2023年04月29日

アニキ・ボボ

アニキ・ボボ
ANIKI BóBó
(1942-ポルトガル:B&W-71m.)
09

監督、脚本:マノエル・ド・オリヴェイラ
撮影:アントニオ・メンデス
音楽:ジャイメ・シルヴァ・フィーリョ
出演:ナシメント・フェルナンデス、フェルナンダ・マトス、オラシオ・シルヴァ
no title

70歳になってからの監督作品で知られるようになったマノエル・ド・オリヴェイラ監督の長編デビュー作品。興業的には失敗してその後干された、との事。
素朴でいい作品だと思う。が、フランスで出版されたこの作品のシナリオの付録DVDで観たため、フランス語字幕でしか観れなかったので、苦しいと言えば苦しかった。

03
01
このような年代でこのような内容の作品を撮っていた、って事で時代を先取りしていた、とみんなで褒めまわっているが、まぁ、そんな事は気にしないで、素直に観てればよろしい。
街の子供たちとそれを見守る大人のお話。小さい子供はやっぱり大人の目で見てやらないと、と。最後にクローズアップされた主人公の男の子のズタ袋から作ったカバンの文字、が気になったのでフランス語字幕もしっかり調べてみた(ポルトガル語じゃまったくお手上げじゃ)。
「私は正しい道にいます」
みたいな感じかね。

07
05
まぁ、確かに、なんかいいもの観た、って気にはなります。
2013年04月21日

Bananas Is My Business

Bananas Is My Business
(1995-ポルトガル:C-90m.)
監督:ヘレナ・ソルバーグ
1 カルメン・ミランダの伝記映画。ずいぶん前に長野かどっかの記録映画祭で上映されたはず。私はその後に大阪はプラネットの上映室で観た。パイプ椅子もろくに並ばないような極小の隙間で折り重なるようにして観た。熱気はこもるわ、他の連中はむさ苦しいわ椅子は痛いわで始まる瞬間から地獄のようだった。観たくて観たくて堪らんものだったのに早く終わってくれ、と祈りながら観たもんな。あれはきつかった。
ジェリー・ルイス版カルメン・ミランダ(『底抜けびっくり仰天』) 
 伝記を綴った記録映画、と呼んで良いのかな。実際は似たような俳優を使っての撮りなおしにいろんなニュースとか映画とかの彼女をインサートした。とにかく貴重映像が満載で、ファンには宝物のような一作。どうしても観れない“Gangs' All Here”の数十メートルの巨大バナナ頭のシーンもここで断片が見られる。やっぱり凄いや。しかもあれバスビー・バークレイだったのね!観たいぞ!
やはりこの人は並ではないね。世界規模のオークションでも彼女のものはいっぱい出品されているしプレミア度も高い。それだけファンがいるんだろうなぁ。凄かったのは「カルメン・ミランダ最後のTV出演の録画テープ」なんてのだった。もちろんあの死の直前のジミー・デュランテ・ショーだ。こんなもの出品して著作権にひっかからんのかい!と思ったけど入札しました。結局物凄い高値がついてしまって何時の間にか他人の手に渡ってしまったが。まずコピーだろうからこれはまた暫くしたら出てくるだろう、と狙っている。今、どんなカルメン・ミランダものが出回っているんだろうな、と思って覗いてみたら次のようなものをつい買ってしまった.....
この映画の中でも楽しそうに遊ばれてたものだし、つい($4.99)......
3
とにかく、貴重な映像がいっぱいあった。頭の被り物を取って見せるシーンなんて鳥肌モノだった。これが実にねぇ、美しいのですよね。全然違う顔なんだけど。マーナ・ロイみたいな。若い時のブラジル時代の化粧とか顔つきはあまりに鋭すぎて恐ろしいくらいだったのね。また、後年のマンネリ脱出のためのブロンドに染めた姿も見られる。
2
そして、この作品の意義は、ブラジルから来たボム・シェル、って思われがちな彼女だが(実際に渡米したのはブラジルからだが)、実はれっきとしたポルトガル人であった、という事を述べた事。この作品男もポルトガルの作品だったから、これは失われた自国のスターへのオマージュでもあるのだ。実際、興味本位だけでないいい作りをしていて、1995年のシカゴ映画祭ではベスト・ドキュメンタリー賞を受賞している。
また、なんかリタ・モレノなんか出てきてラテン・アメリカ女優のアメリカでの仕事について語ったりする。彼女は未だに若くて美しいのに驚き!いったいどうなってるんだろう!?

カルメン・ミランダは46歳で深夜に自宅で心臓発作で亡くなる。その日の最後の出演となったのが前述のTV番組『ジミー・デュランテ・ショー』だった。この映画でもそのシーンを収録しているのだが、激しい踊りのシーンの途中で彼女は足元から崩れてジミー・デュランテの腕につかまるシーンがしっかり映し出されていた。すごいのはその後は台本通り踊りながらセットから去っていく.......凄い人だったんだ.....
やっぱり私もこの人の未知なる部分を追って作品を探しながら一生を過ごすことになるだろう.......

しかしWEBでこの題名で検索すると男娼みたいなのの写真がいっぱい出てくるのね。確かに、言葉としちゃそうですけど......


 

    • 0 Comment |
    • 0 Trackback |