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HIV/AIDS予防活動

(ルワンダ)キガリ市、今後5年間で新規HIV感染者減少を目指す

【2018年9月21日キガリ(ルワンダ)発】東アフリカの内陸国、ルワンダの首都であるキガリ市は、新HIV戦略計画において2015年最終調査時と比較し、2020年の調査では6.3%の罹患率の減少を見込んでいる。

2015年の調査では、セックスワーカーの2人に1人がHIV/AIDSに関する情報を持っておらず、市内の55パーセントがHIVに感染していることが明らかになった。

キガリ市社会問題担当のパトリシア・ムホンゲルワ副市長 Patricia Muhongerwa は、「私たちは開発パートナーたちと、HIVと闘うための5年間の戦略的計画とその具体的な活動を示しました。私たちが、キャンペーン活動にもっと力を入れれば、新規HIV罹患率が減少すると願っています。」と述べ、「新規HIV感染を制限するためには、売春を確認する必要があります。それを達成する唯一の方法は、セックスワーカーにアプローチし、彼らと深い議論をすることです。」と続けた。

ルワンダ・バイオメディカル・センター Rwanda Biomedical Centre HIV国家戦略・運用計画のムハンマド・セマクレ 戦略アドバイザー Muhammed Semakure は、「キガリ市役所は、新規HIV感染を予防するための様々なプログラムを持っている」と述べた。

「まず、抗レトロウイルス治療薬 Anti-retroviral drug : ARV を早期に服用するために、人々の状況を知る手助けをする努力をします。今のところ、私たちは、検査のために公共施設に行くことを恐れる人々のために、自己検査の新しい戦略を持っています。そして、HIV陽性と診断された人々の性交渉相手ができるだけ早期にHIVの状態を知る助けとなるようなプログラムがあります。」、また、「コンドーム簡易販売プログラム the program of condom Kiosks を始める時、設置場所としていくつかのホットスポットを選んだ。新HIV戦略的計画の目的は、必要とされるすべての場所に設置することである。」と彼は述べた。

UNAIDSのベツル・ヴォルデセマヤト カントリーディレクター Betru Woldesemayatは、ルワンダの強力なリーダーシップと、2030年までにエイズの終息を目指す「ファースト・トラック」のアジェンダを推進するコミットメントを賞賛しました。

「ファースト・トラック都市イニシアチブ」の目的は、国と都市が2020年までに90-90-90の世界的治療目標に達する具体的な行動をとるよう促すことである。この90-90-90は、HIV陽性者の90%が自分の感染状況を知り、その90%がHIV治療にアクセスし、その90%において、HIVのウイルス量が検出可能値以下に下がるという状況を意味する。都市化率が高いことは、HIV感染の機会だけでなく、多くの課題が伴う。キガリ市でHIV予防と治療サービスを迅速に追跡すれば、費用対効果の高い方法で多数の人々に届く可能性がある」と彼は語った。

原題:Rwanda: City of Kigali Seeks to Reduce HIV Prevalence in the Next Five Years
出典:The New Times RWANDA’S LEADING DAILY
日付:2018年9月21日
URL:https://www.newtimes.co.rw/news/city-kigali-seeks-reduce-hiv-prevalence-next-five-years

グローバルファンド活動者ネットワーク(GFAN)、三大感染症の終息への取り組みを軌道に乗せる道筋を報告書で示す

【2018年8月20日】途上国のエイズ・結核・マラリア対策に資金を供給する国際機関、グローバルファンドに関する活動をしている世界の市民社会のネットワークである「グローバルファンド活動者ネットワーク」Global Fund Advocates Network:GFANは、オランダの首都アムステルダムで2018年7月下旬に開催された第22回国際エイズ会議 AIDS2018 にて、エイズ・結核・マラリアの三大感染症に対する多国間・二国間の資金援助が横ばいとなり、もしくは減少していることを示す報告書を発表した。

途上国では三大感染症対策の資金を必要としているにも関わらず、途上国の国内資金動員が増加し効果的に機能しているという思い込みにより、援助機関が三大感染症に対する援助を横ばい、もしくは減額しているという現状がある。そこでGFANは、三大感染症の流行を2030年までに終息させることを掲げる「持続可能な開発目標」(SDGs)に向けた取り組みが、目標達成に向けた軌道から外れてしまっていることを示すため、以下の懸念すべき動向を報告書にて明示した。

1)10代の少女と若い女性が高いリスクに直面している
毎年、低中所得国では35万人の少女や若い女性が新たにHIVに感染している。
2)高い感染可能性に直面している「対策の鍵となる人口層」key population は、依然として取り残されている。特に、中所得国では「外部資金から国内資金動員への移行」の名のもとに、援助資金の投入が急速に低下する傾向があり、三大感染症の予防や治療が受けられない人びとが増加している。
3)人権が侵害されている
世界各地で人権に関連する状況の悪化が報告されている。グローバルファンドは、支援の受け取り国に対し、差別のないアプローチの保健政策を要求することから、人権保護において主要な役割を持つ。
4)薬剤耐性が上昇している中、治療薬へのアクセスが危ぶまれている
先進国の製薬企業や政府は、本来、人の命を救うための治療薬に関して、「最大限の利益を絞り出す」ことを追求している。一方、薬剤耐性を解消するための取り組みは十分には進んでいない。
5)国際援助額が横ばい、もしく減少している。
三大感染症の問題を抱える国の多くは、経済成長により、低所得国から下位中所得国、上位中所得国へと分類し直され、結果として、多国間・二国間援助機関からの支援金額が削られた。しかし、三大感染症の陽性者の70%は、一人当たり国民所得の差はあれ、医療制度上、大きな課題を抱えている国で暮らしている。

