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中央アフリカ

(中央アフリカ共和国)紛争+食料不足+ホームレス = HIV陽性者を死に追いやる組み合わせ -----------------------------------------


【2015年7月8日バンギ(中央アフリカ共和国)発】 アフリカ中央部にある内陸国、中央アフリカ共和国では、絶え間ない紛争によって保健サービスが打撃を受けており、医療機関への破壊行為や略奪がHIV陽性者の薬物治療へのアクセスに多大な影響を与えている。続きを読む

(中央アフリカ共和国)世界基金による感染症対策案件、暗礁に

【2013年2月22日 ナイロビ(ケニア)発】世界エイズ・結核・マラリア対策基金(世界基金)の各国での資金運用についての監察・検査業務を行っている総合監察官事務所 Office of Inspector General (OIG) は、
アフリカ中部の内陸国である中央アフリカ共和国への資金供与に関する報告書を発表した。この報告書の中でOIGは、同国への資金供与について、資金を受領し実施を統括する資金受入責任団体 Principal Recipient (PR) が、非常に困難な状況の中でプログラムを実施しようとしており、資金が重大なリスクにさらされ、適正に使われる見込みがない、と結論付けている。実施中のプログラムには、ほとんど進展が見られず、資金計画や予算は期限を迎えているにも関わらず、達成見込みがない。続きを読む

中央アフリカ共和国:HIV/AIDS拡大の脅威にさらされる難民たち

チャドの南、コンゴ民主共和国の北に位置する中央アフリカ共和国は、アフリカでも最貧の10カ国の一つに数えられている。人口は400万人に満たないが、北部を中心に、長年にわたる武力衝突や継続的な治安悪化のため、約15万人の人々が住む家を追われている。さらに、スーダンやコンゴ民主共和国、チャドでの内乱から逃れるため、約2万人の難民が中央アフリカへ流入し、都市や難民キャンプに定着している。首都バンギの約150km東に位置するモランゲ難民キャンプには、700人以上のコンゴ難民が暮らしているが、HIVが彼らにさらなる苦難を与えている。長期にわたる社会不安と、難民や家を追われた人々の間でのHIV感染拡大との因果関係は、正確な統計がないためはっきりしていないが、UNAIDSによると、中央アフリカ共和国でのHIV陽性者率は10.7%と推計され、アフリカ中央部では最高、世界でも10番目に高い値となっている。

国連難民高等弁務官事務所 United Nations High Commission for Refugees(UNHCR)の資金および後方支援の下、国家難民委員会 National Commission for Refugees(CNR)が運営しているモランゲ難民キャンプのヘルスセンターでは、キャンプ住民と周辺6村の3,000人の住民の診療が行われている。しかし、肝心のHIV抗体検査キットすら不足しているため、医師はキャンプ内でHIV/AIDSの診断が下せず、エイズと関連がある症状を呈した患者についてはキャンプから10km離れた検査所へ紹介している。

キャンプ外の検査所に紹介された患者の多くは、キャンプに戻ってくることはない。難民の間でHIV抗体検査のメリットが知られていないことに加え、HIVに対する偏見が大きな原因であるという。人々は、HIV陽性者であることが知れたら、周りの人々から拒絶されると思い、つまはじきにされることを恐れている。他方で、こうした恐怖はあるが、HIV抗体検査を受けたがる難民は増えており、難民キャンプ内でHIV抗体検査サービスを開始する計画も進められている。また、キャンプ内でのHIV啓発活動により、コンドーム需要も拡大している。

世界エイズ・結核・マラリア対策基金は2004年、中央アフリカ共和国に対し、HIV/AIDS対策のために5ヵ年で2500万ドルの資金援助を行っている。しかし、国連によると、国内でARV治療を要する3万人のうち、これまでにARV治療を受けられているのはわずか2,860人のみで、この中に難民はほとんど含まれていない。難民のHIV対策プログラムへのアクセス順番待ちは、非常に長くなっているのが現状である。

原題:CENTRAL AFRICAN REPUBLIC: No refuge from HIV
日付:January 17, 2007
出典:IRIN Plus News
URL: http://newsite.irinnews.org/Report.aspx?ReportId=64482

