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結核

(米国)国連結核ハイレベル会合:「知的財産権vs治療アクセス」の対立が政治宣言をめぐり再燃

【2018年7月20日 ニューヨーク(米国)発】今年9月26日にニューヨークの国連本部で開催される「第一回国連総会結核ハイレベル会合」に向け、同会合で採択される予定の政治宣言テキストに関する交渉が進められている。この交渉において米国は、国連の交渉のために途上国・新興国が組織する交渉ブロックである「G77」(編集部注)に対して、廉価で入手できる医薬品へのアクセス確保の法的手段をとる国の権利を擁護する趣旨ので世界貿易機関(World Trade Organization:WTO)が2002に採択した「ドーハ閣僚宣言」に関する言及をすべて除外するよう大きな圧力をかけている。

約2ヶ月に渡った交渉は、7月22日にニューヨークで終了することになっている。残る論点の1つは、WTOの「知的所有権の貿易関連の側面に関する協定」(TRIPs協定)に記載のある公衆保健の保護に関する記述となる。2001年「ドーハ閣僚宣言」では、TRIPs協定と公衆保健の促進の両立が宣言された。この宣言によって、WTO加盟国の政府は、国民の保健上の危機が生じた場合に、知的財産権で保護されている医薬品の製造や輸入が可能になる「強制実施権」compulsory licensing を行使することができる。また、ジェネリック医薬品の製造と輸出が可能となり、より多くの人びとが必要かつ有効な治療を受けることができる。

多くが先進国に本拠を置く新薬開発系製薬企業が製造する医薬品の多くは特許権の保護を受け、製造した企業が価格を決定しているため、高価な医薬品は途上国の人々には届かず、助けられる命が失われている。特に結核の文脈では、一般の結核治療薬に耐性ができた「耐性結核」(DR-TB)に対する治療薬や、結核と関連性の深いHIVの治療に用いる第2選択薬などが高価で、多くの人々が治療にあずかれない状況が存在する。近く開催される国連結核ハイレベル会合は、こうした問題に解決策を見出し、全ての人々に有効な治療アクセスを提供するために重要な会合とされている。

国際的なNGOの一つである国境なき医師団(MSF)は、世界で保健・医療に関わる人道支援や途上国での医療活動などを行うとともに、人々の命を救う医薬品へのアクセスの促進のための政策提言に取り組んでいる。同団体でHIV/結核政策アドバイザーを務めるシャロナン・リンチ氏Sharonann Lynchは、「耐性結核は、公衆保健を脅かしている。無意味な死を出さないためにも、我々はこの問題に最優先で取り組まねばならない。安全なジェネリック医薬品へのアクセスを阻むことはあってはならない」と述べた。
(編集部注)G77 / 77カ国グループ:1964年に開発途上国77カ国で発足した、途上国の共同的な経済利益の促進、国連システムにおける主要な世界経済問題の共同の交渉力の強化を活動目的に掲げている。国連では会議、宣言等に関する「交渉グループ」の一つとして機能している。

原題:Last-minute pressure to drop language on protecting access to affordable medicines from TB Summit declaration negotiations
出典:Medecins Sans Frontieres
日付:2018/07/20
URL:
https://www.msf.org/last-minute-countries-pressured-drop-language-protecting-access-affordable-medicines-tb-summit

(国境なき医師団声明)結核新薬、必要な人の2%にしか届いていない -----------------------------------------


【2015年12月3日 ケープタウン(南アフリカ共和国)発】 結核治療のための新薬、ベダキリンbedaquiline(ジョンソン&ジョンソン社)とデラマニドdelamanid(大塚製薬)が半世紀ぶりに開発されてから3年になるが、実際にこの薬を使用した治療を受けられているのは、必要としている人たちのたった2%だけである。これらの新薬は、完治が難しいとされてきた「多剤耐性結核(MDR-TB)」の治療に有効で、その開発は多剤耐性結核に感染している患者に大きな希望をもたらした。国境なき医師団Medecins Sans Frontieres (MSF)は、製造元の製薬会社2社に対して、これら新薬の結核流行地域における認可登録を急ぎ、低所得国や中所得国において一般の人々に入手可能な値段で提供して、速やかにグローバルアクセスを実現するように求めた。続きを読む

