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《やっぱ、偽造はあかんなあ》

前回までの5回にわたって、「費用著者持ち&書店配本あり出版」(クンちゃんはきのうから、これを「自由出版」と勝手に呼ぶことにした)の影の部分に焦点を合わせて報告してきた。しかし、光の部分がないかと言えば、ないどころか新聞・テレビ・ラジオ・商業雑誌・商業出版の手の届かないところをカバーするという意味合いで、大きな意義がある出版形態であることもまた強調してきた。クンちゃんの実感である。

それでは、なにゆえかくも華々しく、かつ騒々しく、自費出版業界が刊行済み著者たちの不興をかってこなければならなかったのか。(はっきり言って、この点で文芸社は、新風舎などとは大きく異なり、現存する或いは消え去った他の版元との比較で言えば、もっともまともであったと思う。それゆえ残った、とも言えるのではないか!?)

著者の不満足、クレームについて、クンちゃんの見方を言おう。
 まず、これは憶測だが、出来上がってきた自分の本を見て、我ながらこんなものに大枚はたいて、まったく意味ないよなあという後悔が湧いてくる、多分そういう本だったのだと思う。そういう内容の本は、担当編集者としてもやりがいがないから、どうしても必要最低限の本づくりになる。こう言ったら、編集現場からお叱りを受けるだろうが、私はそう思う。


したがって、まったくどうでもいい本が世に出ることになる。
 一見してそれに気付き、愕然とした著者は、なんとしても自分の責任は回避したくなる。本を出そうと決断して契約書にハンコを押したのはほかならぬ自分なのに、「こんな本が売れると言いやがったあの契約担当者が悪い」と、責任転嫁してなんとか自分を納得させようとする。クンちゃんはそう思うんだが、どうだろうか。
 こういう事態を招かぬためには、なんでもかんでも出版しなさいと勧める版元の方針を転換する必要がある。これが実現できれば、刊行されても意味がない本は原稿のまま留まることになって、大変好ましい成り行きとなる。それには、著者をその気にさせるセールストークをなんとかやめねばならぬ。


非常識極まりないセールストークが姿を消せば、おおかたの不明朗、不健康な問題点は消滅するのではないか。そうなれば、「売れることは稀であること」を、著者はあらかじめ承知することになり、売れるかどうか(たーくさん売れるかどうかという意味です)という要素以外に出版すべき理由があるものだけが刊行されることになる。かくして、双方にとってなんの問題もおきようがない状態となる。
 ただし、そうなると現在の版元の業容が縮小されることは必至であるから、過渡期の版元においては、雇用の縮小をどうするかという問題に直面せざるを得ないし、従業員にとっても大きな問題ではある。
 現実問題として、最盛期に準じた雇用を維持している版元はかなりシビアなありさまになっており、とりわけ契約を取る部署はさまざまなプレッシャーに直撃される。


その結果、出版契約、新聞広告等に関する各種書面を偽造する者まで、出てきてしまう。有印私文書偽造、同行使、契約報奨金を受け取っていれば詐欺もくっついてくる、れっきとした犯罪であるにもかかわらず…。

クンちゃんがこの2月中旬、退職を目前に、暗く重い気持ちで作成した偽造男の申述書をご覧いただきたい。
 このような書面をどのようにしてブログに掲載できるのかわからないので、とりあえず単に複写したものを転載し、その写真版は判読できる水準にはないが、参考のためあした20日にもアップしておきたい。




申 述 書

私こと****は、株式会社******、クンちゃんのお尋ねに対し、以下のとおり、任意申し述べました。
 私は株式会社****(以下、「会社」と申します)****部に所属し、会社の主要な業務である著者が出版費用を負担する形態の書籍刊行にかかる出版契約および新聞広告等の勧誘から受注、契約締結等を担当しています。現在、勤続およそ**年です。
 クンちゃんからお尋ねを受けたのは、これまでに出版契約を締結した著者等の方々の名義を私が勝手に用いて、新聞広告の契約成立を証する「覚書」などの契約書に類似する有印の書面を偽造したことはないかどうかです。また、出版契約書そのものについても契約相手方に代筆等を委任された事実がないにもかかわらず、私が勝手に相手方名義の有印出版契約書を偽造したことはないかどうか、およびこれらに関係する内容についてもお尋ねを受けました。

