2023年04月24日

暗殺のオペラ

Strategia del ragno
(1970-Italy:C-99m.)

03
製作 ジョヴァンニ・ベルトルッチ
監督 ベルナルド・ベルトルッチ
脚本 ベルナルド・ベルトルッチ,マリル・パロリーニ,エドゥアルド・デ・グレゴリオ
原作 ホルヘ・ルイス・ボルヘス『裏切り者と英雄のテーマ』
音楽 ジュゼッペ・ヴェルディ,シェーンベルク,ミーナ
撮影 ヴィットリオ・ストラーロ,フランコ・ディ・ジャコモ
出演 ジュリオ・ブロージ,アリダ・ヴァリ

うっかり聴いたラジオ『淀川長治のラジオ名画劇場』で取り上げられて例のごとくストーリーを全部ばらされて、くそまたやられたか。それでも「ああ、いい話だなぁ」と思っていつか観てやろう、と思ってた。私がこの人を好きになれないのは、自分が吐き出したらそれで満足、と語ってはならないとこまで平気で語ってしまうから。ストーリーを聞かないとどんな映画なのかが分からない、自分が見るべきかどうか判断できない、人たちには良き道標となってはいたのだろうが、ある程度以上の映画ファンには無用の存在であった。やっぱりこのストーリーを知らないで観たかったなぁ、これ。なんか腹立つぞ。
田舎の景色の美しい事。ヴィットリオ・ストラーロって仰々しいのよりもこういうところにも才があるんですね。1970年の作品の割には日本での公開が思いっきり遅いな(1979年)、と思ったらこれってイタリアのTV映画だったんですね。
老いたアリダ・ヴァリが笑ってても怖いな、と。
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淀川ラジオのせいで衝撃も無いまま最後まで観てしまったが最後にひとひねりある。これは意外だった。結局、この物語は現世に実存していない村の物語ではなかったか。暗殺された魂が成仏できずに故郷の村に戻ってきて、なぜ自分が成仏できないか、を息子の姿となって解き明かしにきたのではないだろうか。だからこそ、物語の最初と最後に一緒になる海兵隊の青年も実は死んでいて、やっぱり故郷の村に魂として戻ってきてそしてまた立ち去るのではなかったか。村には老人しかいない、っていういのも納得できます。となると、やはりこれは暗殺、であったのだ。草ぼうぼうの線路からカメラがパンするとそこには村の姿はなかった、なんて怪談で終わってほしかった気がします。

no title
オペラのシーンでは『リゴレット』だったので自分が笑ってしまわないか心配でした。TV『おかしな2人』でオペラの回に毒されたおかげであります。『リゴレット』を聴くと笑ってしまうという。
フィアットのチンクチェントが最高に素敵に登場しますね。ああ、これは欲しくなります。

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