取り組みを再び軌道に乗せるには、迅速な対応が求められる。WHO、UNAIDSとパートナー機関は課題を再検討し、感染症の現状の動向とグローバルな資源需要を再確認しなければいけない。三大感染症対策に向け、保健分野の国際援助の増加を政府に要求し、持続可能な医療システムの確立を強く訴えかけるべきである。GFANは対応の1つとして、統計データと主張の根拠となる参考資料をいくつかの媒体でオンライン公開し活用できるようにした。

原題:Advocates' network report underscores critical need for Global Fund to ‘get back on track’ to end epidemics
出典:aidspan
日付:2018/08/20
URL:http://www.aidspan.org/gfo_article/advocates-network-report-underscores-critical-need-global-fund-%E2%80%98get-back-track%E2%80%99-end

国際保健の指導者たち、UHCの文脈から「エイズ終焉」の実現について討議

【2018年8月21日】オランダの首都アムステルダムで2018年7月23〜27日に開催された第22回国際エイズ会議 AIDS2018 でテドロス・アダノム・ゲブレイェスス WHO事務局長 Tedros Adhanom Ghebreyesusは、「世界の人口の半分の人々は、いまだきちんとした保健サービスにアクセスできず、世界はHIV終息の目標に近づけていない」と語った。

同会議でテドロス氏は、HIVの終息とユニバーサル・ヘルス・カバレッジ Universal Health Care:UHC という2つの問題をリンクさせるために、以下の6つの論点を指摘した。

「まず、HIVと肝炎の対策の普及とともにUHCに関する周知が必要である。第二に、国レベルのHIV削減の戦略は、公的保健プログラムの構築と並行して行う必要がある。第三に、UHC計画にHIVへのサービスが包摂されることを認識しなければならない。第四に、UHCは人間を対象とする人間中心のものである。第五に、保健サービスの提供にかかる個人負担を廃止すべきである。そして最後に、感染の終息に向けて、新たな技術と医療介入の拡大が必要である」とテドロス氏は述べた。

同会議では、南アフリカ、インド、およびカフカス地方にあるジョージアの3カ国の代表らも登壇した。南アフリカのアーロン・モツオアレディ保健大臣 Aaron Motsoaledi は、「民間企業の保健システムはヨーロッパ諸国よりも優れている一方で、公的保健サービスは他のアフリカ諸国と同様に破綻している」と述べ、UHCの達成の鍵は国内の保健システムの格差の是正にあると主張した。

インド政府のプラサダ・ラオ Prasada Rao 氏は、UHCへの取組は政府などによって主導されていることから、「UHCには民間分野が含まれていない」と指摘した。保健サービスの60%を民間セクターが支えるインドでは、富裕層向けの質の高い民間の保健システムと公的保健システムとの格差も問題となっている。

ジョージアのダビィード・セルギエンコ在住地域・労働・健康・社会問題担当大臣David Sergeenkoは、自国のUHCでの成果について「2012年以来、同国の保健支出における患者の自己負担割合は大幅に減少し、公的保健センターに通う人の数が2倍近くになった。これは、治療のための外来が増え、保健水準の向上に大きく貢献していることを意味している」と述べた。

同会議には、グローバルファンドのピーター・サンズ新事務局長 Peter Sandsも登壇し、サンズ氏は、HIVとUHCとの接点の強化と、双方の問題を解決する資源をテーマとして挙げた。「UHCかHIVの終焉かという二対立は間違いである」と指摘し、「HIV終焉とUHCは同時進行で行われるべき」と強調した。一方で、HIV患者がUHCの取組から取り残されている現状についても認めた上で、「鍵となる人々を置き去りにしたUHCなど真のユニバーサルとは言えない」と述べた。

また、ベトナムでHIV対策の鍵となる人口層のコミュニティの組織化や保健アクセスの向上に取り組んでいる、「コミュニティ開発イニシアティブ支援センター」 Supporting Community Development Initiatives:SCDIの事務局長、クアット・チー・ハイ・オアン氏Khuat Thi Hai Oanhも登壇し、「HIV、結核、肝炎の患者がUHCから取り残されている」と述べ、HIV患者こそUHCを最も必要としているのだと強調した。「1978年にソ連(当時)のアルマアタ(現:アルマトイ)で開催された『第1回プライマリー・ヘルス・ケア国際会議』(WHO、ユニセフが主催)では、2000年までに『すべての人に健康を』ということで、UHC達成が掲げられた。しかし、同サミットから40年が経った今でも、国際社会はUHCを達成できていない」と訴え、サンズ氏にUHCに向けたグローバルファンドの政策を作るよう進言した。現在のところ、グローバルファンドはまだUHC政策を用意していないが、現状の考え方はサンズ氏のコメントに反映されている。