実は、覚書、出版契約書のいずれについても、お尋ねの形態、すなわち契約相手方の委任や了解をいただくことなく、私が勝手に相手方名義の書面を偽造した事実がありますので、その内容につき、申し述べます。

第一 新聞広告にかかる覚書ほか、出版契約書などの偽造書面について
 全国紙等に有償の書籍広告を掲載することを会社が請け負うとの契約を内容とする「覚書」や「出版契約書」を、私こと****が勝手に作成した件について、現在、私が記憶している次の計5件について、種別ごとに、偽造時期が早いものより個別に説明いたします。①乃至④の覚書の場合、正規の手続きでは、覚書の雛型2通に必要事項を記入、当社側の代表印を上長が2通とも押捺したうえで著者側に送付します。送達を受けた著者は、自ら署名・押印等を施した2通のうち1通を手許に保管し、残り1通を会社に返送してきます。
 ところが、私の偽造覚書の場合は、事情を知らない著者に送付することなどできませんので、実際に必要なのは会社に提出する1通だけですが、そのような例外はありませんから、便宜上2通を作成します。また、前述のとおり著者に郵送等はできませんから、社内処理としては著者・契約者と面談した際に調印したように装って、1通は破棄し、1通のみに虚偽の署名押印等を施して会社に提出していました。

★平成22年*月*日付で、日本国某地方*******丁目番号所在の著者****様名義覚書2通(請負金額***万円)を作成しました。うち1通には著者側の住所・署名等の手書き記載が必要ですので、自分で書き込み、押捺印鑑の「**」は百円ショップで購入して押しました。****様の出版契約本体(契約書番号10********)は、平成**年*月**日付の総額***万円にのぼる著作 『*****』にかかるものであり、同書は平成**年**月15日奥付で会社より刊行されています。この覚書による広告受注について、私は所定の付加金(インセンティブ)を得る目的で当該支給を申請しておりますが、実際に支払いを受けたかどうかは、只今ただちにはわからない状態です。
 なお、私がこの偽造覚書1通を会社に提出しましたので、やがて会社から請負金額の支払い請求が**様宛に発せられる段取りになりますが、請求書が発行される前に私から会社に対し同請負契約が解除された旨の手続きをとりましたので、著者側はご自分名義の書面が作成されたことを知る由もなかった、ということになります。(もう1通は先に申し上げたとおり、作成後に破棄しました。)

★平成22年*月**日付で、日本国某地方丁目番号所在の著者****様名義覚書2通(請負金額***万円)を作成しました。うち1通には著者側の住所・署名等の手書き記載が必要ですので、私が筆跡を真似て自分で書き、押捺印鑑の「**」は百円ショップで購入して押しました。****様の出版契約本体(契約書番号101*****)は、平成22年*月*日付の総額***万円にのぼる筆名******様の著作『*****』にかかるものであり、同書は平成**年**月15日奥付で会社より刊行されています。この覚書による広告受注に関する付加金(インセンティブ)の関係については第①と同様であります。
 なお、私はこの偽造覚書1通を会社に提出しましたので、やがて会社から請負金額の支払い請求が**様宛に発せられることになりますが、その前に私から会社に対し同請負契約が解除された旨の手続きをとりましたので、著者側はご自分名義の書面が作成されたことを知る由もなかった、ということになります。(覚書のもう1通は破棄。)

★平成22年*月**付で、日本国某地方丁目番号所在の著者****様名義覚書2通(請 求金額***万円)を作成しました。うち1通には著者側の住所・署名等の手書き記載が必要ですので、自分で書き込み、押捺印鑑の「**」は百円ショップで購入して押しました。**様の出版契約本体は、平成22年*月**日付の総額***万円にのぼる著作『*********』にかかるものであり、同書は平成**年**月15日奥付で会社より刊行されています。この覚書による広告受注に関する付加金(インセンティブ)の関係については第①と同様です。
 なお、私がこの偽造覚書1通を会社に提出しましたので、平成22年*月**日付で請負金額***万円を同年*月*日までに支払っていただきたい旨記載された請求文書が現実に**様宛発せられました。当然ながら、**様側から問い合わせや苦情が会社に寄せられることとなり、私が休暇中だったために、**様はもとより会社編集部等にも迷惑をかけてしまいました。
 この事態となりましたのは私が当該偽造覚書について解約手続きを失念してしまったために、支払い請求や督促をおこなう社内部署が真正の覚書として取り扱って請求をおこなったからです。私は旅先で**様からの問合せ状況を知り大変困惑しましたが、その後、会社の手続き上の誤りであると**様側に言い訳してお詫びし、一応納得していただいたので、このとき覚書偽造は発覚しませんでした。(もう1通の覚書は破棄。)

