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治療薬

(ウガンダ)抗レトロウイルス治療薬(ARV)注射薬の臨床試験を開始

【 2018年11月20 日カンパラ(ウガンダ)発】東アフリカに位置するウガンダでは、暴露前予防内服 Pre-Exposure Prophylaxis:PrEP における、注射型の抗レトロウイルス薬の試験的投薬のための参加者となる女性たちの募集を開始した。これは、ケニア、マラウィ、ボツワナ、ジンバブウェ、南アフリカ、およびスワジランドの6ヶ国でも実施される5年間の大規模試験の一部である。ウガンダを含めた7か国から合計3,200人が募集された。

同試験は、二重盲検的に実施され、参加者は実験群、および対照群に分けられ、実験群は注射型の抗レトロウイルス薬カボテグラビル cabotegravirが投与され、もう一方の対照群はプラセボ(偽薬)が投与される。

参加者は、初めの2か月の間は毎月1回注射を受け、その後は2か月おきに1回の注射を受けることになる。この調査に参加した女性たちには、募集時から試験終了時まで妊娠せず健康であることが求められた。

HIV予防臨床試験ネットワーク HIV Prevention Trial Network:HPTN の一部であり、HPTN084として知られるフェーズ3の臨床試験では、カボテグラビルが2か月間毎月投与され、その安全性や、個人がHIV感染リスクに暴露されたときのリスクを減少できるかどうかについて評価された。

もし、この薬が安全かつ効果的であることが示されれば、現在の使用されている毎日服薬する必要のあるツルバダ Truvada の代りに、カボテグラビルはPrEPの選択肢になりうる。

国際エイズワクチン推進構想(IAVI)の研究員であり、医師のアマンダ・ワニャナ氏Dr. Amanda Wanyana は、本試験の一つが実施されることになるウガンダ・ウイルスリサーチ研究所において、「南アフリカ共和国においては、この試験はHIV陰性者の中から、ゲイを含む感染可能性の高いグループに対して実施されるが、ウガンダやケニアではHIV陰性者の中でも生産年齢人口である18歳から45歳までの健康な女性を対象とすることになる。」と述べた。

原題:Uganda: Clinical Trial of Injectable ARV Drug Starts in Uganda
出典:The East African
日付:2018/11/20
URL: https://allafrica.com/stories/201811200385.html

C型肝炎への世界との闘いと薬物使用問題

【2017年7月28日】注射による薬物使用者(People who inject drugs:PWID)のC型肝炎ウイルス(HCV)の感染とHIV感染の蔓延が世界的に大きな問題となっている。2015年におけるC型慢性肝炎感染者は7,110万人と推定されるが、そのうちPWIDは560万人とされる。2015年の新規HCV感染者は170万人で、そのうち23%が注射による薬物使用に起因する。HCVの感染は初期段階で治療を開始しないと肝硬変、肝臓がんと進展し、長期的にケアの費用がかかることになる。PWIDのHCV感染は、注射針や注射器の使い回しが主な原因であるが、HIV感染も伴うことも多い。

薬物使用者のHIV感染を予防するために、注射針・注射器交換プログラム(Needle and syringe programme:NSP)やメサドンやブプレノルフィンを用いたオピオイド代替維持療法(opioid substitution therapy:OST)は、効果が証明されているにもかかわらずその導入が進んでいない。HCV感染は、ウイルスを直接排除する内服薬による治療により95%以上が治癒できるようになった。2015年から2030年の間に、WHOは新たなHCV感染を80%まで削減し、死亡者を65%まで下げ、そして診断を5%以下から90%まで上げ、治療を受けることができる患者数を1%以下から80%に上げることを目標としている。

スイスにある「薬物使用者の肝炎に関する国際ネットワーク」International Network on Hepatitis in Substance Users の研究チームは、なぜ薬物使用者のHCV感染への介入が重要なのか、なぜ介入することで到達目標が可能となるのか、そして対策に向けての課題と行動を促すための方策について検討した。

重要な点は以下の7つである。
1.抗ウイルス薬を内服する治療(インターフェロンフリー治療)はPWIDのC型肝炎の治療を改善
2.注射針や注射器交換とオピオイド代替療法は再感染のリスクを最小限に抑えるために重要
3.オピオイド依存症患者に対するメサドンやブプレノルフィンを用いた代替維持療法は効果的で肝炎ウイルスとHIV感染を予防
4.抑圧的な薬物政策と薬物使用者への差別を回避することの必要性
5.薬物使用者のヘルスサービス利用の強化
6.検査、ケアと治療の連携をあらゆる専門分野で実施
7.明確な国家戦略とWHOの削減目標を実現するための財政強化。

注射による薬物使用者のHCV感染をなくすには、注射針・注射器交換などのハームリダクション・サービスの普及と、薬物使用者への差別をなくし、検査とその後の治療やケアのフォローを専門分野が連携して行うことが重要である。さらに薬物使用者に対する刑務所収監に代わる更正方法を含む薬物政策の改革と、ハームリダクション・サービスに関する資金の規模拡大と改善、ヘルスサービスへのアクセスの容易化、コミュニティのエンパワーメント、そして利用可能な診断と医薬品の提供などを提言する。

原題:Elimination of HCV As A Public Health Concern Among People Who Inject Drugs by 2030 – What Will It Take to Get There?
出典:Journal of The International AIDS Society
日付:2017/07/28
URL:https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.7448/IAS.20.1.22146