中央アフリカ共和国:内戦時のレイプによるHIV感染の拡大

中央アフリカ共和国で2001年から2003年の間に起こった武力衝突の最中に、兵士たちにレイプされ、HIVに感染した4人の女性たちが今、NGOを通じて兵士への法による裁きを訴えている。

アンジェラさんは2002年に第5児の出産直後、戦渦の首都バンギから逃れるためにバスで移動していたところ、突然、隣国コンゴの反政府勢力であるコンゴ解放運動
Mouvement de liberation du Congo- MLC の兵士たちによって、乗っていたバスを止められた。「兵士たちは生まれたばかりの赤ん坊を私から取り上げ、森に投げ捨てた後、幼い子どもたちの目の前で、私を次々とレイプしました。」と、アンジェラさんは語った。時のパタセ大統領は、政府の後ろ盾として隣国コンゴからMLCを呼び寄せ、クーデターを起こして彼を大統領の席から引きずり下ろそうとした前大統領のコリンバ氏 Andre Kolingba に対抗していた。しかし、MLCの兵士たちは首都東部のクワンゴに入りこみ、略奪し、男性を殺し、女性をレイプするという残虐な行為を繰り返していた。

2002年に状況は更に悪化し、当時の参謀長で現在の大統領であるボジゼ氏が勢力を握った頃には、女性だけでなく、レイプの対象は男性にも及んでいた。30歳のブリジッドは父親と兄弟を殺され、父親の遺体のすぐ隣で何人もの兵士にレイプされたという。レイプによるトラウマに苦しむ彼女たちに、HIV陽性という現実が追い討ちをかけている。49歳のマリーは、首都から400キロ離れた村でレイプされ、その6ヶ月後に勇気をふりしぼってHIV抗体検査を受けたところ、陽性であることが判明した。レイプされた後、HIVに感染していることを知り、家族にも見放されたという女性は数多くいる。バンギで働いていたエミリーヌもその一人だ。

上記で紹介した4人の女性たちが所属するのはMLCの兵士たちにレイプされ、夫を殺された元教師、ベルナデット・サヨ Bernadette Sayo 氏によって創設されたOCODEFAD (L'Organisation pour la Compassion et le Developpement des Familles en Detresse)というNGOである。OCODEFADは、レイプの加害者およびその共犯者たちに対して、法による裁きを与えることを目的として活動しているが、そこには、性的暴力者を庇護する刑事免責という壁が立ちはだかっている。サヨ氏は、この刑事免責を強く非難し、このまま加害者たちを放置しておけば、更なる被害者が生まれると訴えている。被害者の証言では加害者のほとんどが兵士たちであり、警察もそのことは確認しているが、法的処置は取られていない。パゴネンジ・ンダカラ家族・社会問題・国家連帯大臣は、「政府は、レイプの加害者である兵士を拘束し、処罰を与え、軍からも追放した」と説明した。しかし、同国の人権団体によれば、2004年には、多くの兵士が一旦軍から追放されたが、政府の尋問中に逃走したり、他の兵士たちの協力を得るなどして刑を逃れているという。

同国では確かに、レイプや家庭内暴力から女性を保護するための法整備は進められているが、その実際の効力には疑問が残るとされている。OCODEFADの女性たちは、法が施行され、加害者に正当な裁きが下る日を待ち望む生存者のために活動を続けているが、HIV感染という現実の問題も立ちはだかっている。弱った体でどうやって生計を立てていくのか、どうやって子どもたちを世話していくかなど。OCODEFADによれば、生き残った350人のレイプ被害者のうち、57人がHIV陽性と診断され、52人がレイプの結果、妊娠して子供を生んでいる。

原題:The Legacy of Rape
日付:January 9, 2007
出典:allafrica.com
URL: http://allafrica.com/stories/200701100002.html
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AJF代表・林達雄著作。治療薬アクセス問題を患者の側から描き、真の国際協力とは何かを問う、HIV/AIDS関係者必読の一冊
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