★平成22年*月**日付で、日本国某地方丁目番号所在の契約者****様名義覚書2通(請負金額***万円)を作成しました。うち1通には契約者側の住所・署名等の手書き記載が必要ですので自分で工夫して書き、押捺印鑑の「**」は百円ショップで購入して押しました。****様の出版契約本体は、平成22年*月**日付の総額***万円にのぼる故****様著『******』にかかるものであり、同書は平成**年*月**日奥付で会社より刊行されています。この覚書による広告受注に関する付加金(インセンティブ)の関係については第①と同様です。
 なお、私がこの偽造覚書1通を会社に提出しましたので、やがて会社から請負金額の支払い請求が**様宛に発せられることになりますが、その前に私から会社に対し同請負契約が解除された旨の手続きをとりましたので、**様側はご自分名義の書面が作成されたことを知る由もなかった、ということになります。(もう1通は作成後、破棄しました。)

★平成22年*月**日付で日本国山岳地方丁目番号所在の著者・契約者****様名義の出版契約書2通(契約金額***万円)およびクレジット申込書1通を作成しました。いずれの書面についても、住所・署名等の手書き記載は、私が自分自身の手で書き、押捺印鑑の「**」は百円ショップで購入して使いました。
 その後、この出版契約は申込みに際する少額の金員の支払いがないためストップしたままで、クレジット申込書も会社に保存されているだけで、実際にはクレジット会社に渡っておりません.
 この出版契約書による出版受注に関する付加金(インセンティブ)の関係については前記の各覚書と同様、付加金を得る目的で支給申請をおこなっていますが、実際に付加金を受給したかどうかは判然としません。

第二 他に同様の偽造文書があるかどうか(余罪について)
       (記載はあるが、追って掲載予定)
第三 なぜ、これらの覚書等を偽造したのか(偽造に至る動機づけについて)
       (記載あり。追って掲載予定)
第四 会社幹部、直接の上司、同僚等の動向について(共犯ないし教唆犯等の存否、類似の犯罪の存否等)
       (追って掲載予定)

 以上の当申述書記載につき、クンちゃんが全文を読み上げて私に聞かせ、私もその後に実際にこの申述書を手にとって読み、内容に誤りなきことを確認しましたので、署名および日付・住所等を手書きし、指印をいたしました。

  平成23年2月  日
 
  住所          東 京 都
  氏名・指印       *****

上述の当申述書記載内容につき、申述者本人に対し全文を読み上げて聞かせたうえ、申述者本人が申述書を手にとって読み、誤りなきことを確認したので、署名および日付・住所等を手書きし、指印することを求めた。

  平成23年2月  日

  会社所在地       日 本 国 東 京 都
  職名・氏名・押印    見張り番・クンちゃん



(この項つづく) 

 掲載予定記事の一例

(予告。掲載順ではありません。体調不良のため、不定期のアップになります。ご了承をお願いします。内容は変更される場合があります。)
 
