・免疫センター Benghazi Center for Infectious Diseases and Immunology の研究を国際基準に引き上げるための技術援助などを目標としている。欧州委員会は、2004年11月にEUが推進したベンガジHIV/AIDS行動計画 HIV Action Plan for Benghaziを直ちに実行に移すとした覚書に署名した。
 同行動計画は、安全な輸血システムの確保、実験結果の解析、病院施設の管理やHIV感染者・エイズ患者の社会復帰などに関して、EUがリビアに専門的アドバイスを行うものである。EUは同計画と看護師裁判との関連性はないとしているが、多くの専門家は、上記の援助開始については同事件がきっかけとなった可能性が高いとみている。

原題:Bulgaria Set To Provide Equipment, Medicine To Libya in Effort To Free Health Workers Accused of Infecting Children With HIV
日付:September 8, 2005
出典:Kaisernetwork Daily HIV/AIDS report
URL:http://www.kaisernetwork.org/daily_reports/rep_hiv_recent_rep.cfm?dr_cat=1&show=yes&dr_DateTime=08-Sep-05#32439
おすすめ(AJF関係者の本)
AJF代表・林達雄著作。治療薬アクセス問題を患者の側から描き、真の国際協力とは何かを問う、HIV/AIDS関係者必読の一冊
Categories
Archives
発行者:AJF

アフリカ日本協議会

  • ライブドアブログ