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(東ヨーロッパ・中央アジア地域)グローバルファンドからの資金移行 東欧地域の進捗状況

【2018年4月3日】東ヨーロッパ・中央アジア地域 Eastern Europe and Central Asia (EECA)の多くの国々は、ラテンアメリカ・カリブ海地域と同様に、エイズ・結核・マラリア対策について、グローバルファンドの資金による実施から、自国の資金による実施への移行プロセスを進めている。グローバルファンドはこれらの国々に「移行準備資金」を提供しているが、これについても、脱却しなければならない時期に差し掛かっている。本記事では、東欧・中央アジア諸国におけるHIV、結核、マラリアの移行準備状況の概況について説明したい。

持続可能性・移行・共同資金拠出政策 Sustainability, Transition and Co-Financing Policy

2016年4月、グローバルファンドの理事会は、持続可能な三大感染症対策の実施に向けて、中所得国における三大感染症の対策費を外部資金から国内資金に移行させていくことを目的に「持続可能性・移行・協働資金拠出政策」Sustainability, Transition and Co-Financing Policy (以下、「STC政策」)を策定した。

これはグローバルファンドを長期的に持続させるとともに、各国にグローバルファンドからの自立のための移行を約束させるという政策である。STC政策は、疾病負荷や経済力に関わらず、すべての国は、国の対策、プログラム、グローバルファンドからの拠出金の使い方や実施について持続可能かどうかをよく考慮して計画を立てるべきであると述べている。また、疾病負荷が大きく、資金が不足している国についても、より多くの国内資金を保健分野に投資する必要性を強調している。グローバルファンドの「支援適格政策」Eligibility Policyでは、各国において、次期支払時期において「資金適格外」ineligibleになる案件について、「優先的な資金移行の必要性」priority transition needsがある場合には、「移行準備資金」を得られる、ということになっている。しかし、之には例外があり、以下の国の場合は移行準備資金を受け取ることができない。

・高所得国に分類される国
・G20のメンバーであり、上位中所得に移行しつつあり、重度の疾病負担ではない国
・経済協力開発機構Organization for Economic Cooperation and Development (OECD)の開発援助委員会Development Assistance Committee(DAC)のメンバーである国

STC政策においては、移行資金は、当該国の移行計画にふくまれている事業にのみ使い、移行資金の期間内に、現在グローバルファンドの資金で行われているすべての事業を自国資金で賄うことを達成しなければならないとされている。

本記事では、移行の概要説明のために、以下の分類を用いている。

・移行準備資金政策が採用された時点ですでに不適格であったため資金を受け取れなかった事例
・2017年から2019年の資金受け取り期間において、移行準備資金を受け取れた事例
・2025年までにグローバルファンドのサポートから離脱することが予定されている事例
・移行準備を始めた事例
・長期の移行に向けてまだ一定の時間がある事例

移行準備資金政策が採用された時点ですでに不適格であったため資金を受け取れなかった事例としては、2015年の段階で以下のケースがある。

―ブルガリアHIV対策
ブルガリアのグローバルファンドからの拠出によるHIV/AIDS対策費の最後のものは、以前、グローバルファンドの案件が「案件募集」ベースで行われていた時期のもので、2015年12月31日に終了する予定であったものである。対策の鍵となる人口層 key populations のためのHIV対策を支援するために資金拠出は延長され、2017年の9月に終了した。2016年、2017年についても、「NGOルール」(特定の政治的条件下において、NGOが対策の鍵となる人口層向けに対策を行う場合にのみグローバルファンドへの資金申請を認める枠組み)の下で資金を受け取れる可能性はあったが、結局、ブルガリアは、「NGOルール」の適用によって資金を提供しなければならないような厳しい政治的障壁がなかったため、結局、対象外となった。同様の事例としては、ボスニア・ヘルツェゴビナのエイズ・結核案件、マケドニアのエイズ・結核案件などがある。

2017年から2019年の支払い期間内に、移行準備資金を受け取れた事例について、以下の案件は、2014年から16年の支払い期間が、通常の案件として資金が受け取れる最後の期間となる。そのため、「移行資金」については、17-19年の支払い期間に受領できる。
―アルバニアHIV対策
2015年に通常の案件を受給する資格がなくなったため、2017年から2019年の支払い期間において、移行準備資金として110万ドルの支援を受けることになった。同様のケースとしては、アルバニアの結核案件、トルクメニスタンの結核案件などがある。

2025年までにグローバルファンドのサポートから離脱することになっている事例としては、以下のものがある。これは、対象国の一人当たり国民所得に基づく分類が変化したり(つまり、低所得国から中所得国に上昇したり)、疾病負荷のカテゴリーが変化したことによるものである。
―コソボHIVと結核対策
HIV、結核ともに、コソボが上位中所得国になると予想されるため、2020から2022年の支払い期間の間に応募対象外となる見込みである。そのため、移行準備資金については、2023年から2025年に受け取れる。

移行計画が始まった事例であるが、グローバルファンドは、資金拠出対象となっている上位中所得国および下位中所得国で、疾病負荷が低いかもしくは中程度である場合、現在の支払い期間(2017-19年)中に移行計画を作るように要求している。東欧・中央アジア地域としては、アゼルバイジャン、ベラルーシ、グルジア、モンテネグロ、セルビア、ルーマニアの6つの国がここに分類される。一方、移行に向けて長期的な計画の対象になりつつある事例としては、キルギスタン、モルドバ、タジキスタンなどの下位中所得国が挙げられる。

一度資金拠出対象外になったが、対象内に戻った事例としては、カザフスタン、モンテネグロ、セルビアのHIVのケースがある。これらはHIVの疾病負荷が「高レベル」に分類しなおされたので、対象内となった。

原題:EECA is One of Two Regions Where Transition Planning is Most Advanced
出典:aidspan
日付:2018/04/03
URL: http://www.aidspan.org/node/4577

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