(中国)上海で結核ワクチンに関する専門家会議開催


【2015年5月5日上海(中国)発】「第四回結核ワクチンに関する世界フォーラム」が4月21日に中国の上海で開かれ、32ヵ国から約300人の専門家が結核ワクチンの開発に関する動向について意見交換した。続きを読む

(スペイン)大塚製薬の開発した新しい抗結核薬の使用を求める

【2014年10月30日 バルセロナ(スペイン、カタルーニャ州)発】10月下旬、第45回肺の健康に関する世界会議the 45th Conference on World Lung Healthが開催された。この会議の中で、結核治療薬へのアクセスを要求する活動家たちが、大塚製薬株式会社が主催するシンポジウムに抗議し、シンポジウムは中断された。続きを読む

(インド)結核を終わらせるためには、今までと同じやりかたではダメ

【2014年10月21日 市民ニュースサービスCitizen’s News Service (CNS)】2014年5月、世界保健総会World Health Assembly は世界保健機関World Health Organization(WHO)が策定した「ポスト2015結核戦略」を承認した。続きを読む

推測よりも大きかった、世界での小児結核による被害

【2014年7月9日 ニューヨーク(米国)発】世界で65万人以上の子どもたちが結核に感染していたことが判明した。これは、これまでの推測値よりも大きい数字である。続きを読む

(スイス連邦)ストップ結核パートナーシップと世界基金、新規資金拠出モデルにおいて、結核の影響を受けたコミュニティを中核に置く取り組みを実施

【2014年6月25 日 ジュネーヴ (スイス)発】

スイス連邦のジュネーヴで設立され、結核対策を行う調整機関である「ストップ結核パートナーシップ」The Stop TB Partnershipは先日、市民社会や結核の影響を受けたコミュニティを対象に、能力向上のための会議の開催を、世界の各地域においてスタートした。これは、世界エイズ・結核・マラリア対策基金(世界基金)が新たに採用し、本格的な導入が始まっている「新規資金拠出モデル」New Funding Model について、市民社会やコミュニティの参画を促進するためである。続きを読む

(南アフリカ共和国)WHOの結核スクリーニング法、ARTを導入した患者では成果出ず

【2014年6月16日】世界保健機関(WHO)が推奨している、症状を手掛かりに結核患者を見つけ出すスクリーニングのための問診票は、南アフリカ共和国において抗レトロウイルス治療Anti-retroviral treatment(ART)を行っているHIV陽性者には有効ではなかった。ARTを受けていないHIV陽性者に対しては、この問診票は効果的であった。続きを読む

(米国)米穀は世界的な結核予防にリーダーシップを発揮できていない


【2014年6月10日 ワシントンD.C.(米国)発】エイズとマラリアのように注目を集める世界的な健康問題が、関心と資金を集めている。一方、結核tuberculosis(TB)はインドなどで次第に問題となりつつあり、まもなく米国でも注目されるようになるだろう。戦略国際問題研究所Center for Strategic and International Studies(CSIS)が発行した報告書によると、米国は「顕在化した高いレベルのリーダーシップがない」ために、結核という深刻化している問題に対処できておらず、結核対策にも十分な資金を投入していない。同報告書は、「世界的な結核問題に対する米国の対応は、根強い欠点を抱えてきた。一つ、明らかな欠点は、世界的な結核予防に対する米国の資金投入が恒常的に極めて少なかったことだ」と述べる。
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WHOの新しい世界結核報告書への「アクション・プロジェクト」の声明

【2013年10月23日発】2013年10月23日―世界保健機関(WHO)は同日、結核tuberculosis (TB) について新しいデータを発表し、結核の空気感染対策は以前より遥かに進展した一方で、新薬の開発などが、病原体である結核菌の変異速度に追いついていない旨をその中で明らかにした。続きを読む
おすすめ(AJF関係者の本)
AJF代表・林達雄著作。治療薬アクセス問題を患者の側から描き、真の国際協力とは何かを問う、HIV/AIDS関係者必読の一冊
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