
石斧の出土自体はこれまでもあったが、柄が付いた状態での出土は県内で初めて。弥生時代に作られた柄付きの石斧出土は、雀居遺跡(福岡市)と下郡桑苗遺跡(大分市)に続いて九州で3例目。宮崎市が5日、市長会見で発表した。
(2012年07月06日 宮崎日日新聞)
宮崎市教委は5日、宮崎市阿波岐ヶ原町の中須遺跡で、木製の柄がついた弥生時代の石斧(せきふ)が出土したと発表した。木材は土中で腐りやすいため、石斧とともに見つかるのは珍しく、県内では初めて。縄文時代の石斧も含めると、九州では4例目という。
同市教委文化財課によると、河川改修に伴う昨年4〜7月の発掘調査で出土した。約2000年前の弥生時代中期後半のものとみられ、遺跡の東端の溝(深さ約30センチ、幅約80センチ)の跡から見つかった。
石斧の石の部分は砂岩とみられ、長さ20・4センチ、幅6・9センチ、重さ1120グラム。柄はアカガシの仲間の木で、長さは約70センチだった。柄の幅が広い部分に穴を開け、石を差し込んで装着。石も柄も使いやすいように表面が磨かれていた。形状から木の伐採に使用したとみられるという。
市教委文化財課は「低地で水分が多い土壌だったので保存状態が良かった。当時の暮らしぶりを知る上で貴重な資料で、石斧の利用方法や作り方を知る上でも重要な発見」と話している。
出土した石斧は7日から宮崎市の生目の杜遊古館で一般公開される。8月5日まで。入館無料。問い合わせは同館(0985・47・8001)へ。
(2012年7月6日 読売新聞)
宮崎市教育委員会は5日、同市阿波岐ケ原町の「中須遺跡」(弥生時代中期後半)で木製の柄が付いた石斧(せきふ)を発掘したと発表した。同市教委によると、おの全体が完全な形で見つかったのは全国で2例目という。担当者は「当時の道具作りの技術を示す貴重な資料」と話している。
同市教委によると、カシの木製の柄は長さ70センチで最大幅9センチ。石斧は重さ1・1キロ、長さ20・4センチ、最大幅6・9センチ。柄に開けた穴に石斧を差し込み、木の伐採に使ったとみられるという。溝跡から見つかり、水分の多い湿った土壌のため木が腐らずに残ったとみられる。遺跡は出土した土器の形状などから約2千年前と特定。くわやくいなど木製品が84点、土器が数百点出土した。
同市教委によると、全体が残った石斧が出土したのは、これまで福岡県久留米市の正福寺遺跡(縄文時代後期、4千〜3千年前)だけ。
同遺跡は川幅拡張工事に伴い発見。昨年4月〜7月に発掘調査を行った。
(2012/07/06付 西日本新聞)