原題:Global health leaders discuss ‘ending’ AIDS in context of universal health coverage
出典:AIDSPAN
日付:2018/08/21
URL:http://www.aidspan.org/gfo_article/global-health-leaders-discuss-%E2%80%98ending%E2%80%99-aids-context-universal-health-coverage

(アンゴラ)HIV感染症を減らすための挑戦

【2018年6月12日ルアンダ(アンゴラ)発】アフリカ南西部に位置するアンゴラ共和国で、政府15省庁、および市民団体110団体が参加し、「アンゴラの地方自治体の保健システムを強化するための市民社会による国民的ワークショップ」が2日間に渡り開催された。同イベントにて、アンゴラ共和国の国立保健研究所は、教育、情報へのアクセス、およびコンドームの使用をAIDS対策に向けた予防的課題の1つとして示した。同研究所の責任者マリア・ルーシア・ファータド Maria Lucia Furtado は、検査へのアクセス、タブー、恥辱、差別、ジェンダー、遅れた診断、および効率的な治療への取り組みなども国内のHIV感染症を減らすための課題として述べた。

2017年に学会が公開した統計によると、国内のHIV陽性者数は31万人、そのうち14歳以下の子供は2万7千人といわれ、これは新規HIV陽性者数に同じである。HIV陽性者数のうち女性は19万人であり、2万1千人は妊婦である。2017年には大人と子供で1万3千人が病気で死亡した。国内のHIV感染率は2パーセントのままである。

原題:Angola: Official Points to Challenges to Reduce HIV Cases
出典:Angola Press Agency
日付:2018年6月12日
URL: http://allafrica.com/stories/201806130085.html

(マラウイ)「人口サービス・インターナショナル」(PSI)、マラウイ最大都市ブランタイアでHIV自己検査プロジェクト拡大

【2018年4月18日】米国の国際NGO「人口サービス・インターナショナル」Population Services International(PSI)のマラウイ支部は、同団体が南部アフリカで展開しているHIV自己検査プロジェクトを同国のブランタイア地域で拡大する計画を進めている。 このプロジェクトは「HIV自己検査アフリカ・イニシアティブ=調査」HIV Self-Testing Africa Initiative-Research (STAR) プロジェクトと命名されている。

STARプロジェクトは、HIV検査へのアクセスの機会が少ない人々に、プライバシーを守りながらHIV自己検査を促進するものである。また、特に感染可能性の高い人々には、複数回の検査を促進している。

同プロジェクトのコーディネイター、イアン・クルズ氏 Ian Khruz は、マラウイ・ニュース報道局 Malawi News Agency (MANA) に対し、HIV自己検査キットは、ブランタイアのスラム街では、インフォーマル・セクターによって供給されるだろうと述べた。クルズ氏によれば、ブランタイアの都市部のHIV成人陽性率は18.5%であり、エイズ対策の成功のためには、様々な手法を織り交ぜて行う必要があるという。「このプロジェクトのターゲットは、都市スラムとインフォーマルな仕事についている15-24歳の若者と成人の男性、その他の脆弱性を抱えている人々です。また、クリニックで何度も検査を受けている女性のパートナーの男性もターゲットにすることで、HIV感染を減らすことも目指しています」とクルズ氏は述べる。

クルズ氏によると、自己検査キットの配布については、対象となるグループに属している人々を活用するのがPSIのやり方である。「私たちは人数の面で特定の目標は持っていない。とにかく、できる範囲で最大限の人数にアウトリーチすることが目標だ」とクルズ氏は述べる。

ブランタイア地域の保健・環境局長であるペンジャニ・チュンダ氏 Penjani Chunda は、自己検査キットの配布によって、多くの人々が自らのHIV感染を知り、適切な医療にかかる方法を探すだろう、と述べる。チュンダ氏は、多くのマラウイ人がHIV検査センターに行きたがらないのは、感染の有無について知ることを怖がっていることと、恥だと思っていることに理由がある、と述べる。

チュンダ氏は、自己検査キットはすべての人に自分自身で検査をする機会を提供する適切なアプローチであるとし、「できる限り多くの人に検査機会を提供し、同時にHIV感染率を低減するベストなアプローチだ」と説明している。2018年2月までに、PSIは2264の検査キットを配布している。

インフォーマル・セクターの人々とは別に、同プロジェクトは専門的な業務に携わる人たちやトラック運転手をターゲットにする予定である。同プロジェクトは、2015年11月30日に、第18回アフリカ地域エイズ・性感染症国際会議において発足したものであり、うまく実施されれば、国連合同エイズ計画(UNAIDS)の2020年までの目標である「90-90-90目標」の達成に貢献するものであるとされている。対象国はマラウイ、ジンバブウェ、ザンビアの3ヶ国である。

原題:Malawi:PSI to Scale Up HIV Self-Testing Africa Project in Blantyre
出典:AllAfrica
日付:2018/4/18
URL:http://allafrica.com/stories/201804180317.html
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