African Kung-Fu Nazis
(2021-ガーナ:C-84m.)
監督 セバスチャン・スタイン,サミュエル・K・ンカンサ
脚本 セバスチャン・スタイン
製作 プロデューサーマン
出演 セバスチャン・スタイン,エリーシャ・オキエレ,秋元義人
第二次世界大戦後、アドルフ・ヒトラーとヘルマン・ゲーリング及び東條英機は潜水艦に乗ってガーナに亡命し生き延びそこで一大勢力を作っていた.....しかもどちらもカンフーの達人で.....
どこまで真面目に作ってるのか見てやろう、と。まぁ、真面目なわけがないわな。
まったく、最初から最後までゴミ中のゴミ。監督は日本在住のドキュメンタリー映像作家のドイツ人。これが、ガーナで映画が作りたかった、だから行った。作った、と。その理由は、「俺は黒人の女が好きなんだよぉ。だからガーナに行ってみたかったんだぁ」と本人が吠える。まったくのゴミもいいところで、これを劇場公開したシアター・イメージフォーラムも地に落ちた。
さらに、登場人物の格好で路上でビラ巻きして顰蹙となり配給会社が即座にお詫び宣言をするなどヤラセっぽい宣伝活動もバカそのもの。
「このプロモーション活動は、良識を欠いた非常に不適切な行為であったと関係者一同深く反省しております。心よりお詫び申し上げます」
だいたい、ヒトラーや東條の格好で路上で活動しちゃいかん不謹慎だ、って意見にも首をかしげるでしょうが。どういう基準なのか。
ひどかったのは、日本語版の吹替え声優として天龍源一郎起用。言語道断。作品よりも許せん。この人は本当に尊敬できるレスラーであった。ある時期までは。スパッと潔く消えてほしかった。だったら日本人レスラーの頂点に立つ一人になれたのに。私の中ではこの人はSWSに移った時点で終わっている。その後はまったく知らないままでいたかった。リッキー・ロメロとの日本デビュー戦から見続け、ビル・ロビンソンとのタッグで、ああ、やっと面白い人になったな、と思わせて、一連の天龍革命で頂点に立った。あの頃対峙する鶴田を応援する側であった私でさえ惚れたレスラーぶりだった。『レスリング・サミット』のランディ・サベージ戦は高評価だが凡戦だったと思うが。SWSの件で、ああ、もうこの人はダメになるんだな、惜しいなぁ、と直感で分かった。SWS→インディー→新日→ハッスル→天龍プロジェクト.......(どっかに全日復帰も入ったっけ)。見たくなくなる一方。今でも、好きな日本人レスラーをあげると、馬場→S小林→天龍→三沢・川田、ってなるでしょう(続きは→カーン、R木村→菊地→TAJIRI)。だからこそ、ここまでの姿は見せてほしくなかった。まぁ、私は日本語吹き替えなんか観ないので、彼の声優デビューも観ないなままではあるんですが(劇中に登場するゲーリング役だとか)。
いろいろ悪夢な一作となった。