 ◆ノルマ達成には、契約書も偽造してしまうほどのプレッシャー!其の壱
 (契約現場のありさま。圧力をかけられる人びと。実家がハンコ屋だったという、とんでもない話)
 ◆ノルマ達成には、契約書も偽造してしまうほどのプレッシャー!其の弐
 (契約現場のありさま。圧力をかける側、寺野専務や千場取締役ら高級(高給)幹部はいったい何をやっているのか。)
  【東京都に摘発されたMMSを社内でも堂々販売、ほか】 
 ◆ノルマ達成には、契約書も偽造してしまうほどのプレッシャー!其の参
  (契約現場のありさま。圧力をかける側、寺野専務や千場取締役ら高級幹部は何をやっているか。)
  【地下サロンで有料治療行為も。社長が承認しているならアキレタボーイズ!】
 ◆ノルマ達成には、契約書も偽造してしまうほどのプレッシャー!其の四
 (契約現場のありさま。新聞広告料金詐取など別タイプの犯罪に手を染めてしまう人びと)
 ●新風舎と碧天舎の倒産前後
 ■自費出版図書館はどうなっちゃったか。あの人が何故?
 ●特定商取引法改正と自費出版業界
 ■鬼蜘蛛おばさんこと「北の論客」松田まゆみさんの主張(其の壱・調査活動の丈ア末)
 ■鬼蜘蛛おばさんこと「北の論客」松田まゆみさんの主張
(其の弐・まゆみさんが詐欺罪で文芸社を告発。寺野専務らに代わって東京地検に何度も呼び出されたクンちゃんの泣き笑い)
 ■鬼蜘蛛おばさんこと「北の論客」松田まゆみさんの主張(其の参・まゆみさん告発で、東京地検捜査をどうすりぬけたか、その真相)

 ◆文芸社が東京経済・渡邊勝利氏を名誉棄損で訴えた裁判(いわゆる渡邊裁判の丈ア末) 
 ◆渡邊裁判敗訴後の渡邊勝利氏とその末路(あの威風堂々の男が…金には勝てんのか!?)
 ●日本文学館ってどういう会社?幻冬舎は?


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(みなさんから頂いたコメント)

厳しい現実 (有権者)
2011-04-20 22:06:09
社員は高給とりじゃないのか!著者が金払ってんだから出版社は通常出費する部分を支払わずに済むはず。従って給料はよくて当然だが、実際は上層部だけがいいめを見て、働き蜂は親の目を盗んで悪さでもせねば暮らしていけぬ、ということですか。
そのとおりで・・トホホ! (クンちゃん)
2011-04-20 22:31:01
拝啓、有権者さま
コメントありがとうございました。
ご推測のとおり、この版元の大多数は、高給取りではないのです。おっしゃるとおり、なんでお前がそのポジションにいるの?という、いわばポーッとしているのが高給鳥なのです。あるとき、業績が悪くておしなべて減給するということがありましたが、そのとき「半分になってしまって*百万円だよ」って言っていた野郎がいて…。そんときの私の全部より、その半分のほうがだいぶ高額でしたなあ。おっしゃるとおりです。また、是非お立ち寄りください。草々
世の縮図 (やまといちご)
2011-04-21 19:13:28
庶民、大衆、その他大勢、言葉はどれでも正直物は損をするか?しかし若者には額に汗は貴いと伝えたい、そんな本を自費で出そうかな?やっぱり止めときます。
よーく考えよう (クンちゃん)
2011-04-21 20:19:34
やまといちごさま
コメントありがとうございました。
自費で出版するのは、よーく考えてからにしてくださいね。おなまえの件、ついでのときにお知らせください。ではまた!クンちゃんより
デジタルブックでいこうかな (やまといちご)
2011-04-22 13:56:59
高価な写真集とか作品集でもなければ、デジタルブックでもいいわけで、ただその場合は著書??冊とは呼べないんだろう。やっぱり本屋に並ぶというのは多くの人にアピールする魅力であり続けてるのが文化の一断面。名前のことですが、そのまんまのストロベリーざんす。
やがて本がなくなる (クンちゃん)
2011-04-22 22:53:52
こんばんは!やまといちごさま!
20年以上まえにも、もう本はなくなるといわれたものでしたが、そうでもなく、また今も電子ブックの登場で同じようなことが言われてますね。でも、これはまったくの当てずッぽですが、おっしゃるとおり、本屋に自分の本が平積みで置いてあり、それがもう2、3冊しか残っていない、というような情景は、原稿を書くような人間にはいつの時代でも夢であるような気がいたしますデス。
やまといちごのネーミング、わかったようなわからんようなですが、了解。クンちゃんより
Unknown (大前)
2011-06-15 20:27:15
文芸者ってひどい会社よね。みんなで集まって裁判しましょうよ