The Little Things
(2021-US:C-128m.)
製作総指揮 ケヴィン・マコーミック,マイク・ドレイク
製作 ジョン・リー・ハンコック,マーク・ジョンソン
監督 ジョン・リー・ハンコック
脚本 ジョン・リー・ハンコック
音楽 トーマス・ニューマン
撮影 ジョン・シュワルツマン
出演 デンゼル・ワシントン,ラミ・マレック,ジャレッド・レト,クリス・バウアー
デンゼル・ワシントンは現代のシドニー・ポワチエか?誰もがふと思うと思う。でも、やっぱり違うんだよなぁ。どこか、善良でないところが内に残ってる、んだよなぁ。そして、この作品はそういう面をちゃんと活用したドラマである。連続猟奇殺人犯を追う元・名刑事の孤独の戦い、ってとこでしょうか。
本来だったらぞくぞくするほど面白そうな話なのに、なんでこんなに面白くなくなるのか。猟奇事件の犯人捜しより別のものに焦点が移ったから。そのための説明的な意味不明な描写がところどころ出現。これは観客不在の作り手の我儘さ。脚本もう一度練ってから出直してきなさい、って感じ。アカデミー主演賞獲ってからすっかり有名になってしまったラミ・マレックの刑事が「なんか宗教が俺たちと違うようだ」なんてセリフが出ると本国の観客はみんな笑うんでしょうか(本人は実際にコプト教徒、両親がエジプト人だから)。どんな映画に出てもアラブ系の役ばっかりだったけど(『ナイト・ミュージアム』三部作も印象的)、やっぱり以後もアラブ系の役ばっかりなんだろう。
まぁ、ちょっと残念だった一作です。なんでこんなに後味が悪いんだろうと思ったら、あの容疑者の男の性格と見かけと態度と歩き方を喋り方と......こいつのせいなんだろうな。