(インド)エイズ治療新薬「ドルテグラビル」導入の効果

【2018年3月30日】新しいタイプの抗レトロウイルス薬のタイプである「インテクラーゼ阻害剤」の一種、ドルテグラビルDolutegravir(DTG)をベースとした抗レトロウイルス治療antiretroviral therapy(ART)は、欧米ではHIV治療の第一選択薬として推奨されている。DTGは比較的有害事象(副作用など)が少なく、患者の体内でウイルスがDTGへの薬剤耐性を獲得することが少ないといった効果が認められているほか、経済的にも安価で魅力的な薬である。

一方、インドでは非核酸系逆転写酵素阻害剤(NNRTI)の一種であるエファビレンツEfavirenz(EFV)ベースの治療が「標準的なケア」the standard of care(SOC)とされている。そこで、今回インドではガイドラインが、免疫量を図るCD4の数(200を切ると日和見感染症にかかりやすくなる)にかかわらず、すべてのHIV陽性者を治療するという方針に改訂されたことや、インドのジェネリック薬企業でも徐々にDTGのジェネリック薬を製造するところが増えてきていることから、DTGベースの治療の臨床的および経済的効果をこれまでのSOCと比較分析した。

調査の方法としては、まず、個々人の属性やHIVの状態、治療状況に関するデータについて順に翌年の状態を予測するマイクロシミュレーション手法の「AIDSに伴う合併症予防の費用対効果国際モデル」The Cost-Effectiveness of Preventing AIDS Complications-international (CEPAC-I)を用いて、ART未治療の患者について2種類の治療法を比較分析した。この治療法は前述した、インドの標準的な治療ガイドラインに含まれているEFVとテノホビルTDF(正確な物質名はテノフォビル・ジソプロキシルフマル酸塩錠)、3TC(ラミブジン)の3薬の組み合わせと、DTGをベースとしたDTG、TDF、3TCの組み合わせである。まずこれら治療法に関する臨床試験データ、その他のデータソースから、48週目のウイルス量抑制(SOCは82%、DTGは90%)、そして年間のコスト(それぞれ98ドル、102ドル)などを含む多くのデータを投入した。今回のDTGの組み合わせのデータがないため、近い組み合わせのデータがどれくらい信頼できるかの強さを測定するため感度分析を実施した上で、費用対効果に影響すると考えられる範囲の変動幅を明らかにした。さらに、費用対効果の増加率incremental cost-effectiveness ratios(ICERs)について、1年生存させるためにかかる費用がインドの一人あたり国内総生産GDPの半分より少ない治療法を、費用対効果がよいと見做すこととし、2つの治療法を比較した。また、SOCとDTGの2つの治療法の、予算へのインパクトやHIV感染への影響(それぞれ444,000人、916,000人)をそれぞれ比較した(2015年度は1600ドルなので800ドル未満であればよい)。

その結果、まず、5年生存率は、旧来のSOCで76.7%であったのに対して、DTGは83.0%、平均余命はSOCが22.0%に対してDTGは24.8%であった(年3%差し引いた計算によると、それぞれ14.0年、15.5年)。これはHIV感染者によって今後5年間で予測される感染1万3000人が回避できる予測であり、生存中にかかる治療コストの減少率がSOCでは3040ドルに対してDTGは3240ドルであった。さらに、DTGを受ける場合、生存期間のICERが年130ドルとなり、これは2015年度のインド一人あたり国内総生産のうちの10%より低かった。DTGは、条件としてこの3つの薬剤による治療法の年間費用を180ドル未満に維持できれば、ICERをインドの一人あたり国内総生産の50%未満に維持することが可能である。今後2〜5年間、HIV関連の治療に伴う支出の総計については、2つの治療法はほぼ同じであると予測される。

DTGをベースとした治療法は今後、WHOの推奨、および低・中所得国における第一選択薬として受け入れられていくなど期待されている。今回の分析においても、この治療法は費用対効果がよりよいと示されており、データの信頼性も明確であることから、インドにおいても第一選択肢として導入すべきであろう。

●原題:The Cost‐Effectiveness and Budgetary Impact of a Dolutegravir‐Based Regimen as First‐Line Treatment of HIV Infection in India
●出典:Journal of the International AIDS Society
●日付:2018/3/30
●URL:https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/jia2.25085

(ジンバブウェ)性感染症薬の不足による打撃

【2018年3月29日】アフリカ南部の内陸国ジンバブウェの北東部に位置する東マショナランド州の州都マロンデラでは、ヘルスセンターの薬剤不足のために、性感染症の患者がクリニックで治療を受けられない状況である。

性感染症に取り組む団体は、このことで、性感染症が患者のパートナーにも感染するのではないかと懸念している。

国家エイズ委員会National AIDS Council(NAC)の東マショナランド州の責任者、ウィルフレッド・ドゥベ氏Wilfred Dubeによると、多くの患者が公的医療機関でなく、民間薬局で性感染症薬を買わざるを得ない状況だという。

しかし、患者のなかには値段が高いために民間薬局で買うことができない人もいて、パートナーへの感染リスクが高まっている。

ドゥベ氏は、「地域クリニックでは性感染症の薬が不足している。ほとんどの患者は薬局で薬を買うように言われているが、ほとんどの性感染症の治療には2剤から3剤の薬剤が必要なところ経済的理由から1剤しか買えない患者もいる。そうなると完全に治らないばかりではなく再発しやすい」と話している。

さらにドゥベ氏は、「薬剤不足により新たな感染と闘う国家エイズ委員会の努力が無駄になっている」と述べ、新たな性感染症の増加がコンドームに対する理解不足に起因していると考えている。東マショナランド州では、マロンデラ、ムレワ、ムトコの各地区がHIV陽性者が最も多い地域とされている。

●原題:Zimbabwe: Marondera Hit by Shortage of STI Drugs
●出典:New Zimbabwe
●日付:2018/03/29
●URL:http://allafrica.com/stories/201803290